キメラ (漫画)
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『キメラ』(きめら)は集英社発行の漫画雑誌「スーパージャンプ」にて連載されている、緒方てい原作のファンタジー漫画作品。2007年1月現在単行本が15巻まで発売中。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] あらすじ
かつて、カーライア帝国には戦う事に長けた種族がいた。「キマイラ」と呼ばれた殺戮と破壊を好み、燃えるような赤い目をした彼らを、人々は「悪魔の種族」と呼び、畏怖した。戦が終わり、彼らは恐れられた人々に滅ぼされたはずだった。あるとき、初陣から逃れてきた戦士タキは倒れ掛かっている所をリンに助けてもらう。
この二人の出逢いが、そして二人を取り巻く人々が、帝国の未来を大きく左右する事になる…。
[編集] 主な登場人物
[編集] リンとその仲間たち
- リン
- 本編のヒロイン。辺境の村に住んでいたが、その村が襲われた事をきっかけに、自分がキマイラである事を知る。人並み外れた運動能力と戦闘能力を持ち合わせているが、中身は年相応の女の子そのもの。タキと出逢い、彼に惹かれていく。その一方で、キマイラとしての自分を受け入れ、苦しみながらもその運命を乗り越えようとする。本来なら存在自体が在り得ない奇跡である人間とキマイラの間に生まれた子である「奇跡の種」。
- タキ
- 本編のもう一人の主人公。リンと出逢い、彼女の支えになろうと誓い、戦うようになる。親をキマイラに殺された過去を持ち、額に十字の傷のついたキマイラを探している。リンと旅をするうちに彼女に惹かれて行く。始めの頃は戦闘経験もなかったが、実は戦士としての筋は悪くない。タキ、リン、カイルたちの中では一応リーダー役。子供のカイルを除けばリンが強すぎるために強くなるための方法を模索していたが、ガラハットに師事して驚異的な脚力「烈風脚」を得、「烈風」の通り名を貰う。そのガラハットが亡くなってから「超速剣」を受け継ぎ「疾風」と「烈風」を組み合わせた「嵐」の通り名で呼ばれるようになる。
- カイル
- タキ達が寄った村に住んでいた男の子。年の割りにませていてスカートめくりや風呂の覗きばかりしている。しかしながら実は母親はカーライア帝国の最後の皇帝の皇女であり、皇室の血を唯一引き継いでいる。カイル自身もまた正当なるカーライア帝国の皇位継承者で、新皇帝として即位し戦争を終わらせるために旅をすることを決意する。
- マチルダ
- 帝都で大司教に仕えていたキマイラの少女。大司教の逝去に伴い、彼女が大司教に任命される。正当なる皇位継承者(=カイル)が帝都に現れたときに戴冠式を行い戦争を終わらせようと思っている。教義に反しているとは言え、笑顔を常に絶やさない女の子。アインにあこがれている。
- アイン
- かつての「蒼の騎士団」の一員で、通り名は「仕掛けボウガンのアイン」。仕掛けや機械などを作り出す事に関しては突出した能力を持つ。帝国に属しながらも、この戦争にはどこか疑問を抱いている。
- ガラハット
- かつての「円卓の騎士団」の一員で、伝説の戦士。「疾風のガラハット」の通り名で活躍する。高速の斬撃を放つ「超速剣」の使い手。必殺技は、「超速剣疾風斬」。生活苦から反乱を起こした民を殺さなくてはならない騎士の正義に疑問を抱き、騎士団を脱退してその頃知り合ったキマイラ・マリーと共に旅に出る。だが途中ある事件から片足とマリーを失なってしまう。マリーを守りきれなかったことを悔やんだガラハットは、彼女を守れるだけの力を求め「超速剣」を習得し、行方不明になったマリーを探していた。リンの実の父親である(リンはそのことに気付いている様子)。師であったサイファーとの死闘の後、タキにリンと「疾風」の力を託し死亡。
