ジョウント
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ジョウント(Jaunte)、ジョウント効果とは、アルフレッド・ベスターのSF小説『虎よ、虎よ!』に登場した架空の超能力で、精神の力によって別の場所に瞬間移動することである。この概念は上小説だけではなく、さまざまなメディアで登場した。
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[編集] 概要
ジョウント効果の発見は、科学者・ジョウント博士が生命の危機に遭遇した際に、偶然、瞬間移動してしまったことに由来する。人類にこのような能力のあることは知られていたが、研究者の目の前で起きたことは初めてであった。自殺志願者によるさまざまな実験の結果、これは単なる大脳生理学上の問題であることがわかり、どんな人間でも訓練によって考えるだけでどんな遠いところにでも瞬間移動することが可能になった。
しかし、そのことによって社会は大混乱を引き起こし、人類が入植した惑星間の戦争にまで発展した。
[編集] 制約
ジョウントの際には現在の場所と移動先の場所を正確に思い浮かべないといけない。したがって、未知の場所にはジョウントできない。また、ふつう、宇宙空間を飛び越えて、例えば、ロケットから別のロケットへとジョウントするようなことはできない。
[編集] ブルー・ジョウント
このような制約があるため、女性をジョウントしてやってくる人間から保護する場合や、囚人がジョウントして逃げられないようにする場合などは、外部から完全に隔離された部屋に彼らを閉じこめればよい。この様な状況で無理やりにジョウントを行うと、使用者はまったくでたらめのなところに、青い光となって現れ、すさまじいスピードで地面に衝突してしまう。これがブルー・ジョウントであり、ほぼ自殺同然の行為である。
[編集] 他作品で登場したジョウント
- スティーブン・キング:短編小説『ジョウント』に登場。
- 梶尾真治:『クロノス・ジョウンターの伝説』に同名の機械が登場するが、こちらは空間ではなく時間を移動するものである。
- 藤田和日郎:漫画『ゲメル宇宙武器店』(短編集『暁の歌』収録)に登場。
- 仮面ライダーカブト:作中の人物が仮面ライダーに変身するためのアイテムは、ジョウント空間と呼ばれるところを通って瞬時にやってくる。また、弾丸などの武器がジョウントによって無限に供給される。
[編集] 関連項目
- アンシブル - アーシュラ・K・ル=グィンの考案した架空の超光速通信。