トップクォーク
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トップクォークは +2/3 の電荷を持つ、第三世代のクォークである。1995年にフェルミ研究所の CDF実験及び D0実験で発見された。質量は 170 GeV 前後と推定されており、他のクォークよりもはるかに大きく、金原子とほぼ同じ実量である。
トップクォークは主に強い相互作用で他の粒子と相互作用するが、崩壊する場合は必ず弱い相互作用が関係し、ほぼ例外なく Wボソンとボトムクォークに崩壊する。標準理論によればトップクォークの寿命は 1×10−25秒程度であり、強い相互作用が働く時間の 1/20 である。そのためトップクォークはハドロンを生成せずに崩壊するため裸のクォークを観測するのに最も適している。
同じ第3三世代に属するボトムクォークが1977年に発見されてから、ボトムクォークと対になるクォークとして存在が予測され、観測が期待された。そして、質量が非常に大きいため、存在が確実視されながらも観測できない状態が約20年が続いたのち観測された。
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2006/12/27 12:23 UTC 英語版より翻訳。著者 SCZenz、Jgwacker ほか。