クロウ族
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クロウ族(-ぞく、Crow)とは北米大陸に住むアメリカ先住民の部族である。
アメリカのモンタナ州を中心にワイオミング州からサウスダコタ州の大平原地帯に定住する平原インディアンでスー族(ラコタ)、アラパホ族、シャイアン族と同様に東から移動してきた平原部族。
「鳥の人々」を意味するクロウ族は基本的に男は平原に出てバッファロー狩りをし、女は草の根や木の実などを採集をして暮らす。クロウ族は他の平原部族と同様に農耕を捨て、バッファローの狩猟に依存する部族だが、タバコはクロウ族の自然崇拝の宗教上の上で、なくてはならない物であるためタバコの栽培は行っていた。
クロウ族は平原インディアンの中では活発に交易してきた商人部族で、山岳部族や平原部族との交易の仲買人として活発に専念して来た。また馬を貨幣としていたクロウ族は馬を盗む事があり、他の平原部族の間で馬泥棒の評判があった。しかし、平原インディアンでは馬泥棒は悪い意味ではなく、勇者の誉れある行為とも見なされていた。
周辺部族との交易をしていたクロウ族は平原部族の中では、スー族やシャイアン族などの部族とは違って、白人を敵視しておらず、白人と接触後は白人とも交易するようになる。白人の毛皮会社が設立された当時は、インディアンと白人の仲買人としてとして活躍して、弓矢や衣類、ぺミカン(バッファローの肉の保存食)を製作販売し、木のない平原に住む平原部族にはティーピーに必要な木材を売ったりと、商才を発揮していた。
スー族とは敵対関係にあるライバル部族で、白人に対して抵抗し戦うスー族とは対照的に、クロウ族は白人の強さを認め白人との争いを最小限に避けようとしていた。リトルビッグホーンの戦いでは白人側に付き敵対するスー族と戦った。