銀河英雄伝説
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『銀河英雄伝説』(ぎんがえいゆうでんせつ)は、田中芳樹によるSF小説。また、これを原作とするアニメ、漫画、コンピューターゲーム等の関連作品。略称は『銀英伝』(ぎんえいでん)。
銀河系を舞台に、銀河帝国と自由惑星同盟、およびフェザーン自治領(正確には、フェザーンも銀河帝国の一部)の攻防と権謀術数を、ふたりの主人公ラインハルト・フォン・ローエングラムとヤン・ウェンリーを軸に描くスペースオペラ。道具立てはSF的だが「後世の歴史家による記述」という体裁を取っており、文体はむしろ歴史小説に近い。
近年、メディア展開の結果と徳間デュアル文庫版(刊行リスト参照)の発刊により、ライトノベルに分類されることもある。
目次 |
[編集] 概要
『銀河英雄伝説』の原形となったのは、1970年代の末に田中芳樹(当時は李家豊〔りのいえ・ゆたか〕名義)が幻影城から新書ノベルスとして出版する予定で書き進めていた『銀河のチェス・ゲーム』である。この作品は幻影城の倒産によって未完のまま中断したが、のちに徳間書店の編集者がその原稿を読み、序章にあった本編より数世紀前のエピソードを膨らませて描くよう勧めた。
1982年11月、徳間書店の徳間ノベルズより『銀河英雄伝説』が刊行された。これは本編第1巻「黎明篇」に当たるが、本作に先立ち同社から刊行された著作『白夜の弔鐘』の売り上げ不振もあり、この時点では2巻以降を出すかどうかは未定(売れ行き次第)だったため、初版には巻数及びサブタイトルが入っていない。さいわい第1巻が増刷されたため第2巻が刊行されることとなり(これに伴いローマ数字で巻数表記が付くようになった)当初はさほどの売れ行きではなかったものの、3巻を皮切りに人気に火がつき、1987年までに本編全10巻が書き下ろし刊行された。1988年、読者の支持によりその年の星雲賞を受賞。
SF(サイエンス・フィクション)に分類される作品だが、科学技術的な描写は重んじず、対立する陣営のイデオロギー、人物像、権謀術数、歴史の流れを正面に出し、「後世の歴史家」の観点から叙述することで、さながら架空の歴史小説であるかのような体裁をとっている。作者はのちに架空の歴史小説『アルスラーン戦記』を発表することになるのだが、この『銀河英雄伝説』においても、作者の歴史・文学の知識は色濃く反映されており、中国史をはじめとする歴史上のエピソードがしばしば顔をのぞかせている。また、作者が本作品シリーズにて首尾一貫「超能力」や「異星人種族」「未知のエネルギー」「戦闘用ロボット」「アンドロイド」といった要素を一切持たせず、むしろ禁忌としたのも、いずれも、史実、あるいはそれを基にした過去の文学作品を念頭に、人間同士の営みから生み出される歴史ドラマとしての構成を意図したためである。
作中、兵器の名称などには、銀河帝国側は北欧神話、対する自由惑星同盟側はギリシア・オリエント・ラテンアメリカ・中国など世界各地の神話からの引用が数多くみられる。また、人名、都市名などの名詞は帝国側はドイツ風に統一され、一方の同盟側はさながら多民族国家のアメリカのごとく雑多なものとなっており、本作品に一種独特の雰囲気を与えている。これもその背景にあるものを想像させるために用意された舞台装置の一例といえる。
本編の他に外伝があり、外伝は1984年から1989年にかけ、『SFアドベンチャー』に連載または同誌増刊号に一括掲載された長篇が4本(いずれも新書ノベルス1冊分)、同誌読み切りの短篇4本に、コミックの原作である短篇『黄金の翼』がある(これら短篇は長らく単行本未収録であったが、徳間デュアル文庫版で1冊にまとめられた)。外伝は全6冊分が執筆されると公表されているものの、最後の1冊分が書かれる気配はない。
本作はベストセラーかつロングセラーとなり、刊行以来重版増刷が繰り替えされてきた徳間ノベルズ版の第1巻は初刊からほぼ20年目にして100刷の大台を超える。また、新書ノベルス版以外にもハードカバーの愛蔵版、徳間文庫による文庫版、2000年から2003年にかけて“ファイナルバージョン”と銘打って刊行された本編全20巻、外伝全9巻、これにハンドブックを加えた全30巻の徳間デュアル文庫版(巻数が増しているのは従来の1巻分を2分冊にしている為)など、バリエーション豊富な装丁による書籍が刊行。いずれも息長く売れ続け、一部で「お化け小説」とも言われている本作の人気維持に貢献している。(各版の主な違いについては刊行リストの項を参照されたい)
なお、2007年2月からは東京創元社に版元を変え、創元SF文庫レーベルでの新装版リリースも開始されている。
[編集] 初出
[編集] 本編(本伝)
全て徳間ノベルズによる書き下ろし刊行(1982年-1987年)。刊行リストの項を参照。
[編集] 外伝
[編集] 短篇
- ダゴン星域会戦記
- 「SFアドベンチャー」1984年9月号。1984年9月1日発行。銀河英雄伝説外伝としては初めて発表された作品。挿絵は横山宏。
- 白銀の谷
- 「SFアドベンチャー」1985年6月号。1985年6月1日発行。挿絵は横山宏。
- 汚名
- 「SFアドベンチャー」1985年7月号。1985年7月1日発行。挿絵は横山宏。
- 朝の夢、夜の歌
- 「SFアドベンチャー」1986年7月号。1986年7月1日発行。挿絵は横山宏。
以上4篇は、『銀河英雄伝説読本』(らいとすたっふ編、1997年、徳間書店 ISBN 4198606617)に収録。
- 黄金の翼
- 1986年、道原かつみの漫画用に原作として書き下ろされたもので、この漫画版はアニメージュコミックスから1986年8月10日発行となっている。
執筆当時は小説単体での発表予定はなかった。1992年に本編シリーズの愛蔵版の購入者特典として配布されたのが、初出と言える。また、単行本では短篇集『夜への旅立ち』(徳間ノベルズ、1995年、ISBN 419850184X)に初収録された。
[編集] 長篇
- 星を砕く者
- 「SFアドベンチャー」1985年11月号、12月号、1986年1月号に各3章ずつ掲載された。挿絵は横山宏。
- ユリアン・ミンツのイゼルローン日記
- 「SFアドベンチャー」1987年1月号、2月号、3月号に各3章ずつ掲載された。挿絵は道原かつみと笠原彰。なお、徳間ノベルズ収録時に『ユリアンのイゼルローン日記』に改題されている。
- 千億の星、千億の光
- 「SFアドベンチャー」1987年12月増刊号「銀河英雄伝説特集号」に一括掲載された。挿絵は落合茜と是枝みゆき。
- 螺旋迷宮(スパイラル・ラビリンス)
- 「SFアドベンチャー」1989年4月号、5月号、6月号に各3章ずつ掲載された。挿絵は薙あかね。長篇としては最後の銀河英雄伝説外伝であることが、当時のSFアドベンチャーのフーズフー欄でも明記されている。
[編集] メディア展開
小説が書かれた頃は、まだメディアミックスという言葉すら存在しない時代だったが、出版元である徳間書店が各メディアへの進出を画策していた事から、徳間の人気作であった本作はアニメ・漫画・ゲームといった各娯楽メディアへの商品展開がなされた。そこからこの作品の魅力に惹きこまれた人も多く、様々なファン層が存在する。
[編集] アニメ版
小説の人気を受け、ファンからはアニメ化を求める声が高まり、1988年公開した劇場版を皮切りに約10年近くの歳月をかけて、ほぼ全てのエピソードがアニメ化された。
- 1994年には劇場版第二弾『新たなる戦いの序曲』が公開。こちらもOVA第3期開始に際してのプロモーション的意味合いの強いものであった。
- 1989年 OVA第1期リリース開始。第1期は登録した顧客へ1話分収録されたVHSビデオカセットが週1回“配達”されるという、日本アニメ史上後にも先にも類を見ない特殊なリリース形態(当時は“ウィークリービデオ”と呼ばれた)を取っていた。
- その後1997年まで、原作本編を4期に分けOVA化が継続。最終的に全110話製作された。
膨大な登場人物の殆どが役を兼ねず1人1役でキャスティングされており(ニ役演じた声優も存在はする)、当時の大御所から若手まで有名男性声優総出演の趣を見せている。この事からアニメ版は「銀河声優伝説」との異名を取っていた(声優業界でもそう言われていた)。あまりにものゲストの顔ぶれの豪華さに(もはやランク制無視に近い無類のベテランの多数起用)出演者が時に「今日は日俳連の会合でもあるんでしょうか?」と驚愕・混乱してしまうことすらもあったという。若手声優がベテランから教わることが多かった作品ともいわれている。女性声優は、軍人と政治家中心の内容のため採用は少なく、狭き門であった。
愚直なまでに原作小説を忠実にアニメ化した事が原作ファンからも好評を博したが、その一方で、作品の主な舞台のひとつであるイゼルローン要塞(後述)の構成素材を“流体金属で覆われている”という設定へ変更したほか、話の流れをスムーズにするための新規キャラクターの追加、原作の奇妙なセリフの修正、原作で名称が設定されていない戦艦への命名など、細かいアレンジも多い。
アニメ版に登場する戦艦には、原作新書版でも表紙と初期の挿絵を手がけた著名イラストレーター・加藤直之のデザインをベースにして端役の旗艦に至るまで特徴的な外観が与えられるなど、作品の魅力を増すための工夫が随所で試されている(加藤直之が全てのメカデザインをしているわけではない)。
BGMはあえてオリジナルスコアではなく、クラシックの名曲を数多く使用した。これはアニメ版製作の中核企業だった徳間グループの音楽部門会社・徳間ジャパンがドイツ・シャルプラッテンレコードの音源を大量に持っていた事から実現したものであるが、通俗的な名曲ばかりにとどまらず、クラシック・ファンの間においてさえかなり知名度の低い曲も多数使用されるなど、ありとあらゆる楽曲が使用された。特に、ニールセン作曲の交響曲第4番『不滅』は劇場版第1作の「惑星レグニッツァの戦い」などの場面で使用される重要な曲であるが、この劇場版が製作された時点では、日本国内においては一度も同曲が演奏されたことはなかったという、いわゆる「マイナー曲」であった(日本国内において演奏会で初めて同曲が演奏されたのは、この劇場版が発表された年の10月に行われたヘルベルト・ブロムシュテット指揮によるNHK交響楽団の定期演奏会においてであった)。また、映画版第1作目の「第4次ティアマト会戦におけるボレロの使用については、監督の「ボレロのような曲」という注文に対して、担当者がボレロ全曲を使いましょうと提案した話が伝えられている。なお、作品中で使用される自由惑星同盟国歌の音源は、このアニメのイベントに参加した一般応募者の唱和でつくられた。
