テリブル級
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
テリブル (Terrible) 級は1880年代に造られたフランスの軍艦。
本級は戦艦の系列ではなく、沿岸防御用海防艦の発展系で、排水量も大型化した。フランス海軍の正式名称は「装甲海防艦(ガルド・コート・キュイラッセ)」である。当時、地中海で躍進する新興海洋国家イタリアの海軍が装甲艦デュイリオ級を起工しており、主砲はイギリスから技術貸与された45cm砲を積むという情報が入ってきており、対抗上42cmを前後に一基ずつ積む事となった。
目次 |
[編集] 艦形について
未だ将来のデザインの見えなかった戦艦と違い、本級は海防艦としての要求性能が定まっていたためにコンセプトがしっかり決まっていたので戦艦より纏まった艦となった。 平甲板型の船体から一段甲板が上がって、1875年型42cm(22口径)砲を露砲塔形式で一基、前部三脚檣の背後に箱型艦橋、並列に二本立てられた煙突、艦載艇置き場の左右に10cm(26口径)単装砲を二基ずつ計4基、後部艦橋、後部三脚檣、後部露砲塔を一基配置した。
[編集] 艦体について
高い乾舷をもつ戦艦と違って、海防戦艦の乾舷は低いのが通常で、本級も海面から甲板まで高さが約3mしかなかった。
[編集] 機関
ボイラーは円筒缶12個だが、「ルカン」のみ10個だった。これに、直立二段膨張式レシプロ機関2基2軸推進とした。公試において自然通風航走状態で出力6500ps、速力15ノットを発揮した。 燃料消費量から速力10ノットで航続距離は1750海里と計算された。
[編集] 要目
[編集] 竣工時
- 水線長: -m
- 全長: 87.3m
- 全幅: 17.8m
- 吃水: 7.3m
- 基準排水量: -トン
- 常備排水量: 7530トン
- 満載排水量: -トン
- 兵装
- 1875年型42cm(22口径)単装砲 2基
- 10cm(26口径)単装砲 4基
- 47mm回転式機銃 16基
- 35cm魚雷発射管 4基
- 機関: 石炭専焼缶12基(ルカンのみ10基)+直立二段膨張式レシプロ機関2基 2軸推進
- 最大出力: 6500hp
- 航続性能: 10ノット/1750海里
- 最大速力: 15ノット
- 装甲
- 舷側装甲: 300mm~500mm
- 甲板装甲: 100mm
- 主砲塔装甲: -mm(前盾)、-mm(側盾)、-mm(後盾)、-mm(天蓋)
- 副砲塔装甲: -mm(砲枠)、170mm(ケースメイト部)
- パーペット部: 450mm
- 司令塔: -mm
- 航空兵装: -機
- 乗員: 381名
- 同型艦: テリブル、カイマン、アンドンタブル、ルカン