マイケル・オクダ
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マイケル・オクダ(Michael Okuda)はグラフィックデザイナーであり、米国のSFドラマシリーズ『スタートレック』のスタッフとして知られている。
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[編集] 主な仕事
1986年の映画『スタートレックIV 故郷への長い道』に登場する宇宙船U.S.S.エンタープライズ(NCC-1701A)のブリッジコンピュータの画面をデザインした。
1987年に始まった『新スタートレック』では背景美術としてセットや小道具のデザインの細部を作り込んだ。彼の仕事として最も知られているものは、"LCARS"(Library Computer Access and Retrieval Systemの略。「エルカース」と読む)と呼ばれるコンピュータシステムのデザインで、U.S.S.エンタープライズ(NCC-1701D)をはじめとする惑星連邦の艦船に採用されている。これらオクダ氏がデザインしたコンピュータパネル(惑星連邦船のみならず異星人の船のコンソール含む)はファンから「オクダグラム」(okudagrams)とも呼ばれている。
オクダはまたリック・スターンバックとともにスタートレックの技術コンサルタントも務めており、スタートレックにおいて転送装置やワープなどの科学技術をどのように使用すべきかを脚本家にアドバイスしている。これらはテクニカルマニュアルとしてまとめられ、脚本家にとってバイブルとなっている。このマニュアルは後に「スタートレック:ネクストジェネレーション テクニカルマニュアル」としてポケットブックスより一般にも発売されている。彼はまた、妻のデニス・オクダと共著でスタートレック関連書籍を出版している。
オクダは『スタートレック:エンタープライズ』が2005年に打ち切られた後もパラマウントスタジオで働き続けている。また、テレビシリーズが製作されている間、劇場版スタートレックの製作にも携わっていた。 現在はオリジナルの『宇宙大作戦』をデジタルリマスター化する作業を行っている。
彼はある質問にこんな答えをしている。「ハイゼンベルク補正器ってどうやって動作しているんでしょう?」「問題なく動作しているんだから気にしなくてもいいだろう。」
『バビロン5』のエピソード「謎の生体兵器」では、コンピュータのスキャン画面に「オクダジン」(Okudazin)が表示されていた。これは多分オクダにちなんだものと思われる。
オクダはスタートレックの製作に残っている。オクダ夫妻はスタートレックシリーズの DVD-BOX において、10 話にテロップ解説を加えている。オクダはオンラインゲーム開発・運営会社 Perpetual Entertainment の「スタートレック オンライン」という多人数同時参加型のオンラインロールプレイングゲームの顧問も務めている。
また、オクダは NASA の新オリオン計画のロゴもデザインしている。その2006年8月26日に公開されたデザインは、人類が月に帰るというものである。
[編集] 著書
- Okuda, Michael; & Sternbach, Rick (1991). Star Trek: The Next Generation Technical Manual. Pocket Books. ISBN 0-671-70427-3.
- Okuda, Denise; Okuda, Michael; & Mirek, Debbie (1999). The Star Trek Encyclopedia. Pocket Books. ISBN 0-671-53609-5.
- Okuda, Denise; & Okuda, Michael (1996). Star Trek Chronology: The History of the Future. Pocket Books. ISBN 0-671-53610-9.
[編集] 邦訳
- スタートレックエンサイクロペディア (The Star Trek Encyclopedia)
- 上牧弥生(ほか)訳、ジャパン・ミックス、1998年、ISBN 4-88321-431-1
- スタートレックエンサイクロペディア 完全日本語版 スタートレックBOOKスペシャル (The Star Trek Encyclopedia)
- ダイエックス出版、2003年、ISBN 4-8125-1872-5