OVA第1期は、後にテレビ東京において深夜に1回、夕方に1回放送された。20世紀末以降は、主にCS放送局や衛星放送局・WOWOWで全話が放送されている。DVD化に際しては、オリジナル版製作当時の事情によりやや粗さのある前半部分を中心に、一部作画がリメイクされている。
WOWOWでは2006年7月2日より、映画第1弾とOVA全話をテレビ初となる“リマスター版”を使用して放送中。また 宝塚歌劇団で舞台上演も検討されたこともあったが中止されている。
[編集] 漫画版
- 道原かつみの作画によって書き下ろし原作による外伝『黄金の翼』と本編2巻までのコミカライズが、多少のアレンジ(ルビンスキー、ホアン・ルイを女性とするなど)を交えつつ漫画化されている。なお、2006年10月発売の月刊COMICリュウ第2号より、本編3巻以降の内容で新作が連載されている。
- またこの漫画化前に、道原かつみにより全ての登場人物の性別を逆にしたものが製作発表風にまとめられ雑誌に掲載されている。ルビンスカヤ(女性版のルビンスキー)も、こちらが初出である。
- 1992年には、この漫画版『黄金の翼』を基にアニメ化が成された。このアニメ版は前述した通常のOVAシリーズとは声優・キャラクター設定、メカ設定などが全く異なり、道原の漫画を忠実に再現したものとなっている。これは原作者・田中芳樹が元々道原が手がける事を前提に漫画の原作を書き下ろした為、「道原コミック版のアニメ化」を希望した為と言われている。
- 後に鴨下幸久作画により、外伝の一編『白銀の谷』が漫画化された。
[編集] ゲーム版
[編集] 関連グッズ
ファンの年齢層がやや高めでもある事から、キャラクター商品としての関連グッズの販売は、あまり積極的には行なわれてこなかった。特典的商品としてのカレンダーやトランプが存在する。一方で、同人誌やコスプレ(自由惑星同盟の軍服を模したジャケットなど)を始め、ファン有志により製作されたグッズは多数存在するようである。
なお、2006年より、造形工房アルバクリエイツから、12,000分の1スケールの完成品戦艦模型「銀河英雄伝説フリート・ファイル・コレクション」が順次発売される予定である。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] あらすじ
西暦2801年を宇宙暦1年とした遥かな未来。宇宙に進出した人類は、専制政治を敷く銀河帝国と民主共和政を唱える自由惑星同盟の二大勢力に分かれ、150年にもわたる断続的な戦争を続けていた。長く不毛な戦いが永遠に続くかに思われていた宇宙暦700年代末、両陣営に2人の英雄が出現し、人類の歴史は大きく展開し始める。
宇宙暦776年/帝国暦467年、銀河帝国の下級貴族として生まれたラインハルト・フォン・ミューゼルは、姉のアンネローゼが皇帝の後宮に納められた事で、ゴールデンバウム王朝体制への決定的な憎悪を抱くようになった。ラインハルトは、彼女を助けるための力を得ようと親友のジークフリード・キルヒアイスとともに軍に身を投じる。やがて「宇宙を手に入れる」という野望を抱いたラインハルトは、その類い稀なる軍事的才能を生かして武勲を重ね、軍内部での地位を駆け上がっていく。ローエングラム伯爵家の家名を継ぎ、ラインハルト・フォン・ローエングラムとなった彼は、ついに20歳にして元帥に昇進。後に「常勝の天才」「獅子帝」と呼ばれた彼の元には若き才能が集まり、旧体制のもとで停滞する帝国内で確固たる勢力を確立する。
一方、自由惑星同盟では、本来は歴史家志望であったものの、歴史を学ぶ方便として士官学校に入学し、やむなく軍人になったヤン・ウェンリー(宇宙暦767年生まれ)が、本人の意思とは裏腹に歴史の表舞台に上げられようとしていた。退役生活を夢見ながら、武勲を重ねて提督に抜擢されたヤンは、難攻不落と言われた帝国軍の要衝・イゼルローン要塞をわずか半個艦隊で攻略し、その名声を不動のものとする。後に「不敗の名将」「魔術師ヤン」「奇跡のヤン」と評されたヤンは、母国の政治体制の腐敗を嘆き、戦争そのものへの嫌悪を抱きながらも民主主義体制下の軍人の職分を守り、数々の戦いに携わる事になる。
同盟軍による大規模な侵攻を撃退したラインハルトは、帝国内の門閥貴族勢力をも駆逐して帝国の実権を握る。だがその過程で、親友で半身でもあったキルヒアイスを失った。ラインハルトにとって余りにも大きな代償はその覇業に大きな影を落とす事になる。
一方、冒険的な帝国領侵攻作戦が大敗に終わり、さらにクーデターによる内戦で著しく疲弊した自由惑星同盟は、その国防を、最重要拠点となったイゼルローン要塞にのみ頼る以外の道が無く、責任者であるヤンの負担は増す一方となった。ヤンはラインハルトの壮麗な戦略を看破しながらも、民主主義体制下の軍人の職分を守るがために自由に対応できず、状況はヤンにとって憂慮する方向へとますます進んでいく。
帝国の実権を手中におさめたラインハルトは、自らの心の飢えを満たし宇宙の残り半分を手にするために、宇宙暦798年/帝国暦490年、帝国で発生した皇帝誘拐事件を大義名分とした自由惑星同盟への大規模な侵攻作戦「神々の黄昏(ラグナロック)」を発動する。それは、長年にわたる係争地であるイゼルローン回廊ではなく、同盟領とのもう一方の通行路・フェザーン回廊を突破するという壮大な戦略であった。様々な障害を抱えながらもそれを迎え撃とうとするヤン。ここに「常勝」と「不敗」の直接対決が始まり、さらに多くの事件、思惑、陰謀が複雑に絡み合って、銀河の歴史はさらに加速していく……
[編集] 登場人物
詳しくは銀河英雄伝説の登場人物を参照。
[編集] 登場勢力
[編集] 銀河帝国
500年近くにわたり支配を続ける専制国家。ルドルフ・フォン・ゴールデンバウムにより建国されたゴールデンバウム王朝と、ラインハルト・フォン・ローエングラムにより成立したローエングラム王朝に区別される。物語の本編は、ゴールデンバウム王朝末期からローエングラム王朝創成期にかけた時代を舞台としている。
ゴールデンバウム王朝銀河帝国は、人類初の統一専制政体である。退廃した銀河連邦末期に登場した新進気鋭の軍人ルドルフ・フォン・ゴールデンバウムが政治家に転身し、その強力な指導力で民衆の圧倒的支持を集め、宇宙暦310年(帝国暦元年)、自らを皇帝を名乗り成立。首都はヴァルハラ星系惑星オーディン。ルドルフの即位後は「劣悪遺伝子排除法」にみられる徹底した弱者や反対者への強権弾圧が行われ、一方で功臣を中心に創設された貴族階級と軍・官僚のもとで強固な独裁体制が確立された。しかし5世紀にもわたる強権的な支配は内部に腐敗を抱えるようになり、帝国からの脱出者により建国された自由惑星同盟との不毛な戦いが続くなかで、次第に国力は疲弊していく。やがてラインハルト・フォン・ローエングラムの台頭により、大貴族をはじめとする門閥貴族の支配体制が倒され、宇宙暦799年(帝国暦490年)、禅譲という形でローエングラム王朝に取って代わられた。38代、490年の支配であった。
ローエングラム王朝銀河帝国は、宇宙暦799年(新帝国暦元年)に成立。首都は始めオーディンであったが、初代皇帝となったラインハルト・フォン・ローエングラムにより翌年フェザーンに遷都。ローエングラム王朝では前王朝の悪習を一掃した開明的な統治が行なわれ、また150年にわたる自由惑星同盟との抗争を終結させ銀河世界のほぼ全てをその支配下に治めた。ラインハルトの存命中は軍事独裁政権の色彩が強いが、彼の死後は立憲的な体制に移行していく可能性がある。
[編集] 自由惑星同盟
ゴールデンバウム王朝銀河帝国の圧政に抵抗して、建国された民主主義国家。首都はバーラト星系第四惑星ハイネセン。
帝国暦164年、奴隷階級としてアルタイル星系において強制労働に就かされていたアーレ・ハイネセンらが、ドライアイスの塊で宇宙船を作って流刑地から脱出。「長征1万光年」と呼ばれる苦難の逃避行の末、居住可能な惑星を持つ安定した恒星群を見出し、復活させた宇宙暦527年(帝国暦218年)に建国された。建国から1世紀の間に国力の充実が図られ、宇宙暦640年(帝国暦331年)、ついにその存在が帝国に知られる事となるが、ダゴン星域会戦で帝国の遠征軍に記録的大勝。ダゴン会戦の後、帝国内の共和主義者が亡命するようになり、それを受け入れた同盟は量的な膨張をとげる。一方で、亡命者の中には刑事犯や権力闘争に敗れた貴族達も含まれており、質的な変容も余儀なくされた。
ダゴン会戦以後150年にも亘る慢性的な戦争状態の中で、政治の腐敗が進み、社会・経済は衰弱していき、建国当初の精神は失われていった。宇宙暦796年(帝国暦487年)に重要戦略拠点であるイゼルローン要塞を帝国から奪取した後、政治的理由から実施された帝国領侵攻作戦の中で膨大な艦艇・将兵を失い軍事力も弱体化した。やがて救国軍事会議によるクーデターとその失敗を経て、トリューニヒト派が政界・軍部において幅を利かすようになり、ラインハルト・フォン・ローエングラムのもとで改革が進む銀河帝国と比べてむしろ全体主義的な統制国家となってしまう。銀河帝国の軍事力に対抗しうる才能を持った類い希な人材であるヤン・ウェンリーでさえ、民主的な主張を繰り返したため弾圧を受けたほどであった。
帝国(ラインハルト)による「ラグナロック作戦」及び「第2次ラグナロック作戦」の後、宇宙暦800年(新帝国暦2年)2月20日「冬バラ園の勅令」によってローエングラム朝銀河帝国に全面降伏し併呑された。ゴールデンバウム朝銀河帝国は同盟を国家として認めず、長らく「辺境の叛徒」「自由惑星同盟を僭称する叛徒ども」呼んでいたが、この「冬バラ園の勅令」により、273年の歴史に幕を下ろした後、初めて国家として承認された。
併呑後、旧同盟領はノイエ・ラント(新領土)と改称され、旧同盟首都星ハイネセンに設けられたノイエ・ラント総督府の施政に置かれた。しかし民主主義の存続を願うものたちは、その後ヤンのもとに結集していく。
[編集] フェザーン自治領
帝国と同盟を結ぶ2つの回廊の一方にあたるフェザーン星系の第二惑星に作られた商業都市国家。地球出身の大商人レオポルド・ラープが帝国に強くはたらきかけて帝国暦373年(宇宙暦682年)に成立。以後帝国と同盟の間で微妙なバランスを保ちつつ勢力を維持しつづけた。国家元首は自治領主と呼ばれ、初代ラープ以来5代にわたり当地を治めてきたが、帝国暦490年(宇宙暦799年)に帝国軍の侵攻によって占領され、完全に帝国領に併合。
