キャンベル氏族
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キャンベル氏族(Clan Campbell)は、スコットランドのハイランド地方最大の氏族のひとつである。ゲール語で「ゆがんだ口」を意味するCaim Beulが語源ともいわれるが、論争の余地がある。
文書にキャンベルの名が最初に出てくるのは11世紀後半で、人物としては1230年代のアーチボルト・キャンベルの名が見られる。13世紀の末にはアーガイル州に勢力を持ち、イングランドとの戦争時にはロバート1世を支持した。独立戦争の軍功によっておおいに富をえて、1380年にナイトに叙された。その後も着実に頭角をあらわしてゆき、1457年コリン・キャンベルはアーガイル伯爵の地位を得た。その後もアーガイル侯爵アーチボルト・キャンベルなど有力者を輩出し、スコットランドにおける最大の家門のひとつとなった。ジャコバイトの反乱(1745年)においては政府軍に加わって参戦した。
キャンベル城は当初ステュアート家のものだったが、ステュアート家と婚姻関係を結んで下賜され、1489年キャンベル城と名を改めた。内戦(三王国戦争)時にモントローズ侯はキャンベル城を攻めたが落とせず、逆に捕らえられ処刑された。アーチボルト・キャンベルはクロムウェルを支持したが、それによって王政復古後キャンベル城は燃やされ、アーチボルトは断頭台に送られた。その後再建され、キャンベル氏族の象徴となった。1948年、スコットランド歴史協会によって国有化されている。