キュクロプス
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キュクロプス(キュクロープス、Κύκλωψ)は、ギリシア神話に登場する単眼の巨人、あるいは下級神である。卓越した鍛冶技術を持つ。英語読みサイクロプス(Cyclops)でも知られる。
キュクロプスとは「丸い目」の意味で、額の真ん中に丸い目が一つだけ付いている事に由来する。
天神ウラノスと大地母神ガイアの息子たちで、アルゲス、ステロペス、ブロンテスの三兄弟(いずれも雷電に関連する名前)から構成される。
父神に嫌われて、兄弟族のヘカトンケイル族とともに奈落タルタロスへ落とされた。弟族のティタン神の一人クロノスが政権を握ったあとも、拘禁されたままだった。ティタノマキアのとき、ゼウスらによって解放され、その礼としてゼウスに雷霆を、ポセイドンに三叉矛を、ハデスに隠れ兜を造った。
その後はヘパイストスのもとで鍛冶業を続けたともいわれる。悲話の一つとして、息子アスクレピオスをゼウスの稲妻で失ったアポロンの八つ当たりを喰らい、皆殺しにされたとも伝えられる。
ホメロスの『オデュッセイア』に登場するキュクロプス族は、上記の神的なキュクロプスとは違い、(ポセイドン神を父に持つポリュフェモスも含めて)旅人を喰らうただの粗暴な怪物である。
オディロン・ルドンに同名の絵画がある。
出土したゾウの頭骨の化石(ゾウの頭骨は急所にあたる額の部分の骨が開いている)を由来としているという説もある。
なお、福島県福島市に本拠を置く、キュクロプス(kykrops)という綴りは違うが読みと意味は同じ草野球チームが存在する。 2006年にユニフォームを新調したが、帽子と胸についているエンブレムが「ky」となっているため、本気で誰も間違いに気づいていないことが明らかである。 非常に言いづらく馴染みのない単語(綴りは違うが)なので、審判やウグイス嬢泣かせのチーム名であるといえる。