法的には帝国内の自治領であるが実質的には独立国家で、同盟との国交も有する。この為交戦状態の帝国と同盟が唯一平和的に交わる為の窓口となっていた。フェザーンはこうした政治的立場を利用して帝国と同盟の間の中継貿易を行い莫大な利益を上げていた。このため、僅か一つの惑星しか領土を持たないにもかかわらず、銀河系全体の1割の富を独占、惑星フェザーン自体もハイネセンやオーディンを凌ぐ銀河で最も繁栄した惑星となっていた。軌道エレベーターが設置されているのもこの惑星だけである。こうした豊かさは社会の底辺にも行き届いているようで、駐在武官として赴任していたユリアンはフェザーンの下町の清潔さと野良猫が太っている事に関心を寄せている。
フェザーンは一見単に利潤のみを追求する純粋な商業国家のようであったが、実際には失地回復を目論む地球教(地球統一政府の残党)によって影から操られていた。フェザーン建国の資金も地球統一政府が秘匿していた富から出ていたとされる。
帝国領に併合後、新帝国暦002年(宇宙暦800年)皇帝ラインハルトの遷都令によって、フェザーンは新帝国の帝都となった。旧帝国領と旧同盟領の双方を支配下に置いたローエングラム王朝にとって、両者の何れとも交通の便がよくインフラも整っているフェザーンは新帝都として絶好の地であった。
[編集] その他の勢力
[編集] 地球教
表向きは人類の母星である地球への帰依を説く宗教団体を装っており、帝国・同盟を問わず信者を増やし続けている。しかし実際には、かつて地球が持っていた特権的な地位を取り戻すべく暗躍する秘密結社であり、この時代においても政治工作やテロを繰り返している。フェザーンの成立には地球教の資金が投入されており、歴代のフェザーン自治領主は地球教と深くつながっている。
[編集] 門閥貴族連合
ラインハルトらが政治の実権を握ったことに反発した帝国貴族らの連合。ガイエスブルグ要塞を拠点に反乱(リップシュタット戦役)を起こした。保有する戦力・財力は当時のラインハルトをしのぐほどだったが、あまりの傲慢さに民心を失い、崩壊した。
[編集] 救国軍事会議
同盟の政治的腐敗を憂いた軍内部の将校らが結成した組織。議長はフレデリカの父ドワイト・グリーンヒル大将。クーデターを起こした際の布告は、挙国一致体制の確立、表現・言論の自由の制限、戒厳令の施行、議会の停止、社会保障の削減など、500年前のルドルフの政策と何ら変わらないものだった。クーデターは成功するかに見えたが、機動戦力である第11艦隊のドーリア星域での敗北、ハイネセンを守る12個の軍事衛星「処女神(アルテミス)の首飾り」の破壊により戦意を喪失し降伏する。後にクーデター派のアーサー・リンチがラインハルトにクーデター計画を持ちかけられ、それを実行していたに過ぎないことが判明する。
[編集] 銀河帝国正統政府
レムシャイド伯爵・ランズベルク伯爵ら門閥貴族の残党達が、当時の銀河帝国皇帝エルウィン・ヨーゼフ二世を誘拐し、同盟に亡命して立ち上げた政府。支配すべき人民も指揮すべき兵も持たず、ラインハルトの同盟領侵攻後まもなく内部から崩壊した。
[編集] エル・ファシル独立政府
「バーラトの和約」直後、実質的に帝国支配下となった同盟の混乱期において、同盟からの独立を唱え勃興した政体。国家の呼称案のひとつとして自由惑星同盟“正統政府”があること等から、搾取と抑圧の象徴たる「専制政治」に正対する自由と解放の象徴・民主共和制の回復を、当時の同盟から引き継ぐことを政治理念として掲げていたようである。様々な情勢変化によってヤン一党を「革命予備軍」として招聘することとなるが、政治判断において一部有志の個人的資質に頼っていたためか、政府主席フランチェシク・ロムスキー医師とヤンが死去した後、間もなく瓦解してしまった。
[編集] イゼルローン共和政府
ヤン・ウェンリー亡き後、ヤンの妻であったフレデリカ・グリーンヒル・ヤンを指導者としてイゼルローン要塞に成立した共和政府。別名として、成立した月の名前をとり「八月の新政府(ニュー・ガバメント・イン・オーガスタ)」とも称される。軍隊は「イゼルローン革命軍」と呼ばれ、ユリアン・ミンツが司令官となった。帝国軍に対し戦術的な勝利を積み重ね、帝国側の事情もあり妥協が成立、後に旧同盟首都バーラト星系を取り戻す事に成功する。
[編集] 銀河帝国成立前の歴史上の勢力
[編集] 地球統一政府
西暦2030年代に勃発した世界大戦とその後90年に及ぶ混乱を収拾し、2129年に成立した統一政体。長きにわたる混乱から人類社会を復興させ、宇宙開発に尽力した。24世紀末には超光速航行を実用化し、25世紀初頭に太陽系外に居住可能惑星が発見されると太陽系外へと人類の生存権の拡大に着手した。しかし27世紀に入ると植民星系を強権を持って支配した結果反発が起こり、武力衝突へと進展した。27世紀後半のシリウス戦役では、緒戦においては優勢であったが、「ラグラン・グループ」の活躍によって植民星系側も反撃に転じ、地球の支配体制は崩壊。2704年のシリウス戦役終結により事実上消滅。
[編集] シリウス政府
地球軍によって破壊された、シリウス星系第六惑星ロンドリーナのラグラン市の生き残りである「ラグラン・グループ」{精神的・論理的指導者のカーレ・パルムグレン、行政・経済担当のウィンスロー・ケネス・タウンゼント、反地球統一政府軍の黒旗軍(Black Flag Force)総司令官ジョリオ・フランクール、諜報及び謀略担当のチャオ・ユイルンの4人。}が地球政府を滅ぼし、植民星系勢力を糾合して結成した政府。政府の基盤が固まらないうちに、パルムグレンの死をきっかけにラグラン・グループ内で権力闘争が勃発して、瓦解する。
[編集] 銀河連邦
シリウス政府瓦解後の混乱を収拾して成立した人類全体を包括する単一民主政府。西暦2801年に、アルデバラン星系第二惑星テオリアを政治的中枢として成立した。ちなみに成立した年である2801年は宇宙暦元年と改められた。成立当初から中期にかけては進取の気性に富んでいたが、長い平和に飽いて人心は荒廃し、末期には様々な社会問題が噴出していた。やがて、腐敗の一掃を唱えるルドルフ・フォン・ゴールデンバウムが大統領兼首相として独裁権をふるうようになり、実質的にルドルフに乗っ取られる。ルドルフが国民投票によって皇帝に就任し、銀河帝国が成立したことで消滅。それは民主主義の死をも意味していた。
[編集] 物語の世界
物語の舞台となる未来の宇宙、人類は恒星間航行の実現により太陽系外に進出し、銀河系の3分の1にまでその居住圏を広げている。地球はすでにその繁栄と人類社会の中心としての地位を失い、今では帝国領の辺境で半ば忘れ去られた存在である。銀河帝国と自由惑星同盟の間には、航行不能な広大な宙域が広がっており、その中で通行可能なのはイゼルローン回廊とフェザーン回廊と呼ばれる狭い宙域のみ。フェザーン回廊にはフェザーン自治領が存在するため、イゼルローン回廊とその周辺部における帝国軍と同盟軍の戦争が150年の長きにわたり慢性的に続いている。
人口は、かつての銀河連邦の最盛期には3,000億人を数えるほどだったが、銀河帝国の圧政とその後の消耗戦的な戦争の中で、帝国250億人に同盟130億人にまで減少している。両国の社会が疲弊する一方で、フェザーンは一惑星でありながら20億人を誇り、帝国・同盟との交易により経済も潤っている。医療技術は飛躍的に進歩し、癌などはすでに不治の病ではなくなった。しかし、人工器官やタンクベッド睡眠などの技術は戦争継続のために利用されており、医療技術の発展が兵器開発と並んで戦死者数をさらに拡大させる、という皮肉な状況となっている。
人々の生活環境は居住する星系により様々で、フェザーンやハイネセンなど多数の住民を抱える惑星では、超高層建築技術なども発達し非常に未来的な生活環境が享受されている。一方、辺境部などでは人口も少なく、帝国では領主である貴族の下で中世的な生活を強いられている人々も多い。都市部では立体TVなどが発達し、フライングボールというスポーツが帝国・同盟問わず人気の娯楽となっている。
作品世界では、宗教の概念が著しく衰退しているとされる。かつて地球上を覆った破滅的な戦争において、救世主たる神がついに現れなかったからでもあるが、その結果道徳的な規範が脆く社会の退廃が進みやすい側面を持つ。一方で、帝国人にとってのヴァルハラの思想など、一定の宗教的概念は存在する。また近年、人類の発祥地である地球を信仰の対象とした地球教が、社会に急速な浸透を見せているとされる。その本質と実態が、物語の展開にも大きく関わってくる事になる。
[編集] 戦争小説としての側面とその設定
上記概要にもあるように、この作品は未来の宇宙を舞台にした架空の歴史小説という体裁をとっている。様々な登場人物が織り成す、政治や思想を絡めた人間ドラマが主体であるが、一方で異なる勢力による宇宙(銀河系の一部)を舞台にした戦争小説としての側面も持つ。作品中では、銀河帝国と自由惑星同盟(あるいは共和主義勢力)の2大勢力による戦いの数々が描かれており、主人公的存在であるラインハルトとヤンも軍人である。そのため、その軍事技術の設定や用兵家たちの戦略・戦術を追う事もまた、この作品の醍醐味の一つであると言えよう。
作品中における戦争描写は基本的に、宇宙空間での数千~数万隻の艦艇同士による、ビームやミサイル兵器等を使用した艦隊決戦が中心である。一度の会戦には概ね数百万人単位の将兵が参加し、司令官である提督は旗艦級戦艦から用兵を指揮する。また局地的には小型戦闘艇(ワルキューレ・スパルタニアン)による近接戦闘や、地上・屋内での人間同士による白兵戦も行なわれる。かつて人類を滅亡の淵に追い込んだ地球時代の戦争の教訓から、惑星上での熱核兵器の使用は禁忌(タブー)とされている。
ワープや核融合等のテクノロジーが設定上の前提となっているが、例えば「ガンダムシリーズ」のモビルスーツのような高機能なロボット兵器や、人工知能を備えたアンドロイド等は登場しない。また、概要にもあるように、異星人や超能力、神秘主義的な作用を伴う力も一切介在しない。あくまで宇宙に進出した架空の未来の人間同士の戦いを描いている。
[編集] 艦隊
