スタディボックス
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スタディボックスは、福武書店(現ベネッセコーポレーション)から発売された電子学習教材である。
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[編集] 概要
プラットフォームとして家庭用ゲーム機のファミリーコンピュータ(以下ファミコン)を利用する周辺機器の形式をとっている。スタディボックスはカセットテープの再生機の底部にファミコン用ROMカートリッジのコネクタがくっついた構造で、ディスクシステムと同じようにファミコン本体に差し込んで利用する。
ソフトウェアはカセットテープで、専用のテキストと共に毎月送られてきた。このカセットにはプログラムだけでなく音声データが記録(録音)されていて、音楽用テープと同じ要領で再生されることで、ファミコンでありながら音楽や声といった生の音声を聞かせる学習が行えた。これはマルチメディアの先駆と言えるだろう。
スタディボックスは、生音声が使える特長を生かした二つの講座があり、それぞれサイエンスコース(テキスト名:ニュートンランド)とイングリッシュコース(テキスト名:エンジョイイングリッシュ)があり、サイエンスコースでは算数と理科が、イングリッシュコースでは英語が提供された。
余談だが、スタディボックス本体のpowerランプは、スタディボックスへの通電ではなくファミコン本体側に連動している。
[編集] 使用方法
前述の通り、スタディボックス内に専用テープを入れ、ファミコン本体に差し込めばよい。また、操作は全てファミコンのコントローラを使う。電源はファミコン本体と、スタディボックス本体にそれぞれ、計二本のACアダプタが必要であるが、スタディボックスのACアダプタはファミコン用のACアダプタと同等なもので代用できたので、買い替えは容易だったと言える。
スタディボックスはセーブができないものの、起動画面で始めたいページを選べるため、途中で止めても続きから開始することができる。これは専用テキストに各章ごとにテープのページが書かれていて、それを参照しながらページを決めると、多少時間がかかるものの、本体が自動的にテープを巻き戻したり早送りをして、そのページに飛ぶことが出来た。
[編集] ハードウェア概要
- スタディボックス本体(SBX-01)
- 消費電流:5V系50mA 10V系 100mA
- カセットテープRchにファミコンデータを、Lchに音声を収録しスタディボックス・ファミコンからTVを通して再生され利用する形態である。
- スタディボックス専用ACアダプタ(SBX-02)
- 入力:AC100V 18VA 50/60Hz
- 出力:DC10V 850mA
- おもちゃ用とかかれており。福武書店が発行している
[編集] 世代
前述の通り、スタディボックスには全部で三世代存在しており、第三世代は平成3年~6年(’91~’94)に販売されていた。
[編集] 教材内容
教材内容は物語形式であり、ゲーム風である。各月ごとに別のキャラクターがいて、様々な話をしながら勉強を進めていく。プレイヤーは画面を見ながら専用テキストを使い進めていくのだが、選択肢やクイズ、計算等に正解しないと先へ進めないようにもなっている。
章の最後には「まとめよう」という、つまりは章のまとめが表示され、勉強内容の確認等にも活用できた。
全ての内容が終わり、ひと月分の勉強が終わった後には、章末におまけとして、ゲームが付いていることも多く、特に算数のおまけでは、二人対戦ができるパズルゲームのような物まであった。
[編集] 主なキャラクター
ベネッセコーポレーションは、教材に、しまじろうやコラショ、カニまる等のオリジナルキャラクターを載せているが、スタディボックスにもオリジナルキャラクターが登場した。彼らはスタディボックスの利点を生かし生の音声を聞かせてくれた。
- サイエンスコース
- ガウス君
- オーム君
- (先生役)
- ホッタロー(理科)
- タンバリン(算数)
- のりドン(特集)
- 森安教授
- イングリッシュコース
- ジョニー
- (先生役)
- 小池先生
- 長田先生
[編集] 特別付録
各講座には、特別付録がついてきた月もあり、例えばイングリッシュコースでは「リトルメアリーのかみかざり」。小3のサイエンスコースでは「トロプスワールド金色のどんぐり」「N57星を探ろう!」といったタイトルのテープが送られてきていた。特に金色のどんぐりは、ファミコンならではのアクションゲームとなっていて、学習教材であることを感じさせない出来であった。