ヒルビリー・バップス
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ヒルビリー・バップス (HILLBILLY BOPS) は、1980年代の日本のロカビリーバンド。
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[編集] 概要
80年代中~後期、良質なロカビリーサウンドとしっかりとした演奏力、加えて忌野清志郎による提供シングルなどのポップな楽曲により、幅広い層で人気を獲得し、影響力も大きかったが、全国ツアー初日公演翌日の1988年3月29日、Vo.宮城宗典の死去により一時活動休止。その後、5月5日の追悼LAST・GIGを経て、2代目Vo.横山祐高を迎え再始動するが、1991年解散。3年弱という短い活動期間ではあったが、後世に与えた影響は大きく、現在でもTHE5TEARDROPSなどと並び、国内のロカビリーシーンにおいて熱烈なフォロワーは多い。
[編集] 来歴
1983年4月結成。元々はジョニー・バネット・トリオ等をカバーするロカビリーバンドだったが、彼らの確かな演奏力と楽曲のカヴァーセンスに加え、ボーカル宮城のアイドル性のルックスの効果もあってか、硬派、軟派の両方から支持され、インディーズ時代はライブハウスの動員記録を次々と塗り替えるほどに人気があったという。 各レコード会社争奪戦の上、1986年4月25日、シングル『微熱なキ・ブ・ン』でキティレコード(現キティエンタープライズ)よりメジャーデビューする。それまでのハードなイメージを、レコード会社の判断でデビュー時は、リーゼントを下ろし、衣装もポップな感じにして、撮影ではニコニコ歯を見せて笑う、どちらかといえばアイドルグループとも見えるような形でスタートした。その頃の宮城は忌野清志郎と出会い、「俺らのソウルブラザー」と呼ばれる程に可愛がられ、セカンドシングル『バカンス』を清志郎に書き下ろしてもらう。同年10月にはデビュー半年目でテレビ朝日の深夜枠『まんまとアイドル』(1988年4月までの2クールオンエア)のレギュラーを獲得した。
メジャーデビュー2年目の1987年はレコーディング、全国ライブ、テレビ出演、映画出演(松本隆原作の『微熱少年』に宮城が出演)、地方キャンペーンと休む暇のない1年だった。10月からは、前年度放送された彼らの主演バラエティ番組が好評だったため、同じテレビ朝日で新番組『ヒルビリー・ザ・キッド』(1988年3月までの2クール)の放送が始まる。
この時期(9月~12月)の彼らのスケジュールを見てみると毎週収録のテレビ、レコーディング3回、全国7ヶ所の学園祭出演、5本のワンマンライブ、『ミュージックステーション』(ANB)『オールナイトフジ』(CX)といった全10本のテレビラジオ収録、東名阪札の地方キャンペーン、そして大晦日には『ロックンロールバンドスタンド』出演と、まさに殺人的なスケジュールを精力的にこなしている。
このすさまじい活動のおかげか、翌1988年早々に売り出した春の全国ツアーのチケットは最短5時間で完売。この人気に応えるべく、グループは急遽ミニアルバム(3月25日発売)のレコーディングに入り、約4週間で完成させてしまう。しかし全国ツアー初日(3月28日、日清パワーステーション)の翌日、ボーカルの宮城宗典が自殺。原因は未だ不明。予定されていた残りのツアーは全てキャンセル。3月31日に放送された主演テレビ番組『ヒルビリー・ザ・キッド』(3月5日に収録されたもの)は何の変更もなく放映し、番組の最後に「宮城君の愛した音楽は永遠に残ります」のテロップが映し出され、最終回は終了した。深夜にも関わらず5.5%の視聴率を記録。同年5月5日には日比谷野音で追悼ライブが行われた。出演者は忌野清志郎、仲井戸麗市、BARBEE BOYSの杏子、エンリケ、MOJO-CLUB、レピッシュのMAGUMI、元C-C-Bの関口誠人他。会場に入りきれなかったファンが1万人以上いた。
[編集] メンバー
- Vo. - 宮城宗典(1965年1月8日 - 1988年3月29日、O型)
- 2代目Vo. - 横山裕高
- G. - 平野哲也(1962年5月5日 - 、B型)
- Sax. - 樋口雅紀(1962年9月30日 - 、B型。宮城宗典の自殺後、第2期には参加せず脱退)
- B. - 川上剛(1961年9月18日 - 、A型。
- Dr. - 佐藤悦也(1986/8/31脱退)
- 2代目Dr. - 小西竜太郎(1964年12月20日 - 、B型)
- Key. - ライオンメリー(初代はサポート、横山Vo期より正式参加)
[編集] ディスコグラフィ
- シングル
- 『微熱なキ・ブ・ン』(1986/4/25)
- 『バカンス』(1986/7/25)
- 『激的バーニング・ラブ』(1986/10/25)
- 『ビシバシ純情!』(1987/2/25)
- 『僕たちのピリオド』(1987/5/25)
- 『真夜中をつっぱしれ』(1987/10/25)
- アルバム
- 『TEAR IT UP』(1986/11/25)
- 『HILLBILLY THE KID~DOWN THE LINE』(1987/11/20)
- 『PUBLIC MENU』(1988/3/25)
- 活動停止後の発売
- 『HILLBILLY BOPS』(1988/9/1、ベストアルバム)
- 『BOP BEST BOPS』(1995/3/25、ベストアルバム)
- 再発&リリース
- 『TEAR IT UP』・『HILLBILLY THE KID~DOWN THE LINE』・『PUBLIC MENU』(1998/4/1再発売)
- 『EARLY DAYS』(1998/4/1)
- 『Legend HILLBILLY BOPS SINGLE COLLECTION PLUS 1986~1988』(1998/4/9)