コルシカ語
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コルシカ語 Corsu, Corso, Corse, Corsi |
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話される国 | フランス |
地域 | 南ヨーロッパ |
話者数 | 10~40万人 |
順位 | 100位以下 |
言語系統 | インド・ヨーロッパ語族 |
公的地位 | |
公用語 | |
統制機関 | |
言語コード | |
ISO 639-1 | co |
ISO 639-2 | cos |
ISO/DIS 639-3 | |
SIL |
コルシカ語(Corsu)は、インド・ヨーロッパ語族イタリック語派に属する言語。フランスのコルシカ島およびこの島の出身者が多く居住するパリやマルセイユの集住地区で使われる。フランスでは言語人口統計は行っていないことからその詳細な数値は不祥であるが、推計値で約10万人とされる。
1960年代以降、コルシカ島のフランス語化が急速に進んだため、コルシカ語を日常語、母語とする者は高齢者に限られ、若い世代はフランス語が日常語、母語となっている。しかし、1980年代から学校で教育され、音楽やテレビ・ラジオ放送、広告・商標でも用いられるようになり、かろうじてその衰退を食い止めている。
フランス共和国ではフランス語のみが実質上公用語であり、コルシカ語には何の法的地位もない。コルシカ語をコルシカ島の公用語にする動きはたびたび見られるが、実現していない。
コルシカ語は、言語学的に、地理的、歴史的に近接しているイタリア語、特にその中部方言群の一つであるトスカナ方言に近似している。標準イタリア語とも近い。1970年代に確定した綴字法もイタリア語に近いものを採用している。しかしながら、コルシカ語の音声はやや複雑であるため、書体ではイタリア語からの類推はほぼ可能だが、会話では双方のコミュニケーションは成立しにくい。
コルシカ語は島の北中部と南部で音声など対立が見られる。北中部のコルシカ語は「ウ・ズブラーヌ(U Supranu)」と呼ばれる。南部のコルシカ語は「ウ・ズッターヌ(U Suttanu)」と呼ばれる。音声の対立とは、北中部では子音の有音化現象が著しいのに対し、南部ではそれがみられないことや、北中部では主に使われる母音がa, e, i, u, oの5種類あるのに対して、南部ではa, i, uの3種類であること、南部では破裂音が多いなどである。
北中部 | 南部 | |
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馬 | u cavallu/ugawa:lu/ | u cavallu/ukava:ddu/ |
家族 | a famiglia/avami:ja/ | a famiglia/afami:dda/ |
草 | l'erba/le:rba/ | l'erba /la:rba/ |
ヨーロッパ | Europa/euro:ba/ | Europa/auro:pa/ |
また、北中部と南部では語彙の違いも見られる。北中部では「犬」はu cane /uga:ne/だが、南部ではu ghjacaru /uja:karu/となる。同様に「大きい」は北中部grande /(g)rande/だが、南部はmaiori /majo:ri/、 「祖父」は北中部はu caccaru /ugakkaru/もしくはu babbone /uwabbo:ne/となるのにたいし、南部はu missiavu /umissia:vu/と言う。
さらに、コルシカ島の最南端でイタリア領サルデーニャ島と向かい合うボニファシオでは、他のコルシカ語とは大きく異なり、かつてこの地を直接支配していたイタリアのリグリア地方の影響を受けている。このため、地元の言語学者の間では、ボニファシオのコルシカ語がコルシカ語ではなくボニファシオ語だとする主張も見られる。
因みに日本語の「コルシカ」はイタリア語 Corsica から来ている。フランス語ではコルス Corse 、コルシカ語ではコルシガCorsica、あるいはア・ゴルシガ A Corsica である