カール・グスタフ・ケンプ
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カール・グスタフ・ケンプは、銀河英雄伝説の登場人物。
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[編集] 概要
ローエングラム陣営初期の主要提督の一人で、勇猛な将官として知られる帝国の元撃墜王。花崗岩の風格のある容貌を持つ。乗艦はヨーツンハイム。
[編集] 略歴
元々は単座式戦闘機「ワルキューレ」乗りとして活躍し「鋼鉄の撃墜王」の異名を持っていた(原作小説外伝では、第6次イゼルローン攻防戦で大佐/戦艦の艦長として描かれているが、アニメ版ではワルキューレのパイロットとして描かれている)。
同盟の帝国領侵攻作戦では、ヤン率いる第13艦隊と対峙した。退却を期すヤンの真意を掴めず結果的に撃ち逃す形になるが、この時の戦いでポプラン、コーネフの仲間で良きライバルでもあったシェイクリとヒューズが戦死する。
リップシュタット戦役で大将に昇進後、ガイエスブルグ要塞によるイゼルローン要塞攻略戦に司令官として参戦するが、さまざまな作戦を駆使したにも関わらず結果的に完敗し戦死した。
[編集] 能力
有能な艦隊司令官だが、ミッターマイヤーやロイエンタールに比べてやや柔軟な発想力が落ちる。第13艦隊との戦いではヤンの動向をつかめず取り逃がしており、第8次イゼルローン攻防戦ではガイエスブルグ要塞を要塞以外の用途に使う考えが浮かばず、ヤンに反撃の機会を与えてしまった(ただし原作小説内でも説明されているが、ガイエスブルグ要塞をイゼルローン要塞に体当たりさせて破壊するというヤンやラインハルトの発想は、天才か変人のものであり、ケンプの様な常識的な軍事の専門家は、物語の様によほど追い詰められない限り考えつかないとされている)。
[編集] 人柄
大柄で堂々とした風貌を持っているが、発想や思考の面でやや問題があるとされている。年下でありながら先に上級大将に昇進したミッターマイヤーやロイエンタールに対して、陣営内での功を焦った様子があり、イゼルローン攻防戦で勝利すればこの場所はケンプ・ミュラー回廊になるかもしれない、といった冗談にならない冗談を口にしてミュラーに首をかしげさせている。また、作戦が失敗した後、ミュラーに後方に下がる様に申し渡して不満を抱かせたり、「我が軍有利」とだけ本部に状況報告してラインハルトを失望させたりするなど、少なからず欠点を露呈させている。
ただし総合的には好感度の高い人物であり、冷遇されたミュラーが、ケンプの死を聞きヤンへの復讐戦を誓うなど、人望もあると思われる。
出征前に妻に「出世すれば、お前の実家に仕送りも増やせる」と語るなど、家族想いの一面も見せていた。
[編集] 家族
妻と2人の男子がいる。