ジョン・フレデリック・ダニエル
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ジョン・フレデリック・ダニエル(John Frederic Daniell 、1790年3月12日 - 1845年3月13日)はイギリスの化学者、物理学者である。ダニエルの電池に名前を残している。
ロンドンに生れた。1831年に新しく作られたキングス・カレッジ・ロンドンの最初の化学の教授になった。最も知られた功績はダニエルの電池を1836年に発明したことである。1820年に露点を利用するダニエル湿度計、1830年に銅-亜鉛の熱電対も発明した。
[編集] ダニエル電池
ダニエル電池(-でんち)とはダニエルが1836年に発明した電池のこと。起電力1.1Vの化学一次電池である。
アレッサンドロ・ボルタが1800年頃発明したボルタ電池は、希硫酸にマイナス側が亜鉛極板、プラス側が銅極板という組合わせであるが、プラス側で水素が発生して分極をおこし、すぐに起電力がなくなる欠点があった。ダニエル電池は素焼きの容器で電解液を分離しプラス側に硫酸銅溶液、マイナス側に硫酸亜鉛溶液を用いることによって起電力の変化が少なく、気体も発生しない実用性が向上した電池となった。
ダニエル電池の放電を持続させるためには、ZnSO4水溶液の濃度を薄く、CuSO4水溶液の濃度を濃くすると良い。
[編集] 反応式
(-) Zn | ZnSO4 aq | CuSO4 aq | Cu (+)
負極 : Zn → Zn2+ + 2e-
正極 : Cu2+ + 2e- → Cu
全体 : Zn + Cu2+ → Zn2+ + Cu