カースル・ハワード
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カースル・ハワード (Castle Howard) はイングランドのヨークシャーに存在するステイトリー・ホーム(現在も私有されているカントリー・ハウス)。ヨークの25マイル (40 km) 北にあるこの建物はイギリスにおける最も壮麗な私有建築の一つである。
その名称とはことなり、実際には城塞として使用されたことはない。イングランドにおいては1500年頃になると城塞の建設はおこなわれなくなった。それ以降に建設されたカントリー・ハウスに対してカースル(城)という名称が頻繁に利用されたが、これらの建物の設計には軍事利用の観点は考慮されていない。カースル・ハワードは1699年から1712年にかけて第3代カーライル伯爵チャールズ・ハワードの命でジョン・ヴァンブラの設計に基づいて建設された。上流階級の出身でありながら建築の才に秀でていたこの著明な好事家の初めての作品であったため、ニコラス・ホークスムアが補佐をおこなった。ヴァンブラの設計した西棟は建設される事は無く、18世紀に新古典様式に基づいて建設された。1940年には建物大部分が火災によって焼失したが、その後大半の部分は再建された。
カースル・ハワードには大規模な複数の庭園が付属している。邸宅の背後にはフォーマル・ガーデンが控えており、建物はこの端に建っている。庭園はさらに外側のパークと接する。Temple of the Four Windsは庭の外れに、Mausoleumはパーク内におかれている。邸宅の両脇にはそれぞれ池が設けられており、レイ・ウッドと呼ばれる植物園が付近に存在する。
グラナダ・テレビが作成したテレビ・シリーズ『Brideshead』と『Brideshead Revisited』ではロケ地として使用された。
[編集] カースル・ハワードのキュー
127エーカー (514,000 m²) ほどの広さを誇るキュー・アット・カースル・ハワード (Kew at Castle Howard) 宮殿の庭に隣接し、別個の入り口が設けられている。1975年に設置されたこの植物園はイギリスにおける植物標本の保管施設としては最大級のものである。現在はカースル・ハワードとキューガーデンによって共同経営されており、 1997年に設立されたカースル・ハワード・アーバリータム・トラストによって経営されている。1999年からは一般に公開されており、2005年時点では新しいヴィジター・センターが建設中である。