タンク機関車
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タンク機関車とは、蒸気機関車の一種で水、石炭を機関車本体に積載する形態の機関車を指す。『きかんしゃトーマス』のトーマスもこのタイプである。タンク機関車の特長は、一部を除き小型のものが多く小回りが効く上、後部の視界も良くバック運転が容易であることからどの路線でも使用ができることである。欠点としては、燃料積載容量が少ないことから長距離運行には適さないほか、動輪上に直接水と燃料の重量がかかるため、水や燃料の残量が少なくなると軸重が落ちて牽引力が下がってしまうという欠点もある。
よって、短距離ローカル線や私鉄路線、産業用鉄道のように距離が短く、石炭と水をすぐに補給できる環境では広く用いられたが、国鉄の長距離輸送ではほとんど用いられなかった。
タンク機関車と反対に、水・石炭を別の車両(炭水車)に積載する形態のものをテンダー機関車という。過去には、テンダー機関車であっても側水槽を設置して、その重量を粘着性能向上に活用する例が、勾配線区用の機関車を中心に見られた。
水の積載方法については、次の5つがある。
- サドルタンク
- 水タンクが機関車中央のボイラーを跨ぐように設置されているタイプ。
- パニアタンク
- 2つの水タンクがボイラーを挟み込むように設置されているタイプ。
- サイドタンク
- パニアタンクに似ているが、水タンクが台枠上まで設置位置が下がっているタイプ。もっとも標準的な方式。
- リヤタンク
- 水タンクが運転室後部の石炭庫の下に設置されているタイプ。
- ウェルタンク
- 台枠を補強の上でその一部を仕切って箱状にし、水タンクに流用したタイプ。台枠強化と重心低下にメリットがある。ドイツのクラウス社が開発し、コッペルを筆頭とする欧州の小型機メーカー各社と、それを模倣した日本などのメーカー各社が小型機に多用した。なお、この方式について日本で一般に用いられている「ボトムタンク」は和製英語で、開発国であるドイツでは「ヴァッサーカステンラーメン(Wasserkastenrahmen:水タンク台枠)」と呼ぶ。
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