ファッションモデル
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ファッションモデル(fashion model)とはファッション雑誌や広告(宝石やファッションブランドなど)、アパレルカタログの被写体になったり、ファッションショーで衣服を着せられステージに立つモデルである。
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[編集] 種類
- ファッションモデルには、大きく分けて以下の三種類がある。
- ハイファッション:ファッションショーの出演や、ファッション雑誌のメインページ、有名ブランドの広告キャンペーンなど。
- コマーシャル:アパレル会社のカタログやパンフレット、広告、ウェブサイトなど。
- パーツ:首まわり、指先、脚など部分撮り専門のモデル。身体の一部分に飛び抜けた魅力が要求される。 俗に「手タレ」などと呼ばれる。
[編集] 概要
雇用形態にはモデル事務所への所属や、ファッション雑誌の専属などがある(専属モデル(せんぞくもでる))。ファッションモデル業界は世代交代が激しい為、ファッションモデルの寿命は5年から長くて10年程度だと言われており、その後は俳優への転身をはかる場合が多い。だがケイト・モスの様に10年以上もカリスマ性を放ち、スーパーモデルとして活躍するモデルも稀に存在する。
また日本のファッション雑誌では、1990年代以降、ストリートの流行をすばやくキャッチし制作コストを下げる目的もあって、ストリート系のファッション誌を中心に、プロのモデルではなく街頭スナップや読者モデルを多く取り入れるようにしている。このためモデルは出演料の低下に悩むことになり、プロフェッショナルモデルの減少に繋がった。
ファッションモデルは、高身長で頭部が小さく痩身というイメージがあるが、プロポーションがよければ広告や雑誌などではとくに高身長は要求されない。一方、ファッションショ ーはライブで行われるため、カメラでの細工は不可能で遠くから見ても存在感が必要になり、観客にインパクトを与えなくてはならない。そのため、日本では女性で身長170センチ以上(海外ブランドでは175センチ以上とも)、男性で 180センチ以上が必要といわれる。また、カタログでも全身を写すため高身長のほうがよいといわれる。
なお、パーツモデルの場合は身体の一部分にのみ突出した美しさが要求され、身長やプロポーションは問われない。代わりに傷がついたり怪我をすると、モデルとしての価値が無くなってしまうため、日常生活に細心の注意を払っている。「手タレ」「足タレ」などという呼称は彼、彼女らがタレントではなくモデルであることから、ふさわしい呼称とは言い難く、本人達も嫌忌する傾向がある。
[編集] 「痩せ過ぎモデル」に関する出来事
事の発端となったのは、同年11月にブラジル人スーパーモデルのアナ・キャロリーナ・レストンがストレスによる拒食症が原因で、死亡した事を受けて、スペイン、イタリア政府が2006年12月に、「やせ過ぎモデルは、少女達に異なった思考を植え付ける。」とBMIが18以下のファッションモデルのファッションショー出演を禁止した事である。アナの死により痩せすぎが原因で死亡したモデル達が次々に発覚し、「痩せ過ぎ=不健康」という指摘が強まった。
痩せ過ぎているモデルのファッションショー出演禁止に賛成意見ばかりではなく、出演するモデル達の間でも賛否両論である。また、生まれつき太りにくく痩せているモデルもいることから、全ても規制することは難しく、基準を作ったとしても、痩せ過ぎ自体がすぐに改善されるわけではないという声が多い。
[編集] 各国の反応と対応
- イタリア
- 16歳以下のモデルはファッションショーの出演禁止。
- BMI値が18以下のモデルは出演禁止。
- モデルは事前に健康診断書を提出しなければならない。
- 最終判断は医師に任す。
- 10代~80歳までの女性8000人のサイズを測定し、「平均サイズ」の見直しを行った。
- アメリカ
- アメリカで活躍していたアナ・キャロリーナ・レストンが死亡した際に取り上げられた。大きなファッション市場を持つ国の1つであるが、規制はまだされていない模様。
- 日本
- 日本が摂食障害の人が多い国であるという点から見ると、まだまだ「痩せている=美しい」という考えが根強いと思われる。その為にも、モデル達への対応が必要なのだが、今は各デザイナーに判断が任されており、厳密な基準は定まっていない。日本でも痩せ過ぎモデルに関するニュースは大々的に取り上げられているが、それが視聴者、ファッション業界に直接影響を与えているとはいえない。
[編集] 用語・その他
- BOOK(ブック)
- 個人写真帖のこと。自身が出演した雑誌のページに切り抜きなどを入れるもので、世界中のファッションモデルが持っている、ファッションモデルの常識中の常識である。自身がどのようなセンス、能力を持っているのか第三者に知ってもらう履歴書の様な役割があったり、ポーズの研究などにも使用する為、仕事の際は常に持ち歩いているほど、非常に重要なものである。
- スーパーモデル
- 世界的に有名なファッションショーに出演し、世界的に知名度、人気を得るモデルのこと。日本ではカリスマモデルと呼ばれる事が多い。私服は勿論、言動、私生活まで関心を集め、時にその言動は社会現象を起す。アメリカでは1990年代にスーパーモデルブームが起り、数々の人気モデルが輩出された。
[編集] 文献
- トップモデル きれいな女の汚い商売 マイケル・グロス 吉澤康子訳 文春文庫