ブタン
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ブタン | |
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IUPAC名 | Butane |
別名 | n-ブタン |
分子式 | C4H10 |
分子量 | 58.12 g/mol |
CAS登録番号 | [106-97-8] |
形状 | 無色気体(常温常圧) |
密度と相 | 0.6 g/cm3, |
相対蒸気密度 | 2.1(空気 = 1) |
融点 | −138 °C |
沸点 | −0.5 °C |
SMILES | CCCC |
出典 | 国際化学物質安全性カード |
ブタン (butane, CH3-CH2-CH2-CH3) は、炭化水素の一種で、炭素4個が直鎖状に連なったアルカンである。n-ブタンとも呼ばれる。無色であり、常温・常圧で気体である。構造異性体としてイソブタン(2-メチルプロパン、iso-ブタン)があり、これらは異性体を持つアルカンでは最も小さい。可燃性物質であり、圧縮して液化した状態で運搬、利用される。天然には、石油や天然ガスの中に存在する。
n-ブタンの爆発限界は 1.9~8.5vol%(空気中)。
[編集] 反応と利用
十分な酸素がある場合、ブタンは燃焼により二酸化炭素と水を生成する。酸素が不足した場合は不完全燃焼が起こり、すすや一酸化炭素もともに生成してくる。
n-ブタンは無水マレイン酸生産の原料となる(下式)。この反応にはシリカゲルに担持されたリン酸バナジウムが触媒として利用される[1] 。
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- CH3CH2CH2CH3 + 3.5 O2 → C2H2(CO)2O + 4 H2O
ブタンは他の炭化水素と同じく、フリーラジカル的な塩素化反応により 1-クロロブタンと 2-クロロブタンなどを始めとする、多くの塩素化物に変わる。生成物の比率は2種類の C-H 結合の結合解離エネルギーの違いにより説明することができる。それぞれ末端炭素、内部炭素についての結合解離エネルギーはそれぞれ 425、411 kJ/mol であり、内部炭素の C-H 結合の方がわずかに弱く、解裂しやすい[2]。
ブタンは調理用、キャンプ用などの手軽に利用可能なカセットコンロの燃料としてガス缶が市販されている。またガソリン中にも含まれている他、石油化学における蒸気クラッキングの原料、ライターの燃料、エアロゾルスプレーの噴射剤等として用いられる。可燃性であるにもかかわらず、純粋なブタンをジクロロジフルオロメタンなどのフロンガスの代わりに冷却材として自動車に用いるという提案もある。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- ^ Coulston, G. W.; Bare, S. R.; Kung, H.; Birkeland, K.; Bethke, G. K.; Harlow, R.; Herron, N.; Lee, P. L. "The Kinetic Significance of V5+ in n-Butane Oxidation Catalyzed by Vanadium Phosphates" Science 1997, 275, 191 - 193. DOI: 10.1126/science.275.5297.191
- ^ Bond dissociation energies: Senosiain, J. P.; Han, J. H.; Musgrave, C. B.; Golden, D. M. Faraday Discussions 2001, 119, 173 - 189.