ブラウンアンテナ
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ブラウンアンテナ(Brown antenna)とは、アンテナの一種である。グラウンドプレーンアンテナ(groundplane antenna)、またはその頭文字からGPとも呼ばれる。
アメリカRCA社のG.Brownが警察無線のために初めて実用化した。(このためブラウンアンテナと呼ばれる。)
水平面内に無指向性を持つことから、基地局、移動局、アマチュア局等、HFからUHFにおいて不特定多数の無線局間で通信を行う用途に用いられる。偏波は垂直偏波である。
基本構造は、1/4波長の1本の垂直エレメントと、その下部から放射状に広がる数本の1/4波長のラジアルから構成されている。原理上は、1/4波長接地型垂直アンテナにおける大地の代用として、ラジアルを設置したものと考えることができる。インピーダンスが約37Ωの不平衡アンテナであり、50Ω系の同軸ケーブルを用いて直接給電できる。垂直方向にはある角度で放射が最大となり、打ち上げ角と呼ばれる。構造が簡単で、アンテナ自身が大地面(groundplane)を持つため、設置の自由度が高い。
発展形として、エレメント、ラジアルの物理的な長さを短縮コイルを用いて短縮したもの、コイルとコンデンサによる共振回路を内蔵していくつかの異なる周波数で共用できるものなどがある。ラジアルが1本のものはダイポールアンテナの中心角と向きを変えたものと解釈でき、もはや不平衡アンテナとは言えないためバランが必要となり、偏波は水平と垂直の中間になる。ラジアルを傾斜させてインピーダンスを50Ωにしたものもある。さらに極端に傾斜させたアンテナが市販されているが、これは、スリーブアンテナの円筒部分を線に置き換えたものと解釈できる。UHFにおいては、垂直エレメントを多段に積み重ね、利得の向上を図ることが多い(コリニアアレイアンテナ)。まれに、八木・宇田アンテナの放射器として使われることもある。また、数本のブラウンアンテナに位相差給電することで指向性を持たせたものもあり、八木・宇田アンテナなどとは違ってアンテナ自体を回転させなくても指向特性を変えることができる。
自動車に取り付けるアンテナ(モービルアンテナ)はラジアルが無く、代わりに自動車の車体を電気的に接続するようになっている。車体との電気的な接続を不要としている(アンテナ単体で動作する)ノンラジアル設計の製品もある。
アマチュア局の開局手続きにおける送信空中線の形式では、28MHz以上では単一型、24MHz以下では垂直型と表記される。実際の形状はどちらも同じである。
[編集] 関連項目
- スリーブアンテナ
- コーリニアアレイアンテナ
- ディスコーンアンテナ