デリバリー
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デリバリー(DELIVERY)とは日本では主に「食事の配達・出前」のことを指す言葉である。 DERIVERYという英語には「配達・配信」などの意味の他に「出産」や「話し方」など複数の意味を有する名詞であるが、日本語でデリバリーといえば主に食事を自宅や会社まで配達してくれる業者や、その食品を指すことが多く「デリバリーする」などと言うように動詞としての機能も持つ。
[編集] 概要
今日多くの業者がデリバリー事業に乗り出しており、デリバリーの代名詞ピザを初め、イタリア料理、中華料理、お好み焼き、弁当、うどん、寿司に至るまで非常に幅広い。一般的にデリバリーという言葉はチェーン店で、ポスティングやインターネットでメニューを見て電話で注文する業者に使用されることが多く、うどんやラーメンといった、いわゆる近所の老舗のような店舗の場合は多くが出前と呼ばれる。しかし両者に違いは無い。店舗の人間が業務の一環として家・会社に持ってきてもらうのがデリバリーであり、自ら家・会社に持ち帰ったり業務員以外の場合はテイクアウトと呼ばれる。
主に都心部に全デリバリーチェーン店の90%以上が集中していることから、ある意味都会型のレストラン形式と言っても過言ではない。そのためデリバリー業務のみを行うピザチェーンなどは、地域に展開していなければその地域の住人はその業者の製品を食べることは出来ない。またデリバリーには配達圏内が指定されており大手であっても東京23区のようにムラ無く展開されていない場合は都心でも不可能になる。日本においてのデリバリーの歴史は浅く、20年ほど前に某ピザチェーン創業者が映画「E.T.」を見てアメリカのデリバリーを知り日本でも業務をスタートしたことに始まる。尚、うどん、ラーメンといった、いわゆる出前は江戸時代から存在している。
デリバリーは基本的に明確な住所(位置)が定まっており、注文する当人(またはグループの誰か一人)と通話可能な電話番号があれば例え公園であろうと路上であろうと、その場所を圏内とする店舗から商品を受け取ることが出来るが、受け取る場所(側)がデリバリーの商品を受け入れ無い場合は無理である(例:レストラン、ホテル、駅プラットホーム、スタジアム、パーキングエリアなど)。また省庁や公共機関、警備が厳重なマンション、ホテル、オフィスビルなどの場合は例え身分証明できる配達員であったとしても入館することが出来ないことがあるため、注文をする前に自身の住む(働く)建物に配達員が入って来ることが可能かを知らなければならない。また表札、インターホンなどが無い場合は到着時間が通常より伸びると考えてよい。彼らは携帯電話を常に持ち歩いているので「着いたら電話して欲しい」旨などを注文時に告げることも可能。
多くのデリバリー業者は一回注文のあった顧客の名前・電話番号・住所を控えているが個人情報保護法執行の為、原則として注文する人間が諸情報をもう一度言わなければならない。尚、顧客情報は厳重に管理されており、業務員であっても業務外に持ち出すことは堅く禁じられている。
[編集] 危険性
都心部においては小道や渋滞をスルーできる機能性を持つことから原動付自転車が使用されるが、郊外や冷涼な地域の場合は自動車が使用されることもある。なおアメリカ合衆国のデリバリーは多くが自動車である。デリバリーをする業務員(主にアルバイト)の事故発生率は非常に高く業務中の死者も出ている危険な仕事の一種でもある。原因としてピザのように食品の鮮度(熱さ)がものを言う商品のため必然的に急ぎ足になることや、悪天候時の走行などもあげられる。 以前は某ピザチェーンが「30分で届かない場合はタダです」というキャンペーンを打ったが、それにより業務員の焦りが募り交通事故を引き起こした為、現在は廃止され多くのデリバリーチェーンが「安全運転でお届けいたします」という逆のスタンスを取るようになった。悪天候時でも基本的に配達業務は行っており、業者自身もデリバリーの需要が高まる好機であるが安全性を考慮して台風、降雪などで走行が不可とされた場合は業務を中断している。また夜中などにお釣用の財布と、売上金の一部を持ち歩いていることから強盗被害も多発しており、店舗と違い単独で見知らぬ顧客の家に向かう為女性業務員に対するセクハラや暴力団関係の脅しなどの危険性も指摘されている。