カロリック説
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カロリック説(Caloric theory)とは、カロリック(熱素、ねつそ)という物質が熱を移動する、という学説。日本では熱素説とも呼ばれる。
近代初頭、たとえばアントワーヌ・ラヴォアジエやジョン・ドルトンは熱を物質(あるいは元素・原子)として考えていた。カロリック(熱素)とは、目に見えず重さのない熱の流体であり、あらゆる物質の隙間にしみわたり、温度の高い方から低い方に流れ、摩擦や打撃などの力が加わることによって押し出されるものとされた。
その後、熱が分子の運動であることが分かり、熱力学の台頭とともに消滅した。