コレー
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コレー(Κόρη, Kore, 娘の意)は、ギリシア神話に登場する女神。デメテルとゼウスとの間に生まれた娘、ペルセポネの別名である。その神話については、デメテル及びペルセポネを参照されたい。日本では、長音省略表記のコレでも知られる。
コレーは処女神であり、ハデスにさらわれ、その妃になってよりペルセポネとなったとする理解もある。しかし、より古くは、コレー、デメテル、ペルセポネは、ひとりの女神の三相を表し、それぞれ処女、母、老婆、あるいは創造者、維持者、破壊者に対応していたものと考えられている。これはインドやアジアでの女神の最古の姿と共通性がある。
また、コレー (Kore) の名前は、ローマ神話のケレス (Ceres)、インド神話のカーリー (Kali) などとも共通性があり、この女神の出自が非常に古く、かつ信仰が広範囲に渡っていたことが推察される。
ギリシャ美術の歴史では特にアルカイク期(紀元前650年 - 紀元前500年)に一連の女性着衣像を指す。
像によって型は異なるが、古い時代のものは両足をそろえたものが、新しいものは左足をわずかに前に出し正面性を保って直立しているものが多い。ギリシャ各地に出土しているが、アテネのアクロポリスで発見された一群のコライが有名である。