作品で『一個艦隊』と呼ばれる存在は、通常は約1万5000隻程度の宇宙艦艇で編成されている。これが戦力の基本となり、原則として中将が艦隊司令官の任に就く(ただし物語後半部はこの原則に当てはまらない例が多い。特に帝国側では主要な司令官クラスの登場人物が短期の内に昇進した為、大将/上級大将クラスで一個艦隊の司令官のままになっている。また、ヤン・ウェンリーは同盟軍が殆ど壊滅した状況で元帥になったため、元帥であるにもかかわらず一個艦隊強の部隊を指揮するに留まった)。一個艦隊は司令官の直属部隊と幾つかの分艦隊で構成されている。分艦隊は原則として約2000~2500隻程度の規模を有し、少将が指揮を執る。分艦隊は数百隻程度の戦闘グループに分けられており、准将が指揮を執る。
[編集] 艦船
作品中に登場する宇宙艦船の詳細については、銀河英雄伝説の登場艦船を参照のこと。
[編集] 要塞
艦隊決戦が描かれるこの作品では、その軍事拠点となる宇宙要塞が登場する。特にイゼルローン要塞は、地理的に重要拠点であり、ヤン一党の根拠地ともなる事から、作品における主要な舞台の一つである。
[編集] イゼルローン要塞
- 銀河帝国領と自由惑星同盟領を結ぶ「イゼルローン回廊」に存在する恒星アルテナの周囲を公転する、帝国の軍事拠点。直径60kmの人工天体で、表面を耐ビーム用鏡面処理を施した超硬度鋼と結晶繊維とスーパーセラミックの四重複合装甲で覆っている(さらにアニメ版では流体金属で覆われている)。また宇宙港は2万隻の艦船が収容可能で、400隻を同時に修復可能な整備ドックや一時間で7500本のレーザー核融合ミサイルが生産可能な兵器廠、20万床のベッドを持つ病院のほかに、学校、映画館、民間人の居住施設も存在し、軍人・民間人を合わせると500万人の人口を有する巨大都市でもある。難攻不落をもって知られ、正攻法では劇中遂に一度も陥落する事がなかった。イゼルローン要塞は劇中3度その所有者を変えているが、うち2回は策略によって内部から攻略され、残り1回は守備側が自ら放棄する形で陥落している。
- 要塞主砲は「雷神の槌」(トゥール・ハンマー、アニメ版の声優の発音はトール・ハンマー)と呼ばれ、9億2400万メガワットの出力を持ち、1回の斉射で数千隻を一度に消滅させることも可能。なお、アニメ版では流体金属層を変形させて砲口部を形成したり、小説・漫画版では要塞全面に存在する砲座の半数近くを同一目標に向けて一斉発射する戦術に対する呼称だったりとメディアにより設定が異なる。それ以外にも要塞には強力な武装が施されている。なお過去の回想シーンを除けば、本伝では帝国側からトゥール・ハンマーが発射されたことは無い(すべてヤン艦隊側からである)。外伝では第5次、第6次で帝国側から発射されている。ちなみに第5次イゼルローン攻防戦では、当時の同盟軍の司令官シトレ大将の並行追撃戦術を撃退するため、味方艦隊ごと敵を鏖殺するという暴挙に出ている。
- 帝国と同盟はこの回廊をめぐって幾度も争い、7度目にしてヤンの手で無血開城され同盟に占領される。後に宇宙暦799年(帝国暦490年)の「神々の黄昏」作戦の際には放棄されて一時帝国軍の手に戻るが、その1年後に再びヤンの手に戻った。それ以降、民主共和主義者の象徴として存在することになる。
[編集] ガイエスブルク要塞
- 帝国の軍事拠点で、その名は「禿鷹(はげたか)の城」を意味する。直径45kmの人工天体で、収容艦艇は1万6千隻。アニメ版ではイゼルローン要塞と同じく流体金属で覆われているが、イゼルローン要塞のように全体を包んではいない。要塞主砲である硬X線ビーム砲(アニメ版においては「ガイエスハーケン」(禿鷹の鉤爪)と名付けられている)は、出力7億4000万メガワットを誇り、その威力はイゼルローン要塞主砲「雷神の槌」に匹敵するとみられる。
- リップシュタット戦役時に、貴族連合の拠点となっていた。その後、科学技術総監シャフト大将の提案で移動要塞に改造され、イゼルローン要塞攻略作戦に使用された。しかし、ヤンに弱点を見抜かれ破壊された。
[編集] ガルミッシュ要塞
- 帝国領内にある軍事拠点で、球形の人工天体(アニメ版では球体をW型に組み合わせた要塞)。リップシュタット戦役における門閥貴族連合の拠点のひとつであった。
[編集] レンテンベルク要塞
- 帝国領内にある軍事拠点で、小惑星をくりぬいて作られた要塞。帝国における標準的な要塞で、要塞主砲も存在しない。リップシュタット戦役における門閥貴族連合の拠点の1つであった。ここでオフレッサー上級大将との死闘が繰り広げられた。
[編集] シャーテンブルク要塞
- ローエングラム王朝成立後、新首都星フェザーンの安全保障上の要請から、フェザーン回廊の旧同盟領側出口に建設が開始された新要塞。名前は「影の城」を意味する。
[編集] ドライ・グロスアドミラルスブルク要塞
- ローエングラム王朝成立後、新首都星フェザーンの安全保障上の要請から、フェザーン回廊の旧帝国本土側出口に建設が開始された新要塞。名前は「三元帥の城」を意味し、ラインハルトの幕僚の内、先に戦没したキルヒアイス・シュタインメッツ・ファーレンハイトの三元帥を偲んで命名された。
[編集] アルテミスの首飾り
- 同盟首都ハイネセンを守る12機の軍事衛星群の総称。ハイネセンを占拠した救国軍事会議のメンバーはこれをもってヤン艦隊に対抗しようとしたが、ヤンは氷塊にバサードラムジェットエンジンを搭載した一種の質量爆弾を使用しこれを粉砕した。全てを破壊せずとも無力化する事は可能であったが、救国軍事会議の戦意を挫くためヤンはあえて全ての衛星を破壊している。なお、アニメではカストロプ動乱においてマクシミリアンがフェザーンから同じものを購入して使用しているが、キルヒアイスは指向性ゼッフル粒子を使用して破壊した。
[編集] 星系、星域
この作品では、各恒星系、宙域を表す言葉として星系、星域という言葉で表現される。一部例外として回廊という呼び名を使っているものもある。
[編集] 主な星系、星域
- ティアマト星域
- アスターテ星域
- イゼルローン回廊
- アムリッツァ星域
- アルテナ星域
- キフォイザー星域
- ドーリア星域
- フェザーン回廊
- ランテマリオ星域
- ガンダルヴァ星域(惑星ウルヴァシー)
- バーミリオン星域
- バーラト星域(惑星ハイネセン)
- マル・アデッタ星域
- シヴァ星域
- 太陽系(地球)
- 物語の時点では、すでに政治・経済の中心ではなくなっており地球教の聖地として巡礼地という扱いである。帝国、フェザーンはもとより、自由惑星同盟在住の地球教徒からも聖地として崇めたてられ、同盟の地球教徒の間では聖地奪回と帝国打倒を同一目標とされている。
[編集] 用語
壮大なスペースオペラであるこの作品では、膨大な数に及ぶ登場人物や艦船のほか、様々な固有の用語も登場する。詳しくは銀河英雄伝説の用語を参照のこと。
なお、作中では、西暦の延長にあたる「宇宙暦・帝国暦・新帝国暦」という暦が使用されている。宇宙暦は銀河連邦が成立した時、帝国暦は銀河帝国が成立した時、新帝国暦はローエングラム王朝が成立した時、をそれぞれの元年としている。また、宇宙暦は帝国暦制定時に廃止されたが、自由惑星同盟成立時に復活している。
簡易な換算式を示すと、西暦3599年=宇宙暦799年=帝国暦490年=新帝国暦元年、となる。
[編集] エピソード
[編集] 作品構成上の矛盾点
銀河英雄伝説は、現実世界の仮想未来を舞台にした壮大なスペースオペラである。作品中に登場する人物や艦船類は、作者も把握しきれないほどの膨大な数に及び、それらが複雑に絡み合う展開も長く人気を博す理由の一つと言える。しかしそのため、作品中には誤記も含め、多くの矛盾点が読者を中心に指摘されてもいる。科学的、物理的な検証も含め、それらについての議論は枚挙に暇がないが、逆にそれらもまた、この作品をより深く楽しめる要素の一つと言えるかもしれない。中には作者も認める矛盾点、設定上の都合もあり、その後の各文庫版やアニメなどのメディア展開の中で修正されている箇所もある。
- まず作品構成上の地理的前提として、銀河帝国と自由惑星同盟の間には、航行不能な広大な宙域が設定されている。第8次イゼルローン要塞攻防戦における、ガイエスブルグ要塞の移動要塞化(ワープエンジン搭載)について、読者から「そんな兵器が製造可能なら、一気に自由惑星同盟の首都星ハイネセン近辺まで航行させ、同首都星へ奇襲・攻略、そして戦争終結を目指すのに用いても良かったのでは」との指摘が続出した。作者の田中芳樹本人も「実は、その通りだったのですが(笑)」とガイド本の内の一冊にて率直に認め、告白している。
- ただし、銀河帝国側はフェザーンを占領するまで、同盟領内の航路図を持っていなかったので、ハイネセンの正確な座標を把握しておらず、ワープして首都星を奇襲する戦略を採れなかったものと思われる。また、アニメにおいては、イゼルローン回廊内の磁場の影響で、2度目のワープは不可能であると説明されている。
- 作者が認める作品構成上のもう一つの前提として、登場する各惑星上での時間変化が、地球の北半球の同緯度・同経度のそれと同じ形に全て統一されている事が挙げられる。物語の中の時間軸は、現実世界の延長にあたる宇宙標準時で統一されているが、各惑星の自転・公転周期が全て地球と同じ24時間・365日とは限らず、また昼夜や四季の変化なども本来まちまちのはずである。原作では、序盤でこの点について説明する記述も見受けられるが、複雑になりすぎるためか、途中から設定として統一されたようである。すなわち、昼夜や四季の変化に違いはなく、例えば午前0時はどの惑星の地点でも深夜であり、1月なら真冬として描かれているのである。
- イゼルローン要塞を恒星アルテナの周囲を公転するとしているが、OVAでは、シュターデン率いる貴族連合とミッターマイヤーがアルテナ星域で対戦しており矛盾が生じている。
- また初期に発刊された新書版では、明らかに設定などに前後で矛盾する箇所があり、後の文庫版などでは可能な限り修正されている。当然物語の公式設定となるのは、その修正版の方である。
- ラインハルトの乗艦ブリュンヒルトの艦長は初代艦長シュタインメッツの後をザイドリッツが引き継いだと記されているが、実際はシュタインメッツの後にロイシュナー、ニーメラーの2人の艦長が存在している(いずれも短期間ではあったが)。つまり正しくは、ザイドリッツは4代目艦長である。
- ユリアンは帝国首都星オーディンへは行ったことが無いという記述があるが、実際には帝国軍による地球教討伐作戦の後にオーディンを訪れている。
- ゲオルク2世、ルードヴィッヒ3世という銀河帝国の過去の皇帝の名前が原作のセリフに登場するが、別の巻で書かれている歴代皇帝一覧によればそうした名前の皇帝は存在しない。アニメでは各セリフの変更により、一応矛盾は生じていない(ゴールデンバウム王朝の歴代皇帝については、ゴールデンバウム王朝歴代皇帝の項を参照)。
