サハロン・シェラハ
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サハロン・シェラハ (שהרן שלח, Saharon Shelah, 1945年7月3日 エルサレム - ) はイスラエルの数学者、論理学者。日本では「シェラー」あるいは「シェラーハ」と表記されることもある。専門は数理論理学、とくにモデル論および公理的集合論。その他にブール代数や実関数論、集合論的位相空間論に関する仕事もある。エルサレムに生まれ、1969年にヘブライ大学で博士号を取得。現在はヘブライ大学教授およびラトガーズ大学教授を務めている。エルデシュ数は1。
現代屈指の天才数学者との呼び声が高く、一部では「神」とも呼ばれている。超人的な仕事量で知られ、2005年6月現在で、その論文数は800を超える。また、500ページを超える浩瀚なモノグラフを次々と発表している。誰かが未解決問題をシェラハのところに持っていくと、彼がその場ですぐに解いてしまうため、その結果できた共著論文が大量にあるといわれる。ちなみに、2005年6月8日の日付のあるシェラハの共著者のリストには196人の共著者中7人の日本人数学者が含まれている。
目次 |
[編集] 主要な業績
- モデル論における分類理論 (classification theory) の導入 [2] および、それにともなうモーリー問題の解決。
- 公理的集合論における固有強制法 (proper forcing) の導入 [4, 5] および、pcf理論の構築 [6]。
- ホワイトヘッド問題に関する貢献 [1, 3]。
[編集] 主要な受賞歴
- 1977年 - エルデシュ賞 (イスラエル数学会)
- 1983年 - キャロル・カープ賞 (記号論理学会)
- 1992年 - ジョージ・ポーヤ賞 (応用数学会)
- 1998年 - イスラエル賞
- 2000年 - ボヤイ賞 (ハンガリー科学アカデミー)
- 2001年 - ウルフ賞 (ウルフ財団)
[編集] 主要な著作
- [1] "Infinite Abelian groups, Whitehead problem and some constructions", Israel Journal of Mathematics, Vol. 18, 1974, pp. 243-256.
- [2] Classification Theory and the Number of Nonisomorphic Models, North-Holland, 1st ed., 1978, ISBN 0720407575; 2nd ed., 1990, ISBN 0444702601.
- [3] "Whitehead groups may not be free, even assuming CH. II", Israel Journal of Mathematics, Vol. 35, 1980, pp. 257-285.
- [4] Proper Forcing, Lecture Notes in Mathematics 940, Springer, 1982, ISBN 3540115935.
- [5] Proper and Improper Forcing, Perspectives in Mathematical Logic, Springer, 1988, ISBN 3540517006.
- [6] Cardinal Arithmetic, Oxford Logic Guides 29, Oxford University Press, 1994, ISBN 0198537859.