- カレン
- ファルシオン自衛軍部隊長。代々傭兵の家に生まれ、自身も傭兵として各地を回る。弾性のある槍と、踵に仕込まれた隠し剣を用いて戦う。なお、タキとは幼馴染で、彼へ淡い恋心を抱いている。
[編集] キマイラ6人の戦士
- サイファー
- かつての「円卓の騎士団」の一員で、「天より選ばれしサイファー」と呼ばれた円卓最強の純白の騎士。ガラハットの師でもあった。カオス戦争終結後に円卓を抜けて姿を消す。その後「黒衣の騎士」としてキマイラ6人の戦士を引き連れて(彼はキマイラではなく人間)人間を滅ぼすための「聖戦(ジハード)」を始める。彼の肉体は千ものキマイラの屍が圧縮された甲殻人間として改造されており、さらに流星の鉄で作られた鎧と剣によって圧倒的な戦闘能力をほこる。ガラハットとの死闘でかつての姿を取り戻すが…
- ガゼル
- 「命の炎」を司る戦士。かつて、人間たちによって4人の子供を殺され(これには、タキの両親も関わっていた)、その後サイファーの「聖戦」に加わる。4人の子供の魂が宿る左腕から発せられる炎と剣技を織り交ぜて戦い、その実力は「烈風」の通り名を持った直後のタキを完膚なきまでに打ち負かすほどであった。その後、タキと再び死闘を繰り広げるも、限界を超えたタキによって、人間への憎しみもろとも左腕を切り落とされた。
- ドリス
- キマイラの戦闘パターンに従って追尾する、キマイラ殺しの魔剣「クセルスー」を用い戦う女戦士。かつて、法王庁で「奇跡の種」を産み落とすための道具として扱われていた所をサイファーによって助け出され、以後彼に従う。「奇跡の種」であるリンを激しく憎み、何度か戦いを挑むが、戦いの中で成長を続けるリンにクセルスーを破られ、最終的には行動不能となり敗北した。
- アガサ
- 念動力やテレパシーといった超能力を操る少女。元々はスプーンを曲げたり、軽い予知夢を見たりする程度であったが、法王庁で多くのキマイラの犠牲の下強化された。その力は、自らの体温を犠牲にするという異質な力である。キマイラが何の為に生まれたか、その答えを得るためにマチルダと戦うこととなる。戦いは、彼女の力の秘密を知ったマチルダによって中断された。
- エヴァンス
- 元修道騎士。巨大な鎌を用いて戦う。育ての親である司祭の裏切りによりキマイラの血に目覚める(この時、司祭を含め彼の素性を知る者は皆殺された)。その後人間の本質を見極めるために修道騎士となり、マチルダと出会う。彼女の姿に、もう一度人間を信じようとするが(マチルダがキマイラであることを当初知らなかった)、人間の醜さを見せつけられ絶望しサイファーの「聖戦」に加わった。後にアインと死闘を繰り広げ、その中で彼のマチルダに対する深い想いを知り、彼だけは信じることにした(戦いは両者行動不能で終わる)。
- シス
- 「6番目」という意味を持つ戦士。目に見えぬほどの超高速の斬撃を放つ。素性は謎で、キマイラかどうかも不明。タキと戦うもすぐに戦いをやめる等、何の為に行動しているのかも全く不明であるが、どうやらルドルフと何か関係がある模様。
[編集] 円卓の騎士団
- サイファー
- ガラハット
- グエン
- 「十人力のグエン」と呼ばれた騎士で、ガラハットの友人。超少数精鋭「蒼の騎士団」部隊長でもある。部下であるアインの開発した超重量の仕掛け鎧「ジェネロウ」や、攻城戦車「ファランクス」をまとって戦う。その姿から、「仕掛け鎧のグエン」と呼ばれることも。初期のリンと互角以上の戦いを繰り広げた。
- ザイン
- 「人馬一体のザイン」と呼ばれる操馬に優れた騎士。戦闘においては、愛馬「グリンガレット」に跨り戦う。過去に少年達を戦で失い、その後は死に場を求め戦い続けるがリンの説得により翻意。カイルに円卓の騎士団再結成を誓い旅立つ。
