クレー射撃
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クレー射撃(クレーしゃげき)とは、散弾銃を用いて、空中などを動くクレーと呼ばれる素焼きの皿を撃ち壊していくスポーツ競技。動かない標的を狙うライフル射撃と異なり、動いている標的を狙う動的射撃競技である。このため競技者は瞬間の判断力と決断力を要求される。
トラップやスキートなど、いくつかの種目に分かれており、それぞれの種目のルールも様々である。 クレーの形状は通常直径15 cmほどの円盤型で、投射機を用いてフリスビーのように空中に射出したり、あるいは地面に転がす事で、射撃の標的とする。使用されるクレー(クレーピジョンとも呼ばれる。昔は生きた鳩を放して標的としていた事にちなむ)は、その名の通り粘土の焼き物でオレンジなど視認しやすい色で着色されている。又、中空の内部に着色粉が詰められ破壊されたときに広がって確認しやすいパウダークレーもあるが、そのコストや放出時に出割れになりやすい等の問題もあり、オリンピックや公式競技のファイナルラウンドで使用される事が多い。
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[編集] 主な競技
2004年のアテネオリンピックのクレー射撃競技は、男女別にトラップ、スキート、ランニング・ターゲット、ダブルトラップの4競技7種目が行われた(女子のランニングターゲットは無い)。このうち主要な競技はトラップとスキートである。使用される銃は12番口径以下の上下2連、またはガスオート散弾銃で、スキート用は取りまわし易い様にやや小型になっている。射撃においてクレーの破壊が確認できれば命中とし得点となる。そうでなければ失中となる。25回の射撃を1ラウンドとし、4-5ラウンドの合計得点を競う。夏季オリンピックのクレー射撃競技では満点の150点(予選125、決勝25)に対し、140点代後半からが入賞圏内となる。
[編集] トラップ
競技者の前方15 mに配置された放出機から、前方に向けて方向・射角共にランダムに打ち出されるクレーを射撃する。1枚のクレーに対し2発まで撃てる。1発目(初矢、しょや)、または2発目(二矢、にのや)で命中できれば得点となる。競技者は直線に配置された5箇所の射台を順にめぐって1ラウンド25回射撃する。
[編集] スキート
直径約36 mの半円形に配置された射台から射撃を行う。クレーは円の直径の両端に配置された高さが異なる2箇所の標的射出棟(ハイハウスとローハウス)から射角だけがランダムに射出される。1枚のクレーに対し1発しか撃てない。競技者は円弧上の7箇所と円の中心の合計8個所の射台から順に射撃を行うが、それぞれの射台で射撃回数が異なり、またトラップには無いダブル射撃(ハイハウスとローハウスからクレーが同時に投射される)との組み合わせになっている。8箇所合計で1ラウンド25回射撃する。
[編集] 関連項目
- 麻生太郎 - 日本クレー射撃協会会長