グレンデル
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グレンデル(Grendel)は、北欧の叙事詩『ベオウルフ』に登場する巨人の怪物(ドラゴンとも)。恐ろしい姿をしており、性格も残忍で、荒野・沼地・砦の周りなどをうろついているとされる。湖か沼地の中に住んでいるという。
[編集] 描写
物語では、フロースガール王がヘオロット宮殿を建て、その祝宴を連夜開いていた。しかし、ヘオロット宮殿に建てられていた所の近くに、グレンデルの住処があったのである。祝宴の騒ぎに恨みを抱いたグレンデルは毎晩フロースガール城に忍び込み、城の人間を一人ずつ食い殺していった。フロースガール王は恐怖を感じるも、何も出来ないまま12年が過ぎた。その噂を聞きつけたベオウルフが、グレンデルを退治するためにフロースガール王の元に訪れ、ヘオロットの館の警護にあたった。その深夜、やってきたグレンデルは警護にあたっていた兵士達を殺害し、ベオウルフに奇襲をかける。突然の出来事に武器を用意してなかったベオウルフは素手でグレンデルに挑み、逆にグレンデルの片腕をもぎとった。これに慌てたグレンデルは逃走し、自分の母にこの事を報告した。これに怒ったグレンデルの母はベオウルフに復讐しに行く。しかし、グレンデル以上に恐ろしい彼の母は、逆にベオウルフに返り討ちにあい、住処で追い詰められたグレンデル自身も首を刎ねられる事になる。
なお、ベオウルフとグレンデルの戦いは、『ベオウルフ』の物語の内の前半にあたる。