マミヤ・オーピー
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種類 | 株式会社 |
市場情報 | |
本社所在地 | 336-0024 埼玉県さいたま市南区根岸三丁目23番10号 |
設立 | 1948年2月23日 |
業種 | 機械 |
代表者 | 滝沢三規 |
資本金 | 29億5,874万円 (2006年9月30日現在) |
決算期 | 3月 |
外部リンク | http://www.mamiya-op.co.jp/ |
マミヤ・オーピー株式会社(英文名称:Mamiya-OP Co., Ltd.)は、オリムピック(旧 オリムピック釣具)とマミヤ光機(1940年に創立されたカメラメーカー)が1992年(平成4年)に合併して誕生した企業である。(合併後の存続会社は「(株)オリムピック」(1992年10月 「(株)オリンピック」は「マミヤ光機(株)」と合併/社名を「(株)オリンピック」とする/1993年4月社名を「マミヤ・オーピー(株)」に再改称)であった。)
目次 |
[編集] 事業分野
- 電子機器事業(売上げの86.1%)
- パチンコ玉貸機やマンション用ロッカーなど
- 光学機器事業(9.8%)
- プロ用カメラとその用品
- スポーツ用品事業(2.6%)
- カーボン製ゴルフクラブシャフトや遮断桿など
- 特機事業(1.5%)
- 小型券売機、欠陥検査装置、薄膜測定器やCCDラインセンサなど
※年間売上げは189億円。(平成16年4月-平成17年3月)
かつては釣り具も製造していたが、2000年末に撤退した。なお、同社が取り扱っていたスウェーデンの釣り具メーカーであるアブ・ガルシア社の製品の取り扱いは、アメリカ合衆国の釣り具メーカー・ピュアフィッシングの日本法人 (ピュアフィッシング・ジャパン)が取り扱いを引き継いだ。
[編集] 事業の概要
[編集] 光学機器事業
当初は、マミヤの創業者で発明家の間宮精一が1940年に、6×6判の新規に考案したバックフォーカシング方式の連動焦点式スプリング・カメラ「マミヤ6」(実用新案登録第294734号{実公昭15-014673})を設計・発売。その後、同間宮精一が16mmフィルムの超小型カメラ「マミヤ16」を開発し1949年に発売。
その後1957年、世界初の画期的なレンズ交換式の二眼レフカメラ「マミヤCシリーズ」を開発。ポラロイド撮影の可能な8.5×10.8判(実画面寸法7.3cm×9.5cm)のレンジファインダー式「マミヤプレス」を開発(1960年6×9判を発売、1969年8.5×10.8判[ポラロイド・タイプ108,107,105用]を発売)ポラロイド社のOEMとして「ポラロイド600」をも製造。その後1975年、6×4.5cm判の「マミヤM645」を発売。
その5年前である1970年には、現在最高級プロフェッショナルカメラの国際的地位を不動なものにする「マミヤRB67」を発売、同機を電子化した「マミヤRZ67」を1982年に発売し、デジタル対応化の可能な直接電子製版原版作成が可能な現行の電子中判カメラを発売。6×7判でありながらも8×10判に比肩するカメラとして、世界のプロフェッショナルフォトグラファーに愛好され、とりわけ最新型の「マミヤRZ67プロフェッショナルIID」は、世界最高級の2130万画素の電子製版直結のプロ用カメラとして愛用され、電子化された「デジタルカメラ」としてのフィルムバックがアメリカの別法人MamiyaAmericaCorporation等を通じて普及し頻繁にプロ撮影家に愛用されている。
また6×4.5cm判の「マミヤM645」も自動焦点化され、ハイレベルのアマチュアフォトグラファーに愛用され、電子化され電子製版対応の画像撮影機材として他社にないラインアップを誇り、ハイレベルのアマチュアフォトグラファーと電子製版対応のプロフェッショナルフォトグラファーに最高級の商品を提供している。