- バーンズ
- 「十の目のバーンズ」と呼ばれた騎士で、気配を読む達人。だが、彼に恨みを持つ盗賊団によって差し向けられた、少年の刺客の手にかかり死亡。彼ほどの達人も、無垢な少年の殺意までは読みきれなかったらしい。
- オリファー
- 「博識のオリファー」と呼ばれた騎士で、サイファーの弟。法王庁で研究を続け、サイファーを甲殻人間に改造する。人間に絶望し、キマイラに地上を委ねるべきと考え、サイファーの手にかかり死亡。
[編集] その他
- ジラフ
- 雷鳴のジラフの通り名を持ち、シュバルツ戦争の英雄と言われたほどの戦士。リンの育ての親。キマイラ討伐でリンの母・マリーを殺したが、赤子のリンをどうしても殺すことができず、ゲイヴォルグ軍から脱走して自分の娘として育てた。だがそれから15年後二人が住んでいた村がゲイヴォルグ軍の襲撃を受けると、リンを守るため単身で敵軍に戦いに挑むも多勢に無勢、ついに力尽きる。
- マリー
- ガラハットの妻でリンの実母。種族はキマイラ。それまでの経緯は不明だが民殺しの罪に苦しんでいたガラハットの前に現れ、自らを殺して欲しいと懇願した。ガラハットは最初彼女が物狂いかと思ったが、その美しさに一目で心奪われる。彼が騎士団を脱退して旅に出る際にバレンタイン司教の勧めでマリーと結婚したものの、それは彼女は自らの意志というよりは自失状態で流されるままの同意だった。当初ガラハットに心閉ざしていたマリーも彼が献身的に接したので少しずつ心を開いていった。だが旅の途中サイファーの持っていた赤いペンダントの影響からか突如赤い目になり暴走、多くの人命とガラハットの片足を奪ってしてしまう。その罪の意識に苛まれガラハットの元を去っていった。その後身ごもっていたリンを出産したが、密告によりキマイラ討伐に遭い命を落とす。
- ルドルフ
- ゲイヴォルグ軍の技師。種族は不明だが、キマイラと同様に目が赤くなる(キマイラとは違い意図的に赤くすることが出来る)。古き者達の技術に長じ、多くのキマイラの犠牲の上に様々な改造種を作り出している。戦争を楽しんでいる感があり、サイファーは「全ての元凶を生み傍観する者」と表現している。
[編集] 小説版
単行本の他に、連光寺正による小説版も刊行されている。本編とは同軸時間上の、外伝的なストーリーとなっている。2006年9月現在「キメラ 左利きの聖女」、「キメラ 燃える瞳の遊女」が発売されている。
[編集] 用語解説
- キマイラ
- 普段は人と変わらないいでたちをしているが、一度戦闘状態に入ると目は炎のように燃え上がり、すさまじい速さと力で戦う戦闘種族。曰く、怒りに身を飲み込まれたときには、彼らの頭の中では「憎イナラ殺セ!」「人間ナンテ滅ビテシマエ!!」という声が聞こえると言われている。先のカオス戦争が終わった後に軍によって一掃されたはずだったが、実は各地でひっそりと生き延びていた。
- 流星の鉄
- 「硬さ」と「粘り」を併せ持つ本来地上に存在するはずの無い金属。これを打つことが出来るのはキマイラのみとされている。また、流星の鉄によって作られた武器は、使用者の心を映すともされる。
[編集] 歴史的事実との関連
リンの作中での行動は、「皇位継承者を戴冠させるために旅に同行する少女」という点ではジャンヌ・ダルクがモチーフになっていると見ることもできる。また、王が教会から戴冠式を受けて権力を得る、という構図はフランク王国の王クローヴィスから続くフランスの特徴的な儀式である。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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