ソード (企業)
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ソード株式会社(SORD) は、コンピュータ関連の開発・製造・販売を手掛けていた日本企業。1970年創業。社名は「SOFT(ソフトウェア)」と「HARD(ハードウェア)」の統合を意味して「SORD」と名付けられた。
1974年にi8080採用のマイクロコンピュータ・SMP-80シリーズを発表。1977年にパーソナルコンピュータ・M200を発売してパソコンベンチャーとして注目され、続いて、ホームコンピュータ・M100や M5、68000とZ80のふたつのCPUを搭載したM68などを発売した。
1980年に事務処理用簡易言語「PAN-INFORMATION PROCESSING SYSTEM (PIPS)」を発表。パソコンの利用にはBASICプログラムが必須だった当時、100個あまりのコマンドにより誰でも簡単に関数計算やグラフ作成、データ検索を行うことが出来るPIPSは画期的なソフトウェアであった。PIPSはソード製パソコンでのみ動作したため、ソードのハードウェアの売り上げも倍増し、最盛期は年商200億円以上を記録した。PIPSはIBMなど他のハードウエアメーカーからもオファーがあったが、ソードは自社ハードのみの販売に固執。その結果、1984年頃からハードウェアの不振がPIPSの足を引っぱるようになり、業績は悪化した。
1985年、ソードは東芝に業務提携の形で実質売却された。1999年には完全子会社化され東芝パソコンシステムに社名を変更した。また同社創業者の椎名堯慶は、1987年に同社を退社してプロサイドを設立している。
ソードのマシンの特筆すべき事項として、当時OSの概念すらなかった8Bitパソコンにおいて、任意のコマンドの組み合わせにより、独自のOSを構築する機能を有していた事があげられる。 これは、動作環境が一般にフロッピディスクベースであったため、極めて少ないメモリ空間で目的に合致したシステムを構築するための策として画期的であった。 また、一般にはプログラミング言語としてBASICが採用されていたが、その機能として、入力時の構文解析、多世代ソース管理など、現在のプログラミング環境と比べても遜色のない極めて高いものを有しており、一部の熱狂的な支持を得ていた。
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