フランツ・マルク
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フランツ・マルク(Franz Marc, 1880年2月8日 - 1916年3月4日)は、20世紀初期のドイツの画家。
カンディンスキーとともに、ドイツ表現主義のグループである青騎士の中心メンバー。その作品は、馬、牛、猿、鹿、ロバ、狐、虎などの動物や森を主たる対象とした、極めて色彩にあふれた作品である。しかも、その色彩は、現実の色彩からかけ離れていることも多く、例えば、青い馬を描いた作品などは、マルク本人の死後のことであるが、自分自身古典的な作風の絵を書いていたことのあるヒトラーから、「青い馬などいるはずがない」と、「退廃芸術」作品と決め付けられた、という逸話も残っている。
晩年には、カンディンスキーと同様に、作品の抽象化が進み、1914年の作品、「チロル (Tyrol)」([1])や「戦う形・せめぎあう形 (Fighting Forms)」([2])などは、具象を残しながらも、カンディンスキーと同系統の抽象絵画といっていいような作品に仕上がっている。
第一次世界大戦に出征し、36歳の若さで命を落とした。
[編集] 代表作
- 小さな黄色の馬(1912)(シュトゥットガルト美術館)
- 虎(1912)(ミュンヒェン、レンバッハハウス美術館)
[編集] 日本における主要な展覧会
残念ながら、日本においては、本格的な回顧展が今までなされたことはない。