スチューデント・クリニシャン・プログラム
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スチューデント・クリニシャン・プログラム(すちゅーでんと・くりにしゃん・ぷろぐらむ)とは、日本歯科医師会主催の歯学部学生の研究発表会のことである。
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[編集] 概要
スチューデント・クリニシャン・プログラム(SCP)は、1959年米国歯科医師会(ADA)が設立100周年を迎えるにあたり、世界最大手の歯科材料会社デンツプライ社に歯科学生による研究の実践発表という記念企画の後援を依頼したことに始まる。 現在では世界32ヶ国の各国歯科医師会主催により開催されており、世界の歯科界の発展を担う研究者・教育者・開業医を多く輩出してる。
- 日本では1995年より毎年8月に、日本歯科医師会主催(デンツプライ三金株式会社後援)開催される。
- 各大学により選抜された歯学部所属の学生が、日々の研究成果を発表する場である。
- 各大学1名が出場し、持ちブースで審査員への説明および質疑応答を行う。すべて英語を使用する。
- 優勝者は、日本代表として、アメリカで開催されるアメリカ歯科医師会(ADA)学会中のSCP国際大会に参加する。
- 平成18年度の優勝は北海道医療大学歯学部5年生 大迫利光氏の発表「チェアサイドで使用可能な簡易型偏性嫌気性菌培養キットの開発」
[編集] メリット
- 学生時代から研究の基礎および臨床への応用を学ぶことができる。
- 語学力の向上に役立つ。
- 他大学および歯学会とのつながりを持てる。
- 日本代表者は、海外での学術発表ができ、少なからず国際感覚を体験できる。
- 研究成果の世界的製品化の可能性を持てる。
[編集] その他
- 私立大学では、このプログラムにかなりの力を入れているところが多く、学内選抜や研究室の総力を挙げて対応するほどの熱の入れようである。他方、国立大学ではそれほど力を入れておらず、このプログラムの存在すら知らない学生・教員が大半である。また、選抜者も研究経験のある社会人編入者や教授に頼まれて仕方なくと言った学生が多く、私立大学と国立大学でかなりの温度差がある。これは、私立大学の学生は、大学の代表という名誉を勝ち得ることができる格好の機会であると考えるが、国立大学の学生は、このプログラムを利用せず、海外のインパクトファクターの高い雑誌に直接論文を投稿することの方が研究成果を広く公表できると考えているからである。事実、国立大学の中にはこのプラグラムに参加しない大学もある。
- このプログラムを使用しなくても、学生が海外の臨床系・基礎系の学会発表や論文に投稿するのが珍しくない為、必ずしもこのプログラムで選考される内容が日本代表レベルを選ぶ場ではないとする意見もある。