ジュラ島
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ジュラ島 (Jura)はスコットランドの島。インナー・ヘブリディーズ諸島を形成する島の一つ。アイラ島のすぐ北に位置する。'Diùrach'というのが、元々この島の住人が話していたゲール語での名称である。英語でこれを綴ると'Jurach'となる。スコットランド・ゲール語には'J'の文字がなく、続く母音がeまたはiの場合、'd'は'j'と発音されるのである。ジュラ島はNational Scenic Area (景観の良い場所)に指定されている。
島の大きさはアイラ島とほぼ同じくらいだが、人口は160人ほどで人口密度ははるかに低い。中心となる集落は東海岸に位置するクレイグハウス (Craighouse [Taigh na Creige])。ここには島で唯一の蒸留所があり、アイル・オブ・ジュラが生産されている。また、この村には島で唯一のホテル、パブ、商店や教会が集まっている。
アイラ島との海峡を越えて、アイラ島ポート・アスカイクとジュラ島のフェオリン・フェリーとを結ぶ小さなフェリーが運航している。フェオリン・フェリーからは南と東に海岸線に沿う形で道路がある。クレイグハウスの北へは、ラッグ、ターベルト、アードラッサさらに先へと道路が延びている。プライベイトな通路は道路の終わりからさらに北へと延びている。
この島は、西側にあり2500フィート (762m) を超える3つの急勾配な円錐状の山、Paps of Jura に多くを占められている。現在西海岸に住人はおらず、海岸に崖が続いている。
かつて道路の終わりのバーンヒル (Barnhill [Cnoc an t-Sabhail])には、ノーベル賞作家ジョージ・オーウェルの別荘があり、彼はここで「1984年」を執筆した。
ジュラ島の北端とスカルバ島の間にはコリーヴェッカン湾 (Gulf of Corryvreckan [Coire Bhreacain]) がある。ここでは渦巻きが発生し、潮の干満の状態によっては航行が不能となる。
この島には、多くの鹿が住んでいる。ジュラという名前も、北ゲルマン語群で「鹿」を意味する'hjörtr'に由来すると一般に言われている。
[編集] Paps of Jura
Paps of Juraは、円錐状の珪岩からなる山地で島の南半分を占めている。3つの主なピークがある。
- Beinn an Òir (ゲール語で「黄金の山」の意)は最も高く785m。
- Beinn Shiantaidh (ゲール語で「聖なる山」の意)は735m。
- Beinn a' Chaolais (ゲール語で「海峡の山」の意)は1m差で最も低く、734m。
Papsはこの地域の景観を特徴づける山であり、マル・オブ・キンタイアや晴れた日にはスカイ島や北アイルランドからもその姿を望むことができる。Papsの3つの峰や他の4つの丘陵を含んだ Isle of Jura Fell Raceが毎年行われるコースになっている。