2006年4月、2006年8月を目途に東京都台東区にあるコスモ・デジタル・イメージング株式会社へ、マミヤ・オーピー株式会社の光学器械関連部門(子会社の光学器械製造部門の「マミヤ株式会社」を含む)を営業譲渡すると発表した。営業譲渡の理由は、コンパクトデジタルカメラや高級1眼レフデジタルカメラの出現により中判カメラの売り上げが落ち込んだことや、2005年12月に発売したマミヤZDの売上不振としている。なお、カメラの製造は新会社に引き継がれて継続生産・販売され、アフターサービスも2006年9月1日をもって東京新宿マミヤS.C.からマミヤ・デジタル・イメージング株式会社(同日にコスモ・デジタル・イメージング株式会社から商号変更)本社営業課に移行し、上野マミヤS.C.に移転した。「マミヤ」ブランドおよび全てのカメラ関係のアフターサービスと光学機器事業の全てはマミヤ・デジタル・イメージング株式会社がそのまま継承した。
[編集] 主な製品
[編集] 電子機器事業
- フルタイム・ロッカー - マンション、オフィスビルむけロッカー。磁気カードによる施錠や、オンラインによる管理が可能。
- パチンコ玉貸機 - コンピュータ制御の玉貸機。プリペイドカードやICカードに対応。
- メダル貸機 - コンピュータ制御のメダル貸機。
[編集] 光学機器事業
[編集] デジタル一眼レフ
- マミヤZD - :デジタル画像処理:総画素数2170万画素CCD(DALSA社製)搭載。パソコンへの接続はIEEE1394(4Pin)採用、1.8インチ液晶モニター搭載、SD/CFカードスロット搭載、RAW画像とJPEG(9種類)画像に拠る撮影に対応、連続撮影1.2コマ秒、連続10コマ撮影可、マミヤ645AF DⅡ と互換性を保ち、レンズも共用。映像素子48mm×36mmフルフレームトランスファーCCD、実撮影画角:レンズ表記の1.16倍に相当。A/D変換=14bit A/D変換 12bit記録、実用デジタルカメラとして現在の最高水準を達成。(M645用レンズはフォーカスエイド)
[編集] 6×4.5判 一眼レフ
- マミヤM645 - 世界初の6×4.5判 一眼レフ。80mmレンズとウエストレベルファインダーの組み合わせで1,335gと、当時の35mm一眼レフと大差ない重量を実現した。
- マミヤM645 1000S - M645の後継機。シャッターの最高速度は1/1000
- マミヤM645スーパー - M645・M645 1000Sの後継機。フィルムバック交換方式を初採用。1/60の機械式シャッターを搭載。
- マミヤ645PRO - M645スーパーの後継機。機械式シャッターを廃止し、電気的セルフタイマーを搭載。
- マミヤ645PRO TL - 645PROの後継機。ドイツの家電メーカーMETZ社のメカブリッツストロボ+SCA395アダプター使用時、TTL調光が可能になった。(2006年6月販売終了宣言)
- マミヤ645AF - マミヤ初の6×4.5判オートフォーカス。ボディ・レンズ・フィルムホルダーにそれぞれCPUを搭載。
- マミヤ645AF D - 645AFの後継機。デジタルバック通信システム追加搭載。
- マミヤ645AF DⅡ - 645AF Dの後継機。カスタムファンクションを追加搭載。また、ミラーアップ撮影は機械的操作から電気的操作へ変更。
[編集] 6×7判 一眼レフ
- マミヤRB67プロフェッショナル - 6×7判一眼レフ。レボルビング機構が採用され画面の縦横の切り替えが簡単にできる。(RBはレボルビングの略)二眼レフのマミヤCシリーズ譲りのラック・ピニオン式焦点調節を採用しているため、中間レンズなしで接写ができ、主としてスタジオ撮影に用いられる(コマーシャルフォトはマミヤRZ67 の項を参照)。業務用を意識した豊富な交換レンズが使用可能。
