プルキニェ現象
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
プルキニェ現象(Purkinje Phenomenon、Purkinje effect、プルキニエ現象とも言う。)は19世紀のチェコの生理学者ヤン・エヴァンゲリスタ・プルキニェが解明したことから名付けられた。
人間の目の働きの現象である。色は網膜の視細胞で感知しているが、明るい場所では赤が鮮やかに遠くまで見え、青は黒ずんで見える。一方、暗い場所では青が鮮やかに遠くまで見えるのに対して、赤は黒ずんで見える。これは、桿体と呼ばれる視細胞の働きによるもので、人の目は暗くなるほど青い色に敏感になる。
千利休が浅葱(浅黄)色(うっすらと緑が混じった水色)の足袋を穿いていたのは薄暗い茶室での色彩のバランスをとるためと言われており、プルキニェ現象に気づいていたのではないかと思われる。
プルキニェ現象による心理的影響として、夕暮時は人間の心理が不安定になりやすくなり、統計学上でもこの時間帯に衝動買いする人が多いと言われる。
防犯のために活用する動きも見られる。奈良県警はイギリスのグラスゴーの防犯対策に倣い(ただし、グラスゴーでは当初景観改善のために導入された)、奈良市で青色街路灯を導入し一定の効果をあげたため、奈良市以外でも天理市、生駒市など県北部の都市を中心に導入を進めており、全国的に注目を集めている。