ポット
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ポット (英: pot) とは、壷や甕などの液体を溜めるための容器で、底広である程度の容積を持つものを意味する語であり、保温・加熱の機構が加えられた魔法瓶・電気ポット、他には植物を育てるための小型の植木鉢なども指し示す。
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[編集] ポットと呼ばれる壷や瓶
[編集] 植物用ポット
英語圏では栽培用植木鉢を flowerpot, plantpot, planter 等と呼び、装飾用の植木鉢を cachepot, jardiniere 等と呼ぶが、一般に明確に区別されるわけではなく、更に装飾用植木鉢を花瓶として使うことも少なくない。従って装飾用植木鉢には排水のための孔がないことも多い。
日本における農業用語としての、「プラントポット」は、一般的に小型の簡易な育苗用植木鉢といったものを指し、塩化ビニル樹脂やプラスチックなどの安価な材料を使用することが多い。ポットの中には多くの場合、土を肥料など一緒に入れたあとに、育てたい植物の種子を植える。種子を発芽させ、ある程度根が育つまでの段階をポットで行う。ポットである程度生長した段階で畑や庭、もしくはさらに大きな植木鉢に植え替え、そこから更に育てていく。
農作物や花などをポットを使用せずにいきなり広大な田畑で栽培をすると、発芽した際に雑草と一緒に刈り取ってしまうおそれがあることや、水やりに多くの労働力が必要になる。しかしポットを使用することで面積を必要とせず、集中的に水遣りなどの管理ができるだけでなく、苗をそのまま商品として市場に流通させる際、安価で理想的な形状のために都合が良い。
詳しくは植木鉢を参照。
[編集] ティーポット
茶葉から茶液を抽出し、またそれを一時的に保存しておく、注ぎ口と把手、蓋を備えた容器をティーポットという。日本では紅茶用のものをさすことが多いが、厳密なものではなく、また英語では日本の急須や中国の茶壺も当然 teapot である。またコーヒー液を容れておくものをコーヒーポット、ココア用のものをチョコレートポットとも呼ぶ。これらは取っ手が注ぎ口の対面についているのが特徴で、喫茶の習慣と共に西洋に伝播した中国の茶壺(日本でいう急須)の基本的な形状をそのまま伝承している。磁器や銀でできたものが多く(陶器製のものは比較的少ない)、工芸品として観賞に堪えるものも多く、また透明なガラスでできていて内部が透けて見えるもの等もあり、食卓を彩る楽しみを添えている。保温したいときは、ティーコゼーを使う。西洋のティーポットは6客用の容量を持つものが多い。砂糖入れ、クリーム入れと合わせた三点セットを「ティーサーヴィス」と呼ぶ。
3次元CGにおいて、ティーポットのモデルがしばしば使われる。 このデータはアメリカのユタ大学で測定されたもので"Utah teapot"と呼ばれる。
参考リンク: Brief History of The Utah Teapot.
[編集] 保温器具
断熱構造をもった魔法瓶や電気ヒーターを備えた電気ポットがある。各項目を参照されたい。