- 版によってはトリューニヒト派のベイ准将が少将に昇進したという記述がある。
- 物語開始時において自由惑星同盟の人口は130億とされているが、長征一万光年で惑星ハイネセンに到達したときに16万人だったとする初期人口から計算すると、同盟の僅か270年という歴史でこの人口に到達するのは不可能と思われる。270年を10世代として計算した場合、1世代の全ての夫婦が4人の子供を持ったと仮定してもせいぜい2~3億程度である。作中では多数の亡命者が同盟の地を踏んだとされているが、この亡命者とその子孫が残り127億を埋めるとするのは、戦時中における国家体制・秩序維持の観点から無理がありすぎる。
[編集] 物語のその後の世界
銀河英雄伝説の物語は、皇帝ラインハルト・フォン・ローエングラムの若き死をもって完結している。作者の田中芳樹は、本編の完結時点である宇宙暦801年(新帝国暦3年)7月27日0時以降については、後日談も含めた続編を書かない事を宣言している。実際、外伝は全て本編以前のエピソードであり、本編終了後の世界がどう展開したのかについては、各読者の想像に任されている。それもまた、この作品をより深く楽しむポイントの一つと言えるかもしれない。なお、本編や設定資料中からわずかに読み取れるその後展開について、明らかな(あるいは確実と思われる)事柄を参考までに挙げると以下のようになる。
- 皇帝ラインハルトの国葬では、帝都フェザーンの仮皇宮上空にブリュンヒルトが追悼を表し降下。ラインハルトの死後、その銅像は自由な建立が許されなかった(ラインハルトが生前に指示)。
- アレクサンデル・ジークフリードがローエングラム王朝第2代皇帝に生後まもなくして即位し、ヒルダが摂政皇太后となった。ラインハルトの遺言により、ヒルダの名において6人の上級大将が元帥に昇進し、ウォルフガング・ミッターマイヤーは首席元帥となったが、ミッターマイヤーが国務尚書職を引き受けたかどうかは不明である。
- イゼルローン要塞が帝国に返還され、代わりに惑星ハイネセンを含むバーラト星系に民主共和政体の存続が認められた(バーラト共和政府)。
- ヤン・ウェンリーの遺体がハイネセンに帰還、埋葬された模様。
- オリビエ・ポプランは、フェザーンでユリアンらと別れてその後行動を共にせず、この時代に彼なりの別れを告げたと思われる。
- ユリアン・ミンツやエルネスト・メックリンガーらが、この激動の時代に生きた者として多くの証言・回顧録を、後世の歴史家に提供する事になった。ダスティ・アッテンボローは、回想録『革命戦争の回想』を残したようである。またユリアンは「ヤンの業績を盗んだだけだ」という批判が上がるが、それに対しアッテンボローがユリアンを擁護する発言を残している。
- ラインハルトの生前には完成しなかったローエングラム王朝の新皇宮「獅子の泉(ルーヴェンブルン)」が完成し、ミッターマイヤーら建国の功臣で創成期を支えた7人の元帥が、後世「獅子の泉(ルーヴェンブルン)の7元帥」と呼ばれた。
- 本編終了の2年後、ウルリッヒ・ケスラーがマリーカ・フォン・フォイエルバッハと結婚。後年『ケスラー元帥評伝』という書物が出版された。
- レオポルド・シューマッハが、シュトライトの推薦で一時帝国軍准将となるが、その後宇宙海賊との戦闘中に行方不明になった。
- カール・エドワルド・バイエルラインは、後世「ミッターマイヤーの後継者。有能で誠実で清廉な軍人」と評価される人物になった。
- 旧帝国辺境で長く放置されていたイオン・ファゼカス号が、小惑星帯博物館に保存される事になった。
- ヒューベリオンが撃沈されたシヴァ星域でティーポットが回収され、ユリアンは否定するもヤン・ウェンリーの遺品として戦史博物館に展示された。
- ベルンハルト・フォン・シュナイダーがウィリバルト・ヨアヒム・フォン・メルカッツの遺族の元へ行きその死を伝える。
- ドミニク・サン・ピエールは新帝国暦3年6月に帝国憲兵隊に逮捕されている。そしてその2ヶ月後、つまり新帝国暦3年8月に起訴猶予で釈放され、その後消息を絶った。
[編集] 刊行リスト
銀河英雄伝説は、2007年3月時点までに、既に絶版になってるものを含め、徳間ノベルズ版、愛蔵版、徳間文庫版、徳間デュアル文庫版、創元SF文庫版、以上5つの版が刊行されている。以下では、各版の刊行リストを掲載するとともに、各版の主な違いを述べる。
[編集] 徳間ノベルズ(1982年 - 1989年)
銀英伝を最初に書籍にまとめた版。本編シリーズは書き下ろしで1982年から1987年にかけて、外伝シリーズはSFアドベンチャー誌に先行掲載されたものを収録する形で1986年から1989年にかけて、新書版で発行された。
本編の第1巻については、初版は巻数表記と副題がなく、2刷以降でローマ数字による巻数表記と副題が付くようになり、さらに後に巻数表記がアラビア数字に改められた。第2巻から第5巻については、当初はローマ数字による巻数表記であったが、第6巻刊行に前後して巻数表記がアラビア数字に改められた。
多数の重版が成された為、現在でも一応入手可能だが、新品入手はまず不可。出版時期によって印刷技術の向上により初期の版に比べ後期の版は活字がより明瞭となり読みやすくなっている。(装丁に変化は無し)
[編集] 本編(本伝)
- 銀河英雄伝説 I 黎明篇(1 黎明篇)(1982年11月30日発行)ISBN 4-19-152624-3
- 銀河英雄伝説 II 野望篇(2 野望篇)(1983年9月30日発行)ISBN 4-19-152790-8
- 銀河英雄伝説 III 雌伏篇(3 雌伏篇)(1984年4月30日発行)ISBN 4-19-152894-7
- 銀河英雄伝説 IV 策謀篇(4 策謀篇)(1984年10月31日発行)ISBN 4-19-152978-1
- 銀河英雄伝説 V 風雲篇(5 風雲篇)(1985年4月30日発行)ISBN 4-19-153068-2
- 銀河英雄伝説 6 飛翔篇(1985年10月31日発行)ISBN 4-19-153151-4
- 銀河英雄伝説 7 怒濤篇(1986年5月31日発行)ISBN 4-19-153256-1
- 銀河英雄伝説 8 乱離篇(1987年1月31日発行)ISBN 4-19-153384-3
- 銀河英雄伝説 9 回天篇(1987年5月31日発行)ISBN 4-19-153445-9
- 銀河英雄伝説 10 落日篇(1987年11月15日発行)ISBN 4-19-153530-7
カバーイラスト:加藤直之(全巻)、本文挿絵:加藤直之(1~5巻)、鴨下幸久(6~10巻)
[編集] 外伝
- 銀河英雄伝説 外伝1 星を砕く者(1986年4月30日発行)ISBN 4-19-153236-7
- 銀河英雄伝説 外伝2 ユリアンのイゼルローン日記(1987年3月31日発行)ISBN 4-19-153418-1
- 銀河英雄伝説 外伝3 千億の星、千億の光(1988年3月31日発行)ISBN 4-19-153634-6
- 銀河英雄伝説 外伝4 螺旋迷宮(スパイラル・ラビリンス)(1989年7月31日発行)ISBN 4-19-153995-7
カバーイラスト:道原かつみ(全巻)、笠原彰(2巻以外)、本文挿絵:道原かつみ(全巻)、笠原彰(全巻)
[編集] 愛蔵版(1992年、1998年)
1992年に、徳間ノベルズの第1巻発行10周年を記念した企画の一環として、徳間書店から箱入りハードカバーの愛蔵版として本編シリーズが全5巻で刊行された。
1998年には、ほぼ同装丁で外伝も刊行されている。こちらは徳間文庫版の刊行に合わせたものである。
いずれも限定生産であり、現在新・古品ともに入手困難。
[編集] 本編(本伝)
- 愛蔵版 銀河英雄伝説 全5巻セット(1992年6月30日発行)ISBN 4-19-124890-1
- 愛蔵版 銀河英雄伝説 I(1992年6月30日発行)ISBN 4-19-124889-8
- 黎明篇と野望篇を合冊
- 愛蔵版 銀河英雄伝説 II(1992年6月30日発行)ISBN 4-19-124892-8
- 雌伏篇と策謀篇を合冊
- 愛蔵版 銀河英雄伝説 III(1992年6月30日発行)ISBN 4-19-124893-6
- 風雲篇と飛翔篇を合冊
- 愛蔵版 銀河英雄伝説 IV(1992年6月30日発行)ISBN 4-19-124894-4
- 怒濤篇と乱離篇を合冊
- 愛蔵版 銀河英雄伝説 V(1992年6月30日発行)ISBN 4-19-124895-2
- 回天篇と落日篇を合冊
[編集] 外伝
- 愛蔵版 銀河英雄伝説外伝 全2巻セット(1998年3月31日発行)ISBN 4-19-860818-0
- 愛蔵版 銀河英雄伝説外伝I(1998年3月31日発行)ISBN 4-19-860816-4
- 『星を砕く者』と『ユリアンのイゼルローン日記』を合冊
- 愛蔵版 銀河英雄伝説外伝II(1998年3月31日発行)ISBN 4-19-860817-2
- 『千億の星、千億の光』と『螺旋迷宮』を合冊
[編集] 徳間文庫(1988年、1996年 - 1998年)
1988年に、外伝第1巻である『星を砕く者』の文庫版が刊行された。これはアニメ版の『わが征くは星の大海』の上映にあわせた、いわば企画物としての刊行であったため、第2巻以降の刊行はされなかった。
1996年から1998年にかけて、本編の文庫版が刊行された。これまでに出版された書籍で使用した版の誤字が修正され、後の版の底本となったが、依然として直っていないミスも多く、問題を残した観は否めない。口絵には各巻毎、作品に縁のあるもしくは思い入れのあるイラストレーター、漫画家らを起用し、巻末には竹河聖、 太田忠司、連城三紀彦、小野不由美、梶尾真治らが解説を寄せ、話題を呼んだ。ただし、本文中に挿絵はない。
いずれも現在は絶版となっており入手は困難。
[編集] 本編(本伝)
- 銀河英雄伝説 1 黎明篇(1996年11月15日発行)ISBN 4-19-890592-4
- 銀河英雄伝説 2 野望篇(1997年1月15日発行)ISBN 4-19-890624-6
- 銀河英雄伝説 3 雌伏篇(1997年3月15日発行)ISBN 4-19-890652-1
- 銀河英雄伝説 4 策謀篇(1997年5月15日発行)ISBN 4-19-890689-0
- 銀河英雄伝説 5 風雲篇(1997年7月15日発行)ISBN 4-19-890717-X
- 銀河英雄伝説 6 飛翔篇(1997年9月15日発行)ISBN 4-19-890754-4
