カルネアデスの板
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カルネアデスの板(かるねあですのいた、Plank of Carneades)は、古代ギリシアの哲学者、カルネアデス(Carneades)が出した問題といわれる。「カルネアデスの舟板」ともいう。
紀元前2世紀のギリシャで、船が難破し、乗組員は全員海に投げ出された。ある男が命からがら、一片の板切れにつかまったが、そこへもう一人、同じ板に掴まろうとする者が現れた。しかし、二人も掴まれば「板が沈んでしまう」と考えたその男は、後から来た者を突き飛ばして、おぼれさせてしまった。男は助かり、この事で裁判にかけられたが、罪には問われなかった。
[編集] 書籍
- ミステリーでは法廷物で引用されることが多々あり、中でも有名なのが松本清張の『カルネアデスの舟板』である。
- 漫画『金田一少年の事件簿』の中の「悲恋湖伝説殺人事件」は、このテーマを元に描かれている。
- 漫画『MAYA 真夜中の少女』の「真夜中の告発者 EpisodeII カルネアデスの板」でも、このテーマが扱われている。
- また、アニメ『トップをねらえ!』に登場する「カルネアデス計画」はカルネアデスの板をモチーフにした星野之宣の漫画「カルネアデス計画」に由来する。
- 『ゴルゴ13』のさいとうたかをの短編作品の中にも『カルネアデスの板』という作品があり、世界の人口爆発によって食糧危機に直面した各国の有力者達が、秘密結社を結成し、了解ずくで全世界の人間を中性子爆弾で半分にまで抹殺するという内容が扱われた。