マクガフィン
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マクガフィン(MacGuffin, McGuffin) とは、映画(スリラー・サスペンス物に多い)などの作劇上で、登場人物への動機付けや話を進めるために用いられる、仕掛けのひとつである。 作品の登場人物は非常に重要なものだと考えているにも関わらず、観客にはほとんど説明されなかったり、説明されたとしても価値が疑わしいような「なにか」のことである。
マクガフィンという言葉はアルフレッド・ヒッチコックによって考案されたとされる。
「あの棚の上の荷物は何だ」と聞く。
もう一人が答えて「マクガフィンさ」
「何だそれは」
「スコットランドでライオンを捕まえる道具さ」
「スコットランドにはライオンはいないだろ」
「じゃ、あれはマクガフィンじゃないな」
[編集] ヒッチコック作品の中のマクガフィン
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
『汚名』-'Notorious'(1946) の中で言及される「ウラニウムが隠されたワインボトル」はマクガフィンである。ストーリーの出だし、プロットの方向付けを担っている。ストーリー上、ウラニウムがダイヤモンドであったとしても容易に置き換えが可能である。また金塊であったり貴重なワインであっても構わない。
『北北西に進路を取れ』-'North by Northwest'(1959) はヒッチコック作品のなかでも、もっとも印象深いマクガフィンの使い方をしている。この映画の中では、マクガフィンはある秘密の情報であり、ロジャー・ソーンヒル(ケーリー・グラント)はその秘密を知る男と間違えられ、命を狙われる。ソーンヒルは真相を知るため冒険を開始するのだが、結局わかったのはその男が存在しないことだけだった。主人公と物語の悪役が追跡行の末に見つけたものは、息もたえだえな自分自身だけだった。これぞ真のマクガフィンであろう。
(この文書は英語版の抄訳です)
上記例のように、マクガフィンとは単なる入れ物に過ぎず、その中身は『汚名』のように置き換えが可能であったり、『北北西に進路を取れ』のように存在しなくても構わない(最近では、ジョン・フランケンハイマー監督『Ronin』(1998)のマクガフィンが、中身が最後まで明かされないという点で典型的なヒッチコック風マクガフィンといえる)。 大切なことは、観客がその入れ物を巡る登場人物のやり取りに、サスペンスを感じることである。
[編集] メモ
- ジョージ・ルーカスは『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』のメイキングドキュメンタリーで、「グリーヴァス将軍はマクガフィンだ」と語っている。
[編集] 関連項目
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