ボアストローク比
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ボアストローク比とは、レシプロエンジンにおけるボアとストロークの比率のことでストロークをボアで割った値である。
値が1より小さいものはショートストロークまたはオーバースクエア、1より大きいものはロングストローク、1のものはスクエアと呼ばれる。多くのガソリンエンジンでは、ボア・ストローク比は1近傍に設定されるか、ややロングストロークに設定される。一部の高性能スポーツカー用エンジンやレース用エンジンではショートストロークに設定され、F1用のエンジンでは0.5近くと極端にショートストロークに設定され、極限の高回転性能を実現している。また舶用の大型2ストロークディーゼルエンジンでは4付近と大幅なロングストロークとなっている。これは燃費性能を最重視したためである。
一般的にショートストロークではコンパクトな燃焼室を実現しにくく、低速での燃費性能は悪化するが高回転高出力化に向く。ロングストロークでは燃焼室がコンパクトになり実用燃費に有利になるが高回転化が難しいとされる。しかしながら一部のメーカーでは平均ピストンスピードを上げることによりロングストロークにも関わらず高回転化を実現している例もある。