- マミヤRB67プロフェッショナルS - RB67プロフェッショナルの後継機。レボルビングアダプター・フィルムホルダーに多重露光防止機構を搭載。ウエストレベルファインダーは、この機種よりワンタッチで開閉出来るように改良された。バランスの取れた名機として評判が高く、長期間にわたって製造・販売された。
- マミヤRB67プロフェッショナルSD - マミヤRB67のマウント口径を7mm(54mmから61mm)拡大した機種。フィルムマガジンの交換で6×4.5判から6×8判まで対応:電動ローホルダー使用により、6×8判になり、人物撮影中心のスタジオ撮影に適しマミヤRZ67のコマーシャルフォトグラフィーのユーザーと対蹠的である。(レンズに附属している7mmの口径の変換マウントリングを着脱することによりマミヤRB67プロフェッショナル及び、RB67プロフェッショナルS の交換レンズと互換できる。但し、新KLレンズ中、新開発のシフトL 75mm F4.5S/Lと500mm大口径KLレンズの2種のみはマミヤRB67プロフェッショナルSD専用で互換性が無い。)
- マミヤRZ67プロフェッショナル - RB67シリーズを電子化した機種(RBシリーズの姉妹機)。基本的な仕様はRB67シリーズと同様だが、電子回路により絞りとシャッター速度・測光データが自動連繋し測光もスポット測光と平均測光と選択でき完全連動する(別売のAEプリズムファインダー使用時)。緊急シャッター(機械式シャッター)も搭載。(シャッタースピードは1/400)
- マミヤRZ67プロフェッショナル-II(1993年発売):マミヤRZ67プロフェッショナル 初期型に対し、中間シャッター速度の設定可能(1/250秒から4秒の間)化、微動繰り出し機構の設置、縦位置撮影用フィルムカウンターを新設。さらにレンズシャッターの異常時・電池容量低下時の警告音追加、フィルムホルダーの巻き上げ機構への連動回転シャフト部分の連繋部を4点確保に改良しその他フィルム給送時の一層の安定化を図った。主としてコマーシャルフォトグラフィーの領域で広範に使用され、商品撮影をその主たる適正領域とし、コマーシャルフォトの分野での国際的な主力機種となっている。(マミヤRZ67プロフェッショナル-IIにRB67用交換レンズを使用するときはボディのシャッターダイヤルをRB-Lに設定し、RB用交換レンズに変換マウントリング(KLタイプレンズに付属)を取り付けることにより装着可能:但し通常の無限遠位置より7mm繰り出した位置が無限遠となる。)
- マミヤRZ67プロフェッショナル-IID:マミヤRZ67プロフェッショナル-IIの後継機種。2006年発売のMamiyaZD Backを使用可能なデジタルバック通信規格[MSCE(Mamiya Serial Communication for External)]を搭載し、カメラ側がシリアルプロトコルを備えることでカメラ、デジタルバックの双方の動作を最適化、デジタルシステムとしてのCPUを搭載し、電子接点を介した電子情報で連動し、CPUデジタル処理で制御されシステム連動しダイレクト化が実現:RZ67プロフェッショナルⅡD+デジタルバックアダプターHX701(発売予定)+マミヤZDバック(発売予定)を組み合わせて使用するとデジタルカメラで撮影可能。中間シャッタースピード設定可能。
[編集] 6×6判 6×7判レンジファインダー
- New マミヤ6 - 6×6判レンズ交換型レンジファインダーカメラ。交換レンズは3本のみ。
- マミヤ6MF - New マミヤ6を各種フォーマットに対応可能とした。6×4.5判マスクやパノラマアダプター(35mm判フルパノラマ)が使用できる。MFはマルチフォーマットの意味
- マミヤ7 - 6×7判レンズ交換型レンジファインダーカメラ。マミヤ6MFと同様に各種フォーマットに対応。交換レンズは4本。マミヤ6シリーズとは共用できない。
