キルケ
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キルケ (キルケー Κίρκη)は、ギリシア神話に登場する魔女。太陽神ヘリオスと女神ペルセイスの娘。アイエイア島に住み、気に入った人間の男がいると島に連れて行って養い、飽きると魔法で獣や家畜に変えて暮らしている。
[編集] 『オデュッセイア』におけるキルケ
ホメロス作『オデュッセイア』では、キルケの住むアイアエア島にたどり着いたオデュッセウスの部下たちは、キルケの差し出す食べ物を食べて豚に変えられてしまう。オデュッセウスのみは、魔法を打ち消す効力のある草をヘルメスからもらっていたおかげで豚に変えられずにすんだ。キルケは魔法が効かない相手に屈して部下たちを元の姿に戻す。しかし、オデュッセウスはキルケの魅力にとりつかれ、1年間キルケとともに過ごす。
ようやく部下たちの帰還を望む声にわれに返ったオデュッセウスはキルケと別れ、島を後にする。キルケは忠告して、セイレーンの海域では魔力のある歌を聴いてはならないこと、その後二つの岩があり、カリュブディスの渦巻きと怪物スキュラのいずれかを選ばなくてはならないと教える。スキュラは、もとニンフであったが、海神グラウコスに愛されていることを嫉妬したキルケが、魔法でスキュラを6つの犬の頭に12の足を持つ化け物に変えたものといわれる。
キルケの忠告に従い、オデュッセウスは、船員たちにろうで耳栓をし、ただ自分だけは耳栓をせず、あらかじめ身体を帆柱に縛り付けさせてセイレーンの歌を聴いた。歌に魅入られて身をもがき、船を止めろと叫ぶオデュッセウスをよそに、部下たちは一心に漕ぎ続けてセイレーンの海域を無事通過する。二つの岩では、思案して全滅するよりはましだと考え、スキュラの岩に近づく。スキュラはオデュッセウスの船を襲い、船員6人を食べてしまうが、その間にオデュッセウスたちは岩から逃れることに成功する。
[編集] その他の古典作品におけるキルケ
- アポロニオス・ロディオスによる『アルゴナウティカ』において、キルケはアルゴナウタイに対し、アプシュルトス殺害の穢れを清める儀式を行う。