ジェンナ兄弟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジェンナ兄弟(Genna Brothers)は禁酒法時代のシカゴのギャングスター。その凶暴さから、『恐怖のジェンナ』と恐れられた。
アンジェロ(Angelo)、トニーことアントニオ(Antonio)、マイク(Mike)、ピーター(Peter)、サム(Sam)、ジムことヴィンチェンツォ(Vincenzo)の6人兄弟。シチリア・マルサーラ出身のブートレガーで、禁酒法時代に政府から工業用アルコールを生産する許可を得て、それを利用して密造酒を作っていた。しかし、ジェンナ兄弟のウィスキーは時間を急ぎ安く即席に醸造するため、ひどい物だった。樽のなかにネズミの死骸が浮かんでいたりしたという。こうしたウィスキーなどで彼らは月に30万ドル以上の利益を上げ、そのうちの7000ドルで警察を買収していた。
ジェンナ兄弟はやがて、ノース・サイドでもウィスキーを売り始めた。しかし、そこはダイオン・オバニオンの縄張りだった。そのため、オバニオンはジェンナ兄弟のウィスキーを積んだトラックをハイジャックした。そのため、シチリア系と、アイルランド系の間で全面戦争になりそうになったが、ジョニー・トーリオが仲裁役に入り、事なきを得た。この時から、オバニオンとは相当仲が悪かったようだ。
その後、トーリオがオバニオンにはめられて捕まる事件が起こると。ジェンナ兄弟はトーリオとアル・カポネに協力して、オバニオン暗殺を計画する。暗殺の実行犯は一般にフランキー・イェールたちだと言われているが、マイク・ジェンナとジョン・スカリーゼとアルバート・アンセルミという説もある。
シチリア人連合(ウニオーネ・シチリオーネ)会長のマイク・メルロが癌で死亡した後、アンジェロがシチリア人連盟の新会長になった。このとき、イェールとトーリオとカポネが協議して、アンジェロを指名した。
1925年1月13日、マイクが警官に殺害される。5月25日にアンジェロがジョージ・モランの一味に暗殺された。その後、7月8日にはアントニオも殺害された。この事件はオバニオン暗殺の報復と思われた。そのため、生き残った兄弟はアイルランド系による復讐を恐れて、身を隠したという。
その後、シカゴ・トリビューン紙はジェンナ兄弟の一人ヴィンチェンツォが、ローマにいることを突きとめた。ヴィンチェンツォはローマではギャングスターではなく電気掃除機の代理店を営んでおり、アメリカ・シカゴに住んでいた頃を懐かしがっていた。
[編集] 外部リンク
- Chicago's Unione Siciliana: 1920, A Decade of Slaughter
- Angelo "Bloody Angelo" Genna at Find A Grave
- Tony "Tony the Gentleman" Genna at Find A Grave
- Mike "Mike the Devil" Genna at Find A Grave
- Peter "Pete" Genna at Find A Grave
- Sam Genna at Find A Grave
- Vincenzo "Jim" Genna at Find A Grave