- マミヤ7Ⅱ - 6×7判レンズ交換型レンジファインダーカメラ。マミヤ7の改良判。色ガラスを追加することにより、ブライトフレーム・二重像合致部が見やすくなった。多重露光追加・露出補正をワンタッチで操作できる様に改良。
[編集] 6×6判 二眼レフ
- マミヤフレックスCプロフェッショナル - レンズ交換式 6×6判 二眼レフカメラ。ファインダー用と撮影用の同一設計の同一レンズがどちらもレンズボードに固着されており、これらレンズボード全体をワンタッチで強力な弾性を有する上下の支持用圧盤定着用レバーを用いて圧着し交換できる。多彩な交換レンズ(55mm,65mm,80mm,105mm,135mm,180mm,250mm)と接写に対応するため、ラック・ピニオン式の蛇腹による焦点調節機構を採用している。また、フィルム通路を通常のL字型からボディーの大型化を忍んでI字型にしている。このためフィルムの平面性が良く、この機種が良く写るという好評に結びついているものの思われる。
- マミヤC33プロフェッショナル - セルフコッキング、クランク巻き上げ、パララックス表示となった。
- マミヤC22プロフェッショナル - C33プロから、セルフコッキング、パララックス表示を廃止し、巻き上げをクランクからノブとした普及機。
- マミヤC330 プロフェッショナルS - セルフコッキングはもちろん、二重露出防止装置、ワンタッチファインダーなども採用したシリーズ最終型。
[編集] 6×9判 プレスカメラ
- マミヤプレス - レンズ交換式レンジファインダーカメラ。ロールフィルムホルダは6×6判もあり、さらに6×4.5版のマスクもある。15度までのアオリも使える。リンホフプレスに触発されたデザイン・設計と思われる。
- マミヤプレスG - グラフレックスのホルダに対応した。
- マミヤプレススーパー23 - ファインダーがブライトフレーム付きになり、交換レンズに応じたパララックス自動補正も実現された。6×7判ホルダも追加された。
- マミヤユニバーサルプレス(1969年発売)-後部のアオリが廃止されたがポラロイドランドパックフィルムホルダー2型(ポラロイド撮影の可能な(実画面寸法7.3cm×9.5cm:8.5×10.8判[ポラロイド・タイプ108,107,105用]のイメージサークルをカバーする75mm,100mm,127mm,150mm新設計レンズに対応しポラロイド600(ポラロイド社のOEM)に発展)/グラフレックスのホルダーにも対応。(スタジオ写真家、工事現場での建築写真の精密描写や迅速仕上りを要するトレードドレス等のコマーシャル用写真家・パスポート等の証明写真家・建築写真家、記念写真撮影の営業写真家等々に現在でも現役で使用され続けている。)
[編集] 35mm判 一眼レフ
- マミヤプリズマットNP - エキザクタマウントのマニュアル一眼レフ。
- マミヤセコール 1000DTL - TTL一眼レフでスポット測光・平均測光の切り換えが可能。M42国際規格スクリューマウント。
- マミヤ ZEクォーツ - 正確なクォーツ制御の絞り優先式TTL・AE一眼レフ。レンズマウントに電気接点を採用した。
- マミヤ ZE-X - 両優先AEとプログラムを供え、さらにレンズの焦点距離に合わせてシャッタースピードを変更し、手ぶれを防止する。
- ニコン ニコレックスF(OEM供給) - ニコンFマウントの中級一眼レフ。
[編集] 6×6判 スプリングカメラ
- マミヤシックス シリーズ - いわゆるスプリングカメラ。他のスプリングカメラはレンズを動かして焦点調節をおこなうが、マミヤシックスはフィルム面を圧板で平面性を担保して、偏心カムを左右上下4個を使用し二重像合致式プリズム連動距離計と連繋し前後に動かすバックフォーカス方式(間宮