デッドヒート
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デッドヒート(Dead heat)とは
デッドヒート(英題:Thunderbolt サンダーボルト、原題:霹靂火)とは、1995年に公開されたジャッキー・チェン主演の映画作品である。日本公開は1996年3月2日。東宝東和配給。日本公開版の上映時間は97分。
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[編集] ストーリー
日本の自動車メーカー(言うまでもなく三菱自動車)での研修を修了し、香港に帰国したジャッキー(ジャッキー・チェン)は、昼は父親のチューニングショップの手伝いをし、夜はハイウェイでの違法改造車の検問に協力する毎日を送っていた。ある日1台のスカイラインGT-Rが警察官をひき逃げし逃走、警官は死亡してしまう。数日後ひき逃げしたGT-Rの取締りの撤収途中、ガス欠になったFTOを救助中、ひき逃げしたGT-Rを運転するレーサーでありテロリストの黒幕であるクーガー(トースティン・ニッケル)が現われ、ジャッキーはテレビリポーターであるエイミー(アニタ・ユン)を乗せたままクーガーを追跡、カーチェイスの末犯人のクーガーを逮捕に追い込む。しかしその後クーガー一味が警察署を襲撃し、インターポールのキャノン(マイケル・ウォン)の反撃も空しくクーガーは脱獄してしまう。クーガーはその後修理工場をクレーンで破壊しジャッキーは負傷、クーガーは2人の妹を拉致して日本へ逃亡した。クーガーはジャッキーに「仙台ハイランドで決着を付けろ」と言い残し、ジャッキーに挑戦してきたのである。かくして、妹を誘拐されたショックとトラブルを抱えながらもクーガーとの対決の為、ジャッキーは日本へ向かうのだった。
[編集] 概要
- 大の車好きで知られるジャッキー・チェンの趣味が高じてジャッキーの盟友であるゴードン・チャンが筆頭となりカーレースを題材に製作された映画である。
- 特筆すべき点としては何と言っても車好きの度肝を抜く深夜のカーチェイスシーンや、日本ロケ(仙台)でのジャッキーアクション、加山雄三などの日本人俳優の起用、そして仙台ハイランドでのレースシーンであろう。特にレースシーンや検問シーンで使用された車はジャッキーが搭乗するランサーエボリューションⅢとGTO、RX-7やNSX、MR2、スープラなどをはじめ80台以上にも上る。
- レースシーンの一部はマレーシアで撮影されている。仙台ハイランドはサーキット故、路面のケアの関係で大規模な爆発や、クラッシュ等のカースタントができなかった。そこで、仙台での撮影終了後、撮影車両をマレーシアまで輸送し、仙台と似た風景の場所で爆発・カースタントのシーンを撮影した。
- しかしランサーエボリューションⅢはタイムアタック中横転炎上してしまう他、早回し主体の映像の上に、現実的にはありえないレース運び。更には、間違いなくレッドフラッグ級のクラッシュの多さ、そのクラッシュの不自然さ(クラッシュの果てジャンプした車がひっくり返って他の車種の屋根に乗っかるなど、リアリティにかけるクラッシュシーンの連続。挙句の果てクーガーの搭乗するレーシングモディファイが施されたGT-Rもジャッキーが搭乗するGTOに追突されて派手に吹き飛んで1回転して炎上するシーンもある)もあってファンからは賛否両論である。
- 作中香港のハイウェイを借り切ってランサーエボリューションⅢが疾走するシーンがあるが、映画公開時は香港返還前である為、香港総督を乗せたリムジンと接触しそうになるシーンがある。
- ラストで大量の白黒パトカーがコース内になだれ込むシーンがあるが、なぜか品川ナンバーで所属名も「警視庁」になっていた(仙台ならば宮城県警察となるのが自然)
[編集] 日本公開版
- 従来のジャッキー・チェン作品の日本公開版といえば、各国の公開版よりも尺が長いなどの長所が多かったのが特徴だが、本作に限っては逆にオリジナル版よりも約20分という大幅にカットされた短縮版で公開されている。
- 日本では2006年現在、ワーナー社が日本公開バージョンとノーカットバージョンの2枚組DVDを発売しているが、ノーカット版は画面サイズがスタンダードにトリミングされており(オリジナルはスコープサイズ)、完全なノーカット・ノートリミングのソフトは現時点で海外で発売されている商品でしか入手が不可能。
[編集] スタッフ
- 監督:ゴードン・チャン
- 製作:チュア・ラム
- 脚本:ゴードン・チャン チャン・ヒンカイ クォック・ワイ・チャン
- 字幕翻訳:岡田壮平
- 吹替翻訳:久保喜昭
- 音楽:梁邦彦