ベールイ・ドーム
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ベールイ・ドーム (Белый дом) は、ロシアの首都モスクワにある建築物。ロシア政府庁舎であり、旧ソ連時代には、ロシア共和国人民代議員大会と最高会議が入っていたため、ロシア最高会議ビルとして知られた。ホワイトハウスとも呼ばれる。Белый домは「白い建物」という意味で、本来はアメリカ大統領官邸のホワイトハウスのことである。
1991年ソ連8月クーデターでは、国家非常事態委員会に対抗したエリツィンらが立て籠もり、ゴルバチョフの救出を要求し、自ら戦車の上で演説し、市民に対して国家非常事態委員会に反対し、ゼネストを呼掛けた。エリツィンに呼応する形で、クーデターに反対する市民は、ホワイトハウスに続々と終結し、建物の周辺にバリケードを構築した。クーデターは失敗し、エリツィンは、ホワイトハウス前でクーデターに対し勝利宣言し、これには市民20万人が参加した。
ソ連崩壊後、引き続きロシア最高会議ビルとして使用されていたが、エリツィン大統領とアレクサンドル・ルツコイ副大統領、ルスラン・ハズブラートフ最高会議議長ら保守派との間の対立が激化し、1993年反エリツィン陣営は最高会議ビルに立て籠もった。エリツィンが、かつて立て籠もった最高会議ビルは、反対派の牙城となり、エリツィン側が攻撃するという皮肉な構図となった。エリツィンは、戦車部隊に命じ、最高会議ビルを砲撃し鎮圧した(モスクワ騒乱事件)。
事件後、改修されロシア政府の行政庁舎となった。