サナララ
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サナララは、2005年4月29日にねこねこソフトから発売されたアダルトゲーム。
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[編集] あらすじ
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
誰にでも「一生に一度のチャンス」を叶えられる時がやって来る・・・。不思議な「システム」による「チャンスの享受者」と、それを導く「ナビゲーター」の織り成すエピソードを4章収録。
荒唐無稽に思える設定だが、よく出来たストーリーにより違和感無く物語の世界に入って行ける。また前作のラムネ同様、せつない物語はあるものの、悲惨な結果としては描かれておらず、読後感は良い。
タイトルの『サナララ』には、ストーリー上重要な意味が込められており、仔細はある「Story」内で判明する。
[編集] 基本システム
短いパートで構成される「Story」を一話ずつ読み進める方式で、攻略ヒロインを選択することはできない。再プレイする際は、読みたいパートからすぐにプレイできるようになっている。
[編集] 登場人物
- Story:01 のぞみ
- 和也(かずや)
- ごくごく普通の高校二年生。ある日「一生に一度のチャンス」の順番が回ってきたと告げられ驚く。「本お願い」の前に「お試しお願い」が出来ると知った彼のちょっとしたいたずら心が希未を巻き込んだ、「不思議な一週間」の発端となる。
- 椎名 希未(しいな のぞみ)声:夏野こおり
- 極端なテレ屋で人見知りが激しい女子高生。男性の目を見て話せるのは2.5秒が限界。いつも本やプリントを手に持っており、他人の視線を感じるとそれで顔を覆ってしまうのが子供の頃からの癖(人呼んで『のぞみシールド』『椎名バリア』)。それ故、結構男子生徒から結構人気があるにも拘らず、彼氏いない歴=実年齢。
- Story:02 Sweet days, Sour days
- 雄司(ゆうじ)
- ゲーセン好きの、これまた普通の高校二年生。あゆみとは幼馴染で、いつも一緒に過ごしてきた故に、どうしても「ひとりの女性」としての認識が無い。そんな二人に訪れた「一生に一度のチャンス」。この事態が二人の関係に大きな変化を与える事に。
- 高槻 あゆみ(たかつき あゆみ)声:茶谷やすら
- キウイが大好きな元気な女子高生。毎朝、雄司を起こして一緒に登校するのが日課。まじめで気が強く、ちゃらんぽらんな所のある雄司とは毎日のように喧嘩をしている。最近、習い事の製菓教室に熱心に通っているようで…
- Story:03 センチメンタル・アマレット・ネガティブ
- 高畑(たかはた)
- 「チャンス」を終え、現在は「ナビゲーター」役である高校2年生。「チャンスの享受者」である涼を無事に見つけて一安心するのもつかの間、彼女の妙なテンションと突飛な「お願い」に振り回される事に。中学時代は学校一の俊足の持ち主として学園のヒーローであったが、現在はもう走っていない様子。
- 三重野 涼(みえの りょう)声:岩田由貴
- 隣町の私立のお嬢様学校に通っている、メルヘン好きで夢見がちな少女。高畑の中学時代の同級生だが、彼にその記憶は無い。天然系のほんわかな性格だが、意外と押しが強く、高畑を困らせる。
- Story:04 “Summer Holiday”
- 芳沢 洋一(よしざわ よういち)
- ナビゲーターの特権を気に入り、「チャンスの享受者」の「お試しお願い」を叶えた後、「本お願い」を受理せずに逃走するパターンを繰り返している「ナビゲーター歴半年の男」。やりたい放題の彼だったが、次の“カモ”である由梨子の「お試しお願い」は一風変わっていて…。本業はペンキ屋。由梨子の高校の卒業生である。
- 矢神 由梨子(やがみ ゆりこ)声:まきいづみ
- 絵を描くのが好きな女子高生。背が高く絵や料理が得意であるが、目立つことを嫌いそれを隠している。洋一と出会いチャンスのことを知るが、冗談だと思って適当なことをお願いする。その結果大変なことに…。初めは洋一のことを警戒していたが、洋一が自分の高校の卒業生であることを知り、打ち解けることとなる。
[編集] スタッフ
- エンディングテーマ:「春風」
- (作詞:海富一 作・編曲:藤間仁(Elements Garden) 歌:KAKO)
[編集] 作品背景ほか
<タイトルについて> 『銀色』『みずいろ』『朱 -Aka-』等、ねこねこソフトのこれまでの作品には、タイトルに『色』を冠していた(ファンディスク、麻雀、おかえしCDを除く)。それに対し、本作ではオリジナル作品としては初めて、タイトルから『色』が消えたかのように見える(実際は、ゲーム中4章に登場するサクラ色、ナタネ色、ラベンダー色、ライトブルーの4色を混合した緑の海色を指す造語がサナララであると示されているが、この造語だけではなく、様々な意味を内包してのタイトルであると、後にMMR日記にて語られている)。また、後に本作のディレクターである木緒なちから、「実験作的な意味合いが強かった」「新規スタッフをメインで」等、前述のMMR日記にて、わかりやすい色名のタイトルにしなかった理由について語られている。
現にこれまでの作品で必ずディレクターを務めていた、同社の代表的なライターである片岡ともは、本作では1ライターとしての参加に留まり、本作ではラムネ以降ディレクター的役割が増えた秋津環と、前述の木緒なちが共同でディレクターを務めている。またこれまで名実共に顔的存在であった原画家の秋乃武彦や、ラムネの司ゆうき、あんころもちもメインスタッフとしては不参加で、ホームページで連載の4コマ『諸葛瑾』でお馴染みの蒼樹うめに「よく似た」双子の姉、藤宮アプリ(蒼樹うめ)がメイン原画、サブでも戯画作品で原画を務めた闇野ケンジが参加と、スタッフとしてはかなり異質な構成であった。また、闇野はその後、同社タイトル『ぷちファンディスクみたいなの』においても、サナララの番外編で原画を担当した。
<製品としての売れ行き・評価等> 広報期間の短さ、発売日の微妙な延期、また過激な表現で話題となった『School Days』と時期的に被った事もあり、売上的には芳しくなかったようだが、全体的な評価は高い。
<おまけシナリオ> 2006年3月16日からWeb上で無料配布された「ぷちファンディスクみたいなの」に、サナララのショートシナリオが収録されている。これには、新しいヒロイン・樋口が登場する。
なお、このシナリオのプレイには、サナララ本体は不要。
[編集] 登場人物
- 沢野(さわの)
- ハトが好きな男子高校生。気がつくと、ナビゲーターの樋口に引き寄せられていた。
- つい、樋口に「魔法少女が好き」と言ってしまう。
- 樋口 実果(ひぐち みか)声:青山ゆかり
- ちょっとアガリ症な女の子。沢野のクラスメイトで、もともと沢野が好き。沢野に告白したいのだが、本人を前にすると頭の中が真っ白になってしまう。
- 沢野が「魔法少女が好き」と言ったので、魔法少女(実際には魔女に近い)のコスチュームを自作。チャンスシステムも自分の魔法ということにして、「仮のお願い」が有効で、そのために沢野が引き寄せられる約1週間、沢野の家で寝食を共にする。
- ハトなどの鳥類が苦手。足が爬虫類みたいなのが怖いらしい。
[編集] スタッフ
- 原画:闇野ケンジ
- シナリオ:大月佑佑