エコール・デ・ボザール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エコール・デ・ボザール(École des Beaux-Arts, École nationale supérieure des Beaux-Arts)は19世紀パリに設立されたフランスの美術学校である。
17世紀にフランス王立アカデミーの付属学校が設置された。1819年に、絵画・彫刻・建築の部門が統合され、国立の美術学校(エコール・デ・ボザール)となった。ボザールでの教育は伝統的、古典主義的な作品が理想とされた。
1968年の5月革命をきっかけに大学の改革が行われ、エコール・デ・ボザールも分割されたが、パリのエコール・デ・ボザールとして続いている。
[編集] ボザール様式
ボザールで学んだアメリカの建築家は、古典様式に忠実な作品を多く残した。特に19世紀末から20世紀初め、ヨーロッパではアールヌーヴォーなどモダンデザインへの傾向が見られたが、アメリカでは古典様式系の建築様式が流行しており、これをボザール様式(アメリカン・ボザール)と呼んだ。当時その背景として、MITの建築学科でボザール帰りの建築家が教鞭を取っていたこと、シカゴ万博でボザール様式が好評だったことなどがある。列柱を並べた記念碑的な(大げさな)デザインも多い(例:アメリカ自然史博物館)。日本でも三井本館(1929年)、明治生命館(1934年)などにその影響が見られる。