- 銀河英雄伝説 7 怒濤篇(1997年11月15日発行)ISBN 4-19-890787-0
- 銀河英雄伝説 8 乱離篇(1998年1月15日発行)ISBN 4-19-890819-2
- 銀河英雄伝説 9 回天篇(1998年3月15日発行)ISBN 4-19-890856-7
- 銀河英雄伝説 10 落日篇(1998年6月15日発行)ISBN 4-19-890889-3
[編集] 外伝
銀河英雄伝説外伝 1 星を砕く者(1988年2月15日発行)ISBN 4-19-568452-8
[編集] 徳間デュアル文庫(2000年 - 2002年)
徳間デュアル文庫の創刊に伴い、その目玉として“ファイナルバージョン”と銘打ち再び文庫化されることとなった。各巻は2冊に分冊された。本文中の挿絵を廃しストイックな体裁をとっていた徳間文庫版と異なり、全巻に道原かつみの手になるイラストをふんだんに使ったほかに、文字を大きくし、難解な漢字を仮名に直すなど、より低い年齢層に向けたアピールを行い、ファン層の拡大を狙った。また、シリーズ偶数巻の巻末には田中芳樹へのインタビューが掲載されているほか、外伝の第1巻『黄金の翼』として、短篇「黄金の翼」も含めた既発表の外伝の短篇が一括収録されたのもこの版が初である。
[編集] 本編(本伝)
- 銀河英雄伝説 Vol.1 [黎明篇・上](2000年8月31日発行)ISBN 4-19-905003-5
- 銀河英雄伝説 Vol.2 [黎明篇・下](2000年8月31日発行)ISBN 4-19-905004-3
- 銀河英雄伝説 Vol.3 [野望篇・上](2000年9月21日発行)ISBN 4-19-905010-8
- 銀河英雄伝説 Vol.4 [野望篇・下](2000年9月21日発行)ISBN 4-19-905011-6
- 銀河英雄伝説 Vol.5 [雌伏篇・上](2000年10月31日発行)ISBN 4-19-905017-5
- 銀河英雄伝説 Vol.6 [雌伏篇・下](2000年11月30日発行)ISBN 4-19-905021-3
- 銀河英雄伝説 Vol.7 [策謀篇・上](2000年12月31日発行)ISBN 4-19-905029-9
- 銀河英雄伝説 Vol.8 [策謀篇・下](2001年1月31日発行)ISBN 4-19-905032-9
- 銀河英雄伝説 Vol.9 [風雲篇・上](2001年2月28日発行)ISBN 4-19-905040-X
- 銀河英雄伝説 Vol.10 [風雲篇・下](2001年3月31日発行)ISBN 4-19-905045-0
- 銀河英雄伝説 Vol.11 [飛翔篇・上](2001年4月30日発行)ISBN 4-19-905049-3
- 銀河英雄伝説 Vol.12 [飛翔篇・下](2001年5月31日発行)ISBN 4-19-905053-1
- 銀河英雄伝説 Vol.13 [怒濤篇・上](2001年6月30日発行)ISBN 4-19-905058-2
- 銀河英雄伝説 Vol.14 [怒濤篇・下](2001年7月31日発行)ISBN 4-19-905063-9
- 銀河英雄伝説 Vol.15 [乱離篇・上](2001年8月31日発行)ISBN 4-19-905070-1
- 銀河英雄伝説 Vol.16 [乱離篇・下](2001年9月30日発行)ISBN 4-19-905076-0
- 銀河英雄伝説 Vol.17 [回天篇・上](2001年10月31日発行)ISBN 4-19-905082-5
- 銀河英雄伝説 Vol.18 [回天篇・下](2001年11月30日発行)ISBN 4-19-905085-X
- 銀河英雄伝説 Vol.19 [落日篇・上](2001年12月31日発行)ISBN 4-19-905091-4
- 銀河英雄伝説 Vol.20 [落日篇・下](2002年1月31日発行)ISBN 4-19-905095-7
[編集] 外伝
- 銀河英雄伝説外伝 Vol.1 [黄金の翼](2002年3月31日発行)ISBN 4-19-905101-5
- 銀河英雄伝説外伝 Vol.2 [星を砕く者・上](2002年4月30日発行)ISBN 4-19-905105-8
- 銀河英雄伝説外伝 Vol.3 [星を砕く者・下](2002年5月31日発行)ISBN 4-19-905108-2
- 銀河英雄伝説外伝 Vol.4 [ユリアンのイゼルローン日記・上](2002年6月30日発行)ISBN 4-19-905110-4
- 銀河英雄伝説外伝 Vol.5 [ユリアンのイゼルローン日記・下](2002年7月31日発行)ISBN 4-19-905113-9
- 銀河英雄伝説外伝 Vol.6 [千億の星、千億の光・上](2002年8月31日発行)ISBN 4-19-905115-5
- 銀河英雄伝説外伝 Vol.7 [千億の星、千億の光・下](2002年9月30日発行)ISBN 4-19-905123-6
- 銀河英雄伝説外伝 Vol.8 [螺旋迷宮・上](2002年10月31日発行)ISBN 4-19-905124-4
- 銀河英雄伝説外伝 Vol.9 [螺旋迷宮・下](2002年11月30日発行)ISBN 4-19-905128-7
[編集] 創元SF文庫版(2007年 - )
徳間デュアル文庫版の刊行に伴い、諸般の事情から徳間書店の旧来版は全て入手が困難となってしまい、若者向けに装丁されたデュアル文庫を購入する事に抵抗感のある読者層からは、かつての様な“大人も抵抗感無く手に取れる装丁を施した銀英伝”の出版を求める声が多くなっていた。
この様な要望を受けて作者サイドと各方面が折衝に努めた結果、デュアル文庫版を“ファイナルバージョン”と銘打っている関係上そういった装丁版を出しづらい徳間に代わり、東京創元社の歴史ある文庫レーベル“創元SF文庫"に円満移籍し、2007年より新たに新装版のリリースが開始された。
第一巻の表紙挿画は星野之宣による描き下ろし。各篇も分冊せず1巻1篇装丁になっている。
[編集] 本編(本伝)
- 銀河英雄伝説〈1〉[黎明篇](2007年2月23日発行)ISBN 978-4-488-72501-3
[編集] 関連書籍
すでに絶版になっている物も含む。フィルムコミックなど、アニメ版とより関係が深い物についてはここでは除外する。()内は発行年月日と著者などである。
[編集] 登場人物辞典
- 『エンサイクロペディア銀河英雄伝説』(編著:らいとすたっふ、1992年7月31日発行)ISBN 4-19-124916-9
- 銀河英雄伝説の原作の登場人物を紹介した人物辞典。愛蔵版の刊行にあわせて刊行された。ちなみに、この版において掲載された、物語中の登場人物は計614名となっている。
- 『新訂 エンサイクロペディア「銀河英雄伝説」』(編著:らいとすたっふ、1997年5月31日発行)ISBN 4-19-850377-X
- 大幅に加筆修正した新版。徳間文庫版の刊行にあわせて刊行された。以前の版に「OVAオリジナルキャラクターの紹介」、「用語解説」が追加され、「銀河メカニック列伝」、「大年表」が削除されている。
- 『銀河英雄伝説ハンドブック』(監修:田中芳樹、協力:らいとすたっふ、2003年1月31日発行)ISBN 4-19-905132-5
- さらに大幅に加筆修正した新版。徳間デュアル文庫版の30巻目として掉尾を飾った本。主に人名事典、大年表、用語辞典からなり、徳間文庫版に収録されていた他作家の解説、田中芳樹の1980年代の対談なども収録されている。人名事典については以前の版から長足の進歩を遂げている。
[編集] 副読本
- 『「銀河英雄伝説」読本』(1997年3月31日発行、編著:らいとすたっふ)ISBN 4-19-860661-7
- アニメ版の本編シリーズ終了に合わせて刊行。原作者インタビューなどのほか、外伝のダゴン星域会戦記など、「黄金の翼」以外の短篇の外伝が一括収録された。
[編集] 同人誌アンソロジー
- 『全艦出撃!!』(監修:田中芳樹事務所、1992年2月18日発行)ISBN 4-19-124770-0
- 『全艦出撃!!2 出力全開』(監修:らいとすたっふ、1992年10月31日発行)ISBN 4-19-124988-6
- 『全艦出撃!!3 凱旋勝利』(監修:らいとすたっふ、1993年9月30日発行)ISBN 4-19-125286-0
- 『天下無敵あどりぶ銀英伝』(監修:らいとすたっふ、1994年9月30日発行)
[編集] アニメ版
後年リリースされたDVD版(2006年秋よりWOWOWで放送されたリマスター版と同等のバージョン)には、ビデオテープ/レーザーディスクによってリリースされた初期版をリテイクしたシーンが随所に存在する。それが特に多数のシーンで存在する回には「改修有」と記載した。
[編集] 劇場用作品
- 『我が征くは星の大海』(わがゆくはほしのたいかい)(劇場用映画・60分)1988年2月
- 外伝1巻終盤。
- 『黄金の翼』(おうごんのつばさ)(劇場用映画・60分)1992年12月
- 漫画版外伝。他のアニメ作品とはキャラクター・メカニック・声優までも異なる。ラインハルトとキルヒアイスの少年時代から宇宙暦792年/帝国暦483年までが描かれる。
- 『新たなる戦いの序曲』(あらたなるたたかいのオーヴァーチュア)(劇場用映画・90分)1993年12月
- 本編1巻序盤にオリジナルエピソードを加え、「アスターテ会戦」の部分をリメイクしたもの。
[編集] OVAシリーズ
- OVA第1期 — 全26話(1988年12月~1989年6月)。本編1~2巻、外伝1巻。若干のオリジナルエピソード(第13話、第14話)を含む。また、中盤のエピソードの一部が原作とは異なる時系列(第9話、第11話)で挿入されている。
- 第1話「永遠の夜の中で」
- 第2話「アスターテ会戦」
- 第3話「第十三艦隊誕生」
- 第4話「帝国の残照」
- 第5話「カストロプ動乱」
- 第6話「薔薇の騎士」
- 第7話「イゼルローン攻略!」
- 第8話「冷徹なる義眼」
- 第9話「クロプシュトック事件」
- 第10話「ジェシカの戦い」
- 第11話「女優退場」
- 第12話「帝国領侵攻」
- 第13話「愁雨来たりなば」
- 第14話「辺境の解放」
- 第15話「アムリッツァ星域会戦」
- 第16話「新たなる潮流」
- 第17話「嵐の前」
- 第18話「リップシュタットの密約」
- 第19話「ヤン艦隊出動」
- 第20話「流血の宇宙」
