スローステップ
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『スローステップ』は、小学館刊行の月刊少女マンガ雑誌「ちゃお」の1986年9月号から1991年3月号まで連載された、あだち充のラブコメディ漫画。全7巻。
タイトルの通り、作中わずか1年間の内容を4年半かけて連載した。またコミックス単行本(ちゃおフラワーコミックス)として1990年4月に刊行された第5巻にて、史上初の同一作者コミックス総発行部数1億部を達成した。
作品的には少女月刊誌で長らく連載していたこともあり、あだち充作品としてはそれほど知名度が高くないが、1991年にOVAとして全5話にまとめられ、発売された。
[編集] あらすじ
麻丘高校2年生の中里美夏は、同校ソフトボール部のエースピッチャー。ボクシング部に所属する同級生の秋葉習や、そのボクシング部顧問で麻丘高校教諭の山桜監悟に気に入られ、しかもひょんなことがきっかけで美夏が扮装した「須藤麻里亜」を見た、秋葉のライバルで美夏と同じマンションに住む条青高校ボクシング部3年の門松直人にも惚れられ、美夏はモテモテ状態であった。
やがて門松は美夏と麻里亜が同一人物であることを知ることになり、門松・秋葉・山桜の3人は美夏を巡って恋の争奪戦を繰り広げることになるが、門松と秋葉は美夏に好かれたいあまりボクシングに真剣に取り組み、そのうちボクシングにのめり込むようになる。そして山桜は学生の頃からの夢であった「プロのリングに立つ」ことを実現。傷だらけながら新人王候補を負かし、そのまま引退した。
時は流れ美夏が3年の始業式の日になり、その朝に美夏が見た夢は、東京から離れた小島のバス停に掲げられた、門松と秋葉が後楽園ホールで対戦するフェザー級タイトルマッチのポスターと、その島で洗濯物を干すエプロン姿の自分であった。そして登校した際に秋葉から、山桜が美夏の夢に出てきた小島に転勤するという知らせを聞くことになる。
[編集] 登場人物
- 作品のヒロイン。山桜が顧問とするソフトボール部に所属。その山桜や同級生の秋葉に惚れられている。また美夏が扮装した「須藤麻里亜」を見た門松直人にも惚れられる。父親は売れないプロレスラー。明るく活発だががさつ。口癖は「おいおい」「あー、めんどくせ」など。
- 秋葉習(声:山口勝平)
- 美夏の同級生で、ボクシング部に所属。社長の息子。軽い性格でいい加減。美夏のことが大好き。しかし門松も美夏のことが好きであることを知り、門松を負かすためにボクシングに真剣に取り組むことに。
- 門松直人(声:堀川亮)
- 条青高校のボクシング部に所属する3年生。美夏や秋葉とは学校も学年も異なるが、美夏とは同じマンションに住む。高校ボクシングのチャンピオン。はじめは美夏が扮装した須藤麻里亜に惚れていたが、美夏と同一人物であることを知り、秋葉とはボクシングと美夏とでライバル関係に。
- 山桜監悟(声:神谷明)
- 麻丘高校教諭で、同校ボクシング部兼ソフトボール部顧問。大学時代はプロボクサーを目指していたが、姉の死去に伴い、姉の娘である知香を引き取ることになったため、プロボクサーになることを断念することに。学校ではスケベ教師で通っており、女生徒のお尻を触りまくっているが、なぜかセクハラであると問題にされていない。
- 田中知香(声:坂本千夏)
- 山桜の姪。幼くして両親(母親は山桜の姉)を亡くしたため、山桜に引き取られている。小学生ながら山桜のために食事を作るしっかり者。美夏を気に入っており、山桜が美夏と一緒になることを願っている。