コンポーネント端子
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コンポーネント端子は、コンポーネント映像信号を伝送するために作られた端子である。
[編集] 概要
ハイビジョンテレビなどで使用される1080P・1080I・720Pや、DVDなどで使われる480P、などという従来に比べて高品質な映像信号を、分離-合成などの余分な過程を減らして信号の劣化等を極力防ぐ目的で、コンポーネント映像信号をそのまま伝送できるよう、この映像端子が開発された。
端子はRCA端子と同じ形状で、Y・B-Y・R-Yの3つの端子がある。Yは輝度信号、B-YおよびR-Yは色差信号である。一般機器では、B-YはCbまたはPb、R-YはCrまたはPrと書かれることが多い。また、3つの端子は全て同形状であるので、接続の便宜を図るため、ケーブルやコネクタは、「Y」を緑、「B-Y」を青、「R-Y」を赤と色分けしている。
ケーブルを3本接続する必要があって接続が面倒になることと、識別信号の伝送ができないという弱点があり、日本ではこの弱点を改良したD端子が開発された。しかし、D端子は日本独自のローカル規格であること、コネクタやケーブルの構造から信号の劣化が起こりやすいこと(特にある程度長い距離の伝送で顕著と言われる)、またそれらの理由によって高級機器では国内メーカー製でもD端子を採用していないものがあることなどから、現在でもコンポーネント端子の需要は根強い。また、世界的に見ればコンポーネント端子が主流である。D端子とコンポーネント端子の変換を行うコネクタやアダプターは、各社から発売されている。
なお、レーザーディスクなど輝度信号と色信号が混合記録されている記録媒体の場合、コンポーネント端子から出力すると映像がモノクロになるので、注意が必要である。(VHSやDVD-Videoなどは輝度信号と色信号が分離記録されているので、カラーで出力される。)
[編集] 規格
- DVD入出力(Y・Cb・Cr)
- D端子でいえばD1相当で、480Iのみの対応である。
- HD/DVD入出力(Y・Pb/Cb・Pr/Cr)
- D端子でいえばD3相当で、480Pや1080Iにも対応している。なお、DVDにもY・Cb・Cr端子を持つ機種もあるが、その場合はD2端子相当となる。
- HD入出力(Y・Pb・Pr)
- 1080I(1035I)のみの対応で、基本的には480Iや480Pなどに対応していない。1997年以前に発売されたハイビジョンテレビでよく見受けられる。
[編集] 関連項目
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