- 第21話「ドーリア星域会戦、そして…」
- 第22話「勇気と忠誠」
- 第23話「黄金樹(ゴールデンバウム)は倒れた」
- 第24話「誰が為の勝利」
- 第25話「運命の前日」
- 第26話「さらば、遠き日」
- OVA第2期 — 全28話(1991年6月~1992年2月)。本編3~5巻。
- 第27話「初陣」
- 第28話「肖像」
- 第29話「細い一本の糸」
- 第30話「失われたもの」
- 第31話「査問会」
- 第32話「武器なき戦い」
- 第33話「要塞対要塞」
- 第34話「帰還」
- 第35話「決意と野心と」
- 第36話「雷鳴」
- 第37話「幼帝誘拐」
- 第38話「矢は放たれた」
- 第39話「ひとつの旅立ち」
- 第40話「ユリアンの旅、人類の旅」
- 第41話「作戦名『神々の黄昏(ラグナロック)』」
- 第42話「鎮魂曲(レクイエム)への招待」
- 第43話「ギャラルホルンは鳴った」
- 第44話「フェザーン占領」
- 第45話「寒波至る」
- 第46話「ヤン艦隊の箱舟隊」
- 第47話「自由の宇宙を求めて」
- 第48話「双頭の蛇~ランテマリオの決戦」
- 第49話「闇が深くなるのは…」
- 第50話「連戦」
- 第51話「バーミリオンの死闘(前編)」
- 第52話「バーミリオンの死闘(後編)」
- 第53話「急転」
- 第54話「皇帝ばんざい!(ジーク・カイザー)」
- OVA第3期 — 全32話(1994年7月~1995年2月)。本編6~8巻。
- 第55話「儀式から再び幕は上がり…」
- 第56話「地球へ」」
- 第57話「キュンメル事件」
- 第58話「訪問者」
- 第59話「過去と現在と未来と」
- 第60話「魔術師捕らわる」
- 第61話「歌劇(オペラ)への招待」
- 第62話「血の流水階段(カスケード)」
- 第63話「聖地」
- 第64話「休暇は終わりぬ」
- 第65話「すべての旗に背いて」
- 第66話「黄金獅子旗(ゴールデンルーヴェ)の下に」
- 第67話「『神々の黄昏(ラグナロック)』ふたたび」
- 第68話「エル・ファシルへ」
- 第69話「イゼルローン再奪取作戦」
- 第70話「蕩児たちの帰宅」
- 第71話「マル・アデッタ星域の会戦(前)」
- 第72話「マル・アデッタ星域の会戦(後)」
- 第73話「冬バラ園の勅令」
- 第74話「前途遼遠」
- 第75話「雷動」
- 第76話「祭りの前」
- 第77話「風は回廊へ」
- 第78話「春の嵐」
- 第79話「回廊の戦い(前)~常勝と不敗と」
- 第80話「回廊の戦い(中)~万華鏡(カレイドスコープ)」
- 第81話「回廊の戦い(後)~大親征の終幕」
- 第82話「魔術師、還らず」
- 第83話「祭りの後」
- 第84話「失意の凱旋」
- 第85話「遷都令」
- 第86話「8月の新政府(ニュー・ガバメント・イン・オーガスタ)」
- OVA第4期 — 全24話(1996年9月~1997年3月?)。本編9~10巻。
- 第87話「嵐の予感」
- 第88話「辺境にて」
- 第89話「夏の終わりのバラ」
- 第90話「鳴動」
- 第91話「発芽」
- 第92話「ウルヴァシー事件」
- 第93話「矜持にかけて」
- 第94話「叛逆は英雄の特権」
- 第95話「双璧相撃つ!」
- 第96話「剣に生き…」
- 第97話「剣に斃れ」
- 第98話「終わりなき鎮魂曲(レクイエム)」
- 第99話「未来への助走」
- 第100話「皇妃ばんざい!(ホーフ・カイザーリン)」
- 第101話「動乱への誘い」
- 第102話「敢えて武器を手に」
- 第103話「コズミック・モザイク」
- 第104話「平和へ、流血経由」
- 第105話「昏迷の惑星」
- 第106話「柊舘(シュテッヒパルム・シュロス)炎上」
- 第107話「深紅の星路(クリムゾン・スターロード)」
- 第108話「美姫(ブリュンヒルト)は血を欲す」
- 第109話「黄金獅子旗(ゴールデンルーヴェ)に光なし」
- 最終話「夢、見果てたり」
- OVA外伝第1期 — 全24話(1998年~1999年?)。単行本未収録短編3本と外伝3巻。
- 「白銀の谷」
- 「朝の夢、夜の歌」
- 「汚名」
- 「千億の星、千億の光」
- OVA外伝第2期 — 全28話(1999年12月~2000年?)。外伝4巻とOVAオリジナルエピソード3本、そして外伝1巻序盤。OVAオリジナル・エピソードは斜字タイトルで示し、( ) 内に舞台となった時期を記す。
- 「螺旋迷宮」
- 「叛乱者」 (宇宙暦791年/帝国暦482年8月~)
- 「決闘者」 (宇宙暦792年/帝国暦483年1月~)
- 「奪還者」 (宇宙暦792年/帝国暦483年12月~)
- 「第三次ティアマト会戦」
[編集] スタッフ
- 製作:キティフィルム、徳間書店、テレ東、らいとすたっふ、サントリー
- プロデューサー:田原正利
[編集] テーマソング
- オープニング
- エンディング
- 光の橋を越えて(第1期)
- 歌・作詞・作曲:小椋佳、編曲:風戸慎介
- 旅立ちの序曲(第2期)
- 歌・作詞・作曲:小椋佳、編曲:風戸慎介
- 歓送の歌(第3期)
- 歌・作詞:小椋佳、作曲・編曲:星勝
- 宇宙の掛け橋(第4期)
- 歌・作詞・作曲:小椋佳、編曲:風戸慎介
- 説明(外伝第1期 白銀の谷)
- 歌・作詞:小椋佳、作曲:小椋佳/阿部美緒、編曲:武沢豊
- 永い付き合い(外伝第1期 朝の夢、夜の歌)
- 歌・作詞:小椋佳、作曲:蛎崎弘、編曲:武沢豊
- 逝くとき、祝うとき(外伝第1期 汚名)
- 歌・作詞:小椋佳、作曲:嘉納正明、編曲:武沢豊
- オーロラのアダージョ(外伝第1期 千億の星、千億の光)
- 僕たちの航跡(外伝第2期 螺旋迷宮)
- 歌・作詞・作曲:小椋佳、編曲:風戸慎介
- 約束された未来(外伝第2期 後半)
- 歌・作詞・作曲:小椋佳、編曲:風戸慎介
- 光の橋を越えて(第1期)
- その他
- 銀河帝国軍軍楽曲~ワルキューレは汝の勇気を愛せり~
- 作曲・編曲:風戸慎介
- 自由惑星同盟国歌~自由の旗、自由の民、レヴォリューション・オブ・ザ・ハート~
- 歌:ファン参加によるライブ録音、作詞:秋吉満ちる、作曲・編曲:風戸慎介
- 銀河帝国軍軍楽曲~ワルキューレは汝の勇気を愛せり~
[編集] ゲームソフト(パソコン版)
[編集] ボーステック版
ボーステックよりウォー・シミュレーションゲームがシリーズ化され、パソコン版を中心に多数発売された。最終作の『銀河英雄伝説VII』はシリーズ初の大人数ネットワークRPG(MMORPG)となるはずであったが、2005年4月に本作の版権を管理している「らいとすたっふ」とボーステックの版権許諾契約が解除されたのを理由に正式サービス前のベータテスト段階で開発が中止された。
らいとすたっふ側のコメントによると「ボーステック側が無断で商標を登録しようとしたり、外国企業に勝手に版権を許諾したとみられる行為を行なったりといった、契約違反もしくはライセンシーとしての信義にもとる行為」を行ったのが原因としている。いずれにせよ、契約が解除されたことでボーステックの銀河英雄伝説シリーズは今後は再販不能になった。したがって以下は、あくまでも参考データである。
- 銀河英雄伝説
- 銀河英雄伝説・パワーアップ&シナリオ集
- リリース=1989年
- 対応機種=PC9801E/F/VF/M/VM/VX/RX/RA/XL/DO/U/UV/UX/CV/LV/PC-286/PC-8801/X68000/MSX2
- メディア=フロッピーディスク5'2HD/3.5'2HD(PC9801)
- 必要環境=RAM384Kb以上/フロッピーディスク2ドライブ(PC9801)
- BGM/SE=FM音源(PC9801)
- 上記のゲーム第一作の追加シナリオ及び拡張プログラム。シミュレーションのシステムが改善され、使用ユニットやフォーメーションが増加した。また、プレイヤーがヤンの役を選ぶ事が可能になった(ただしヤンを選んだ場合は、シナリオで勝利しても戦略的に勝つ事が出来ない)。シナリオが10本に増え、副官専任だったキルヒアイスが提督として出動出来る様になった。
- 銀河英雄伝説II
- リリース=1990年
- 対応機種=PC9801VM以降/UV以降/PC-286/PC-386/X68000/MSX2
- メディア=フロッピーディスク5'2HD/3.5'2HD
- 必要環境=RAM640Kb以上/フロッピーディスク2ドライブ
- BGM/SE=FM音源/MIDI(対応音源=ローランドMT-32/CM-32L/CM-64)
- パソコン版ゲーム第2作。システムの基本部分は第一作と同等。任意に選べる5本のシナリオ+連続してシナリオをクリアするキャンペーン・モードを選んで戦闘に勝利する事がクリアの条件。なお、BGMは全てオリジナル曲が使用されている。
- 銀河英雄伝説IIDX
- リリース=1990年
- 対応機種=PC9801VM以降/UV以降/PC-286/PC-386/X68000/MSX2/FM-TOWNS
- メディア=フロッピーディスク5'2HD/3.5'2HD/CD-ROM
- 必要環境=RAM640Kb以上/フロッピーディスク2ドライブ
- BGM/SE=FM音源/MIDI(対応音源=ローランドMT-32/CM-32L/CM-64)
- 上記のゲーム第一作のシナリオ/プログラム拡張版。BGMにクラシック音楽が追加収録された。
- 銀河英雄伝説III
- リリース=1993年
- 対応機種=PC9801VM以降/UV以降/PC-286/PC-386/X68000
- メディア=フロッピーディスク5'2HD/3.5'2HD
- 必要環境=RAM640Kb以上/フロッピーディスク2ドライブ/16色ボード/HD使用可
- BGM/SE=FM音源/MIDI(対応音源=ローランドMT-32/CM-32L/CM-64)
- パソコン版ゲーム第3作。ゲーム・システムが、従来のシナリオ・クリア型から陣取り型に変更された。また、戦闘に加え、各星域の支持率や経済の発展という要素が加わった。
- 銀河英雄伝説IIISP
- 銀河英雄伝説IV
- リリース=1994年
- 対応機種=PC9801VX以降/UX以降/PC-9821(ノーマルモード)PC-286/PC-386/PC-486
- メディア=フロッピーディスク5'2HD/3.5'2HD/CD-ROM
- 必要環境=CPU80286以降(V30不可)/RAM640Kb以上/フロッピーディスク1ドライブ/16色ボード/HD(空き領域20Mb以上)
