レンバッハハウス美術館
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レンバッハハウス美術館 (Städtische Galerie im Lenbachhaus) は、ドイツのミュンヘンにある美術館である。カンディンスキーをはじめとする「青騎士」派の画家たちの作品を多く収蔵することで知られる。日本語では「レンバッハハウス市立美術館」「レンバッハ美術館」などとも表記される。
19世紀のドイツで活動した肖像画家・美術収集家で、侯爵であったレンバッハ(Franz von Lenbach,1836年-1904年)の邸宅兼アトリエを改装した美術館である。美術館の建物はレンバッハの好んだイタリア・ルネサンス風の様式で、1889年、ガブリエル・フォン・ザイドルの設計で建てられた。1925年にミュンヘン市の所有となっている。建物は美術館用途に改装されているが、レンバッハ自身の作品が展示されている、庭に面した部屋には邸宅だった当時の雰囲気が残されている。当館には『ビスマルク像』(1890年)など、レンバッハ自身の作品も収蔵されているが、当館を国際的に有名にしているのは、カンディンスキーなどの「青騎士」派の画家たちの作品のコレクションである。
抽象絵画の父として知られるカンディンスキーはロシアの出身で、当初法律学者を目指していたが、のち画家に転じ、ドイツに移住した。1896年よりミュンヘンおよび郊外のムルナウを拠点として制作を続けた。「青騎士」(デア・ブラウエ・ライター)は1911年、カンディンスキーとフランツ・マルクが中心となって結成した前衛美術家のグループで、その後の20世紀の美術に多大な影響を与えている。この派に属する画家としては、他にアウグスト・マッケ(August Macke,1887年-1914年)、アレクセイ・フォン・ヤウレンスキー(Alexej von Jawlensky,1864年-1942年)、カンディンスキーの女友達であったガブリエーレ・ミュンター(Gabriele Münter,1877年-1962年)などがいる。
第二次世界大戦後の1957年、ガブリエーレ・ミュンターにより、200点を越すカンディンスキー作品を含む「青騎士」派の絵画多数が寄贈された。レンバッハハウス美術館は、こうした収蔵品の展示のほか、ミュンヘン市立美術館としてさまざまなテーマの特別展を積極的に開催していることでも知られている。