クロームモリブデン鋼
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クロームモリブデン鋼(chromium-molybdenum steel)は、低合金鋼の種類の一つであり、その特性を生かし、自転車のフレームから航空機のエンジン、バルカン砲の砲身などさまざまな面で使用される。
丈夫でしなやか、加工性も高く、また近年の技術の革新により鉄の密度を上げることができるようになったため、少々肉厚を薄くしても目的の十分な強度を得られるようになった。そのため、軽量化と同時に引っ張り強度などが求められる場面(拳銃や航空機の主脚等)で多用される。
また、自転車のフレーム材料として古くから使われており、現在でもそのしなやかな乗り心地や細身のフレーム(アルミ等のフレームは繰り返し荷重等の関係から太くならざるを得ず、カーボン等樹脂系は経年劣化が激しい)を好んだり、部品をロウ付けして仕様を容易に変更できることから、愛好家も多い。自転車用途に特化したパイプをレイノルズ等のメーカーが出しており、ほかの材質に勝るとも劣らない性能を実現している。