- BGM/SE=FM音源/MIDI(対応音源=ローランドMT-32/CM-32L/CM-64/SC-33/SC-55/Mk-II/CM300/500)
- パソコン版ゲーム第4作。システムの基本部分は第3作を発展/拡大させたものだが、任意の提督を選んで、その立場でゲームを進める形式になった。人間関係という要素が盛り込まれており、選んだ提督の能力や地位、或いはタイミングによって、可能な命令或いは受諾される上申内容が異なる。少将以上の階級の人物が選ぶことができフリードリヒ4世、トリューニヒト以外はほぼプレイ可能。(リヒテンラーデなど) このなりきりプレイの好評もあり、一連のシリーズ中、このIV(EX)が現在まで最もユーザーの評価の高いゲームソフトとなった。
- 銀河英雄伝説IVEXkit
- リリース=1994年
- 対応機種=PC9801VX以降/UX以降/PC-9821(ノーマルモード)PC-286/PC-386/PC-486
- メディア=フロッピーディスク5'2HD/3.5'2HD/CD-ROM
- 必要環境=CPU80286以降(V30不可)/RAM640Kb以上/フロッピーディスク1ドライブ/16色ボード/HD(空き領域20Mb以上)
- BGM/SE=FM音源/MIDI(対応音源=ローランドMT-32/CM-32L/CM-64/SC-33/SC-55/Mk-II/CM300/500)
- 上記のゲーム第4作のプログラムを拡張する為のキット・プログラム。
- 銀河英雄伝説IVEXset
- リリース=1994年
- 銀河英雄伝説IVと銀河英雄伝説IVEXkitがセットになったパッケージ。
- 銀河英雄伝説IVEX
- リリース=1997年(1996年という説あり)
- 対応機種=Windows98/95
- メディア=CD-ROM
- 必要環境=Pentium75Mhz以上/メモリ16Mb以上/画面800×600ドット・256色以上/空きHD15Mb以上/CD-ROMドライブ2倍速以上
- BGM=MIDI(対応音源=LA音源/GS音源)
- EXsetのWindows移植版。発売はNECインターチャネル株式会社。廉価版ソフトとして税別1980円で発売された。
- 銀河英雄伝説V
- リリース=1998年
- 対応機種=Windows95/NT4.0
- メディア=CD-ROM
- 必要環境=Pentium90Mhz以上/メモリ16Mb以上/画面640×480ドット・要16ビットカラー/空きHD30Mb以上/CD-ROMドライブ2倍速以上
- BGM=MIDI(対応音源=LA音源/GS音源)
- パソコン版ゲーム第5作。開発機種がPC-9801からWindowsに変更された。システムはシナリオ・クリア型の銀河英雄伝説II に近いが、勝利条件によりシナリオ分岐が発生し、原作と異なる展開も可能。
- 銀河英雄伝説V-grandアップグレードキット
- リリース=1998年
- 対応機種=Windows95/NT4.0
- メディア=CD-ROM
- 必要環境=Pentium90Mhz以上/メモリ16Mb以上/画面640×480ドット・要16ビットカラー/空きHD30Mb以上/CD-ROMドライブ2倍速以上
- BGM=MIDI(対応音源=LA音源/GS音源)
- 上記のゲーム第5作のプログラムを拡張する為のキット・プログラム。
- 銀河英雄伝説V-grand
- リリース=1998年
- 対応機種=Windows95/NT4.0
- メディア=CD-ROM
- 必要環境=Pentium90Mhz以上/メモリ16Mb以上/画面640×480ドット・要16ビットカラー/空きHD30Mb以上/CD-ROMドライブ2倍速以上
- BGM=MIDI(対応音源=LA音源/GS音源)
- 銀河英雄伝説Vと銀河英雄伝説V-grandアップグレードキットがセットになったパッケージ。
- 銀河英雄伝説VI
- リリース=
- 対応機種=Windows95/98
- メディア=CD-ROM
- 必要環境=Pentium166Mhz以上/メモリ64Mb以上/画面800×600ドット・要16ビットカラー/DirectX6.1以降/空きHD400Mb以上/CD-ROMドライブ4倍速以上
- BGM=CD-DA
- いくつかの会戦を各艦隊ごとに率いたかたちでプレイすることが可能。ネット対戦も行なうことができた(現在は不能)。複数のバージョンが存在し、選択できるシナリオ数はROMのバージョンによって異なる。初期のバージョンでも下記のSGを組み込むことによって、後期バージョンで追加されたシナリオが補完される。
- 銀河英雄伝説VI SG
- ネットワーク対戦時に限り、各シナリオに登場する提督をある程度変更できるようにする「シナリオジェネレーター」キット・プログラム。上記VIの初期のバージョンも、このキットを組み込むことでシナリオ数が増える。SGキットを組み込んだ上記VIでは、アスターテ会戦、リップシュタット戦役の第一次ガイエスブルグ会戦、回廊の戦い・前哨戦、第二次ランテマリオ会戦ほかのシナリオが選択可能。
[編集] 廉価版
- ULTRA2000 銀河英雄伝説 3 SP for Windows
- メーカー=メディアカイト
- リリース=
- 対応機種=Windows95/98/2000 Professional/2000 Server
- メディア=CD-ROM
- 必要環境=Pentium133Mhz以上/メモリ32Mb以上/画面640×480ドット・要16ビットカラー/CD-ROMドライブ4倍速以上/
- BGM=MIDI(対応音源=GM音源)
- 銀河英雄伝説 4 EX
- メーカー=インターチャネル・ホロン
- リリース=
- 対応機種=Windows95
- メディア=CD-ROM
- 必要環境=Pentium75Mhz以上/メモリ16Mb以上/画面800×600ドット・要256カラー/空きHD15Mb以上/CD-ROMドライブ4倍速以上/QuickTime 3.0.2以降/マウス、キーボードが必要
- BGM=MIDI(対応音源=GM音源)
- Ultra2000 銀河英雄伝説 5 grand
- メーカー=メディアカイト
- リリース=2002年10月4日
- 対応機種=Windows95/98/Me/2000 Professional/Xp Home/Xp Professional/2000 Server
- メディア=CD-ROM
- 必要環境=Pentium133Mhz以上/メモリ32Mb以上/画面640×480ドット・HighColor以上/空きHD40Mb以上/OSに対応したビデオカード、サウンドカード、マウス、キーボードが必要
- BGM=MIDI(対応音源=GM音源)
- Ultra2000 銀河英雄伝説 5 for Macintosh
- メーカー=メディアカイト
- リリース=2000年8月3日
- 対応機種=Macintosh MacOS8.0
- メディア=CD-ROM
- 必要環境=PPC603e以上/メモリ10Mb以上/画面640x480ドット・32000色以上/空きHD60Mb以上/QuickTime 3.0.2以降/マウス、キーボードが必要
- Great Series 銀河英雄伝説 6 SG
- メーカー=メディアカイト
- リリース=
- 対応機種=Windows95/98/Me
- メディア=CD-ROM
- 必要環境=PentiumMMX 233Mhz以上/メモリ64Mb以上/画面800×600ドット・要16ビットカラー/DirectX6.1以降、DirectDrawに対応したビデオカード/DirectSoundに対応したPCM音源が再生可能な環境/CD-ROMドライブ4倍速以上/インターネットに接続できる環境またはTCP/IPを使用したLAN環境/マウス、キーボードが必要
[編集] バンダイナムコゲームス版
2006年の10月に、バンダイナムコゲームスより2007年秋にWindows用の新作ゲーム『銀河英雄伝説 (仮称)』を発売するとの発表があった。開発は、上記ボーステックのシリーズ同様マイクロビジョンが担当する。一人用のウォーシミュレーションゲームだが、1年間限定でオンライン対戦サービスを行う予定。
[編集] ゲームソフト(コンシューマ版)
[編集] ファミリーコンピュータ版
- 銀河英雄伝説
[編集] スーパーファミコン版
- 銀河英雄伝説
- メーカー=徳間書店インターメディア
- リリース=1992年9月25日
- 帝国、同盟どちらでもプレイ可能。基本的にストーリーをなぞる様に進むが、選択肢次第ではキルヒアイスを存命させたり、バーミリオンで停戦命令を無視してラインハルトを討つことも可能。
[編集] セガサターン版
- 銀河英雄伝説
- 銀河英雄伝説PLUS
- メーカー=徳間書店
- リリース=1997年10月23日
- 上記のセガサターン版の銀河英雄伝説のパワーアップバージョン。
[編集] プレイステーション版
- 銀河英雄伝説
- メーカー=徳間書店
- リリース=1998年5月28日
- 上記のセガサターンソフトのプレイステーション版。
- ちびキャラゲーム銀河英雄伝説 ストラップ付
- メーカー=徳間書店
- リリース=1999年5月27日
- ディフォルメされた銀英伝キャラ(ちびキャラ)を使用した、すごろくなどのミニゲーム集。
- クリックまんが銀河英雄伝説1
- メーカー=徳間書店
- リリース=1999年9月30日
- クリックまんが銀河英雄伝説2
- メーカー=徳間書店
- リリース=1999年11月18日
[編集] 関連項目
[編集] 直接的な関連
[編集] 間接的な関連及びパロディー
- 星獣戦隊ギンガマン (命名は偶然であるが予告及びナレーション等に銀河英雄伝説のパロディ。ナレーターはロイエンタールの若本規夫)
- 銀河英雄伝説のパロディ(銀河放浪伝説)
- 銀河英雄伝説から構想を考えはじめた作品(十二国記) 作者小野不由美が文庫版の解説で明らかにしている。
[編集] 外部リンク
- 銀河英雄伝説ON THE WEB
- らいとすたっふ:作家田中芳樹の二次版権管理会社
- 有限会社ティー・ピー・オー:アニメ版のプロデューサー、田原正利(正聖)の製作会社。当時のエピソードを紹介するページがある
- バンダイナムコゲームス・銀河英雄伝説(仮称)
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