ダークスローン
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ダークスローン (Darkthrone) は、ノルウェーのブラックメタルバンド。バンド名はCeltic Frostの曲Jewel Throneに由来するといわれている。ファーストアルバムの時点ではデスメタルをプレイしていたが、セカンド以降現在に至るまで、ブラックメタルにカテゴライズされる作品をコンスタントにリリースし続けている。意図的な録音の質の低さと、反復の多いプリミティヴな楽曲が特徴で、その音楽性を評してプリミティヴ・ブラックメタルと呼ばれる事もある。
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[編集] メンバー
- Nocturno Culto - ボーカル、ギター、ベース (本名Ted Skjellum)
- 1988年にギタリストとして加入。『Soulside Journey』 よりボーカルを兼任するようになる。Dag Nilsenの脱退後は、ベースも担当。また、Satyriconの『Nemesis Divina』にサポート・ギタリストとして参加している。
- Fenriz - ドラム (本名Gylve Fenris Nagell)
- 結成当初からのメンバーで、当時はValhallというバンドでもドラムをプレイしていた。活動初期にはボーカルも担当している。1990年代前半には、Storm(ドラム・ボーカル)、Dodheimsgard(ベース・ボーカル)への参加、またサイドプロジェクトとしてNeptune Towers、Isengardをやっていた。DJ Ebolaの名前でオスロのDJイベントもやっている。『Total Death』を除けば、基本的に彼が歌詞を書いている。なお、ファーストアルバムのクレジットHank Amarilloは偽名。
- Zephyrous - リズムギター (1987-1995)
- 本名Ivar Enger。結成当初からのギタリスト。『Panzerfaust』以降はダークスローンへの関わりはない。
- Dag Nilsen - ベース (1987-1991)
- 結成当初のベーシスト。『A Blaze in the Northern Sky』のベーストラックを録音後、脱退する。
- Anders Risberget - セッション・ギター (1987-1988)
[編集] 歴史
1986年にノルウェー・コルボンにて、Leif NagellとAnders Risbergetの二人で結成、当初はBlack Deathと名乗っていた。1987年に名前をDarkthroneに改めデモ『Land of Frost』を録音、1988年にはTed Skjellumがギタリストとして加入する。その後デモ3枚を録音し、Peaceville Recordsとアルバム4枚のリリースを契約する。初のフルアルバムとなる『Soulside Journey』では、どちらかというとテクニカルなデスメタルをやっていたが、1991年頃にメイヘムのユーロニモスと出会ったことにより、インナーサークルに加入、続いて録音された『Goatlord』もブラックメタルに近いものになる。このアルバムはお蔵入りになってしまったが(後に再発)、1992年にリリースされた『A Blaze in the Northern Sky』は初期Bathoryに強く影響を受けた、速くプリミティヴで単調な、その後のダークスローンの方向を決定付けるものだった。またこの頃よりメンバーは名前を今のもの(Nocturno Culto、Fenriz、Zephyrous)に変え、コープスペイントを始める。
1992年にイギリスツアーをキャンセルして以来、彼らはライブを行うのをやめ、またインタビュー等でメディアに露出するのも避けるようになる。また1994年のアルバム『Transilvanian Hunger』のライナーノーツで、ユダヤ人を攻撃しているように見える表現があったため、物議を醸したが、次のアルバム『Panzerfaust』でFenrizが、ダークスローンがポリティカルなバンドである事を否定している。現在でもライブはまずやらないが、インタビューは頻繁に応えている。
続く2作『Under a Funeral Moon』、『Transilvanian Hunger』は前作の方向性をさらに発展させたもので、評価の高いこれらの作品は「三部作」と呼ばれる事もある。Peacevilleとの契約を満了したダークスローンは、SatyriconのSatyrのレーベルMoonfog Productionsに移籍し、計7枚のフルアルバムをリリースする。三部作以降の音楽性は、元からあったHellhammer/初期Celtic Frostの影響がますます強いものになり、ギターリフも以前ほどシンプルなものではなくなる。なお、『Under a Funeral Moon』から『Panzerfaust』までの三作はFenriz所有のスタジオNecrohell Studiosで録音が行われていたが、それ以降は使われていない。
2005年には古巣であるPeaceville傘下に自分たちのプロダクションTyrant Syndicate Productionsをつくり、今後はここからアルバムのリリースを続けていく予定。2006年に出たEP『Too Cold Too Old』はノルウェーのシングルチャートで11位を獲得している。
[編集] ディスコグラフィー
[編集] アルバム
- 1991 Soulside Journey
- 1992 A Blaze in the Northern Sky
- 1993 Under a Funeral Moon
- 1994 Transilvanian Hunger
- 1995 Panzerfaust
- 1996 Total Death
- 1996 Goatlord (未発表音源のCD化作品)
- 1999 Ravishing Grimness
- 2000 Preparing for War (ベストアルバム、2004年にDVD付きで再発)
- 2001 Plaguewielder
- 2003 Hate Them
- 2004 Sardonic Wrath
- 2006 The Cult is Alive
[編集] その他
- 1987 Land of Frost (デモ)
- 1988 A New Dimension (デモ)
- 1989 Thulcandra (デモ)
- 1990 Cromlech (デモ)
- 2006 Too Old Too Cold EP
- 2006 Forebyggende Krig 7"
[編集] トリビュート
- 1998 Darkthrone, Holy Darkthrone