ニュートン算
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ニュートン算は、算数や数学の文章題の種類の一つ。速さや仕事に関する問題の応用ともいえる。
仕事算は、ある仕事を仕上げるための労働力(人数)とそれにかかる時間とが互いに反比例する関係にあり、これをもとにして解くものである。これに対してニュートン算では、仕事を片付けている間にも一定の速さで仕事を増やす(邪魔する)または減らす(協力する)作用が働いているため、単に反比例の考え方をもとにしては解くことができない。
例えば、部屋の掃除をするために1人が60分で終わるところを2人ですれば30分で終わる。また、10分で終わらせようと思えば6人の人手を準備すればよい。これが仕事算。
火災が発生したとする。火は時間がたつにつれてどんどん燃え広がる。消防士2人が30分かけて鎮火に成功することが分かっているとき、はじめから4人の消防士が消火にあたっていたら15分よりも早く鎮火に成功するであろう。また、はじめから消火活動をする消防士が1人しかいない場合、鎮火には60分より多くの時間がかかるはずである(「絶対に終わらない」という状況もあり得るが、中学受験の現場ではほとんど見られない)。この考え方を背景にしているのがニュートン算である。
具体的な題材として、水とポンプ・草と草食動物・チケット売り場と行列 などが用いられる。
また、ニュートン算、追いつき旅人算、上りの流水算が似ている。
これらは、いったんはばらばらに指導してもよいが、どこかで関連付けて指導することが望ましい。
[編集] ニュートン算の出典
ニュートンのArithmetica Universalis(1707)の次の記述が出典である。
- a1頭の牛はb1個の牧場の牧草をc1日で食べつくす。
- a2頭の牛はb2個の牧場の牧草をc2日で食べつくす。
- a3頭の牛はb3個の牧場の牧草をc3日で食べつくす。
- このとき、a1,a2,a3,b1,b2,b3,c1,c2,c3の間の関係はどうなるか。ただし、各牧場の牧草の量は等しく、また、各牧場の一日の生長量は一定、それぞれの牛が1日に食べる量も一定であるものとする。
[編集] ニュートン算の例題
□問題□
ある牧場では、300頭の牛を放牧すると10日で草がなくなり、600頭だと4日で草がなくなりま す。では、500頭の牛なら何日放牧できるでしょう。ただし、牛はみな1日に食べる草の量は同じで、草は毎日、一定の割合でのびるとします。
★解法★ 追いつき旅人算と見て、グラブで解いてみる。
4:(10-4)=□:(600-300)
とおくと、□=4×300÷6=200(頭)
10日を
200:(500-300)=200:200=1:1
に分けると5日
■答え■ 5日
《参考》