ボレリー彗星
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彗星 周期彗星の一覧 / 非周期彗星の一覧 |
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発見 | |
発見者 | アルフォンス・ボレリー |
発見日 | 1904年12月28日 |
符号・別名 | 19P/1904 Y2 = 1905 II = 1904e = 19P/1911 S1 = 1911 VIII = 1911e = 1918 IV = 1918c = 1925 VIII = 1925f = 1932 IV = 1932i = 1953 IV = 1954b = 1960 V = 1960k = 1967 VIII = 1967m = 1974 VII = 1973m = 1981 IV = 1980i = 1987 XXXIII = 1987p = 1994 XXX = 1994l |
軌道要素 - IAUNASA | |
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離心率 (e) | 0.6238933 |
近日点距離 (q) | 1.3581999 AU |
軌道長半径 (a) | 3.6112091 AU |
遠日点距離 (Q) | 5.8642183 AU |
公転周期 (P) | 6.862 年 |
軌道傾斜角 (i) | 30.32468° |
近日点引数 (ω) | 353.37529° |
昇交点黄経 (Ω) | 75.42484° |
前回近日点通過 | 2001年9月14日 |
次回近日点通過 | 2008年7月22日 |
ボレリー彗星(―すいせい、19P/Borrelly)は、1904年にアルフォンス・ボレリーが発見した、公転周期6.8年の周期彗星である。2001年、宇宙機ディープスペース1が接近し、核を撮影した。
目次 |
[編集] 発見
ボレリー彗星は、1904年12月18日、フランス・マルセイユのアルフォンス・ボレリーが、定例の捜索で発見した。
[編集] 核の性質
核は直径8 km×4 kmである。アルベドは3%で、きわめて黒い。表面に水が検出されなかったことからも、表面はススのような炭素で覆われているようである。大きなクレーターはないので、表面は若いと考えられる。
[編集] ディープスペース1
1998年10月24日(UTC)、アメリカ航空宇宙局 (NASA) は宇宙機ディープスペース1 (DS1) を打ち上げた。DS1の主な任務は、イオンエンジン、自動航法など12の新技術の実地試験で、その間、1999年7月29日には小惑星(9969) ブライユにフライバイした。DS1の当初の任務は1999年9月18日に終了した。
DS1は延長任務としてウィルソン・ハリントン彗星 (107P)に向かっていて、2001年3月にフライバイする予定だった。しかし、1999年11月11日に恒星追跡装置が故障して到達できなくなったため、2000年7月、目標はボレリー彗星に変更された。
2001年9月22日、DS1は、ボレリー彗星から2171 km以内の距離を速度16.5 km/sでフライバイした。彗星探査を想定した設計ではないため、ダストとの衝突などが心配されたが、無事、核の撮影などに成功した。彗星核の撮影は、ヨーロッパ宇宙機関 (ESA) のジオットのハレー彗星探査以来の、史上2回目である。
DS1はまだ活動可能だったが、2001年12月18日、機能を停止させられた。
[編集] 参考文献
- Gary W. Krone, "19P/Borrelly", Cometography.com
- 国立天文台 「ボレリー彗星は太陽系で一番黒っぽい天体だった」AstroArts
- 横浜こども科学館 /(財)横浜市青少年育成協会 「宇宙・天文ニュース(つづき)」 宇宙天文ニュース
- 吉田誠一 「ボレリー周期彗星」彗星カタログ
[編集] 外部リンク
- "Deep Space 1" - NASA/JPLによるディープスペース1公式サイト