ゴードン・ストラカン
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ゴードン・ストラカン(Gordon Strachan、1957年2月9日 - )は、スコットランド出身の元サッカー選手で現在はサッカー監督。
ダンディーFCを皮切りに、アバディーンFC、マンチェスター・ユナイテッド、リーズ・ユナイテッド、コヴェントリー・シティでプレーをした。プレースタイルは右サイドのプレーメーカーで、技巧派プレイヤーとして知られた。スコットランド代表として50キャップを重ねた。
現役引退後、サウサンプトンの監督を経て、2005-06シーズンよりグラスゴー・セルティックの監督に就任した。そして、セルティックを就任わずか1年でリーグ戦優勝とUEFAチャンピオンズリーグの出場権を得た。そして今シーズンも、2位のレンジャーズに圧倒的な差をつけて首位を独走している。そして、迎えたチャンピオンズリーグの予選、強豪マンチェスターユナイテッドやベンフィカをホームで撃破し、見事にチャンピオンズリーグのベスト16に進出した。以上のこれらの監督としての手腕が評価され、2006年国内最優秀監督賞を受賞した。
[編集] サー・アレックス・ファーガソンとアバディーン全盛時代
スコティッシュ・プレミアリーグの特徴は、オールドファームの2チーム、レンジャーズ・セルティックの2強として知られるが、アレックス・ファーガソン監督がアバディーン監督を務めた1980年代前半は、アバディーンの全盛期で、その中心選手がスコットランド代表の中心選手でもあったストラカンだった。ファーガソンとストラカンに率いられたアバディーンは、リーグ制覇(2回)、スコティッシュカップ(3回)、UEFAカップウィナーズカップ、UEFAスーパーカップを制する全盛期を迎えることとなった。
身長160センチと、恵まれた体躯では無いながらも、徹底的に食事管理に気を遣い、節制をし、相手となるべく競り合わないで早くパスを回す、パスをなるべく良い体勢で受けてから得点を狙う、その為にもよく走る、というの3つの基本を徹底的に繰り返した結果、彼はスコットランドのみならずブリテンを代表するプレイヤーになった。もしギグスがイングランドにいたら・・・とは、英国4協会の特殊なあり方を揶揄する、サッカーファンがよくする茶飲み話だが、ギグス以前はストラカンが、この茶飲み話の主人公だった。
小学生の時、ペンを右目に突き刺し、視力障害(網膜裂孔による強度弱視)を負い、ほぼ失明状態であった。しかし現役中はその事実を隠したままプレイを続け、ついにはイングランド年間最優秀選手(FWA'91年。リーズのFWとして優勝に貢献)、さらにはスコットランドサッカー協会殿堂の栄誉を獲得するほどの選手となった。当然ながら、片目半盲でこれらを獲得した選手は、ストラカンただ一人である。
[編集] 中村俊輔とストラカン
セルティック監督に就任したストラカンだが、当時のセルティックは中盤を省略するタイプのサッカーで、技巧派プレーメーカーとして知られたストラカンにとって、不満が大きいサッカーだった。
中盤をつなぐサッカーを実現すべく「白羽の矢」が経ったのが、04-05年シーズンまでイタリアのレッジーナでプレーしていた日本代表の中村俊輔だった。
レッジーナと日本代表(特に2005年コンフェデレーションズカップでの対ブラジル戦)でのプレーに感銘を受けたストラカンは、即座に獲得に動き出した。
ストラカンは、中村に対し「グラウンド上およびチーム世代間のギャップを埋めることができる選手」であり、「彼がひとたびセルティックパークでプレーすれば、なぜ私が彼にここまで執心したかをすぐに理解できるだろう」と期待感を述べた。
事実、中村がセルティックに入団すると、即時、先発起用し、怪我か病気でない限り起用を続けている。
ストラカンが中村にここまで執心したのは、自らも技巧派プレーメーカーとして知られたストラカンが、中村のプレースタイルに共感を覚えたためと思われる。
ストラカンが中村を寵愛していることを示すエピソードとして、2005-2006スコットランドリーグカップを制した試合後、2得点のショーン・マロニーについて尋ねられたにもかかわらず「それよりも中村のプレーを見たかい」と延々と中村を絶賛した出来事があった。
また、中村がリーグ戦でビューティフルゴールを決めたとき、辛口で知られるストラカンだが、その中村のゴールを見て思わず「彼は天才だ」と発言した。ちなみに中村は、そのゴールは世界のスーパースターのゴールを集めたビデオを見て、研究して、「一応イメージ通りに打てた」と語っていた。
グラスゴー・セルティック - 2006-2007 |
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1 ボルツ | 2 テルファー | 3 ネイラー | 5 コールドウェル | 6 バルデ | 7 ジュラフスキ | 8 トンプソン | 9 ミラー | 10 フェネホール・オフ・ヘッセリンク | 11 ピアソン | 12 ウィルソン | 14 リオーダン | 15 スノ | 16 グラヴェセン | 17 プレスリー | 18 レノン | 20 ヤロシク | 21 ブラウン | 22 マーシャル | 23 ペリエ=ドゥンベ | 25 中村 | 37 ビーティ | 38 クイン | 41 ケネディ | 42 マグリンチー | 44 マクマナス | 45 オブライエン | 46 マクギーディ | 47 マクガヴァン | 48 オディー | 49 カスバート | 50 アーヴァイン | 51 ライリー | 53 フェリー | 54 コンロイ | 監督 ストラカン | |
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