ストーカー行為等の規制等に関する法律
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通称・略称 | ストーカー規制法 |
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法令番号 | 平成12年法律第81号 |
効力 | 現行法 |
種類 | 刑事法 |
主な内容 | ストーカー行為の規制 |
関連法令 | 刑法、軽犯罪法 |
条文リンク | 総務省法令データ提供システム |
ストーカー行為等の規制等に関する法律(すとーかーこういとうのきせいとうにかんするほうりつ)は2000年(平成12年)11月24日に施行された法律。通称『ストーカー規制法』。「桶川ストーカー殺人事件」が契機となった。
目次 |
[編集] 概説
ストーカーを規制する法律である。規制対象となる行為の対象は恋愛関係に限定される。
親告罪で、罰則は6か月以下の懲役、または50万円以下の罰金となっている。警察は警告書による警告ができ、この警告に従わない場合、都道府県公安委員会が禁止命令を出すことができる。命令に従わない場合には1年以下の懲役または100万円の以下の罰金が定められている。また、告訴に踏み切る以外に、被害者の申し出により警察が弁護士の紹介や防犯アラームの貸し出しなど、国家公安委員会規則に基づく援助を定めている。
なお、保護対象は女性に限られず、男性も本法によって保護される。
[編集] ストーカー行為
法律ではつきまとい行為を2回以上反復して行うことを対象としている。
つきまとい行為を以下のように定義している。
- 自宅・学校・職場などでの、つきまとい・待ち伏せ・押しかけ等
- 監視していると告げる行為
- 面会・交際の要求
- 乱暴な言動(生命・身体・自由・名誉・財産に危害を加える言動が必要)
- 無言電話、連続した電話・FAX
- 汚物・動物の死体などの送付
- 名誉を傷つける文書の送付
- 性的羞恥心を侵害させる物品の送付
[編集] 法作成経緯
法が施行される前は個々のつきまとい行為(例: 行く先に待ち受ける、無言電話を繰り返す)自体は軽微な犯罪であるため、軽犯罪法や迷惑防止条例程度でしか取り締まりができず、事実上野放しにされてきた。しかし1999年に埼玉県桶川市でストーカーが女子大生を殺害する事件(桶川ストーカー殺人事件)が起き、この事件を契機として法規制を求める空気が生まれた。
公正な第三者(弁護士など)を介して、当事者と話し合う場を設けて平和的に解決する方法も良いとはされていたが、近年では同種問題が生命の危険に関わる事件にも発展しやすいと知られた事もあり、警察への通報と法的な処分、およびつきまといを禁じる措置の適用が選択されるようになってきている。
[編集] 適用実績
警察庁の調べによれば、相談件数は年間二万件を超え(22,226件)、ストーカー事案として取り扱った件数も年間一万件を超え(12,024件)ており、適用状況は、警告1,164件、検挙14件となっている。また、交際相手による事案は過半数ではあるが、配偶者や元配偶者、内縁関係のものによる事案は1,420件(第二位の13.2パーセント)で、無視することはできない数字になっている。(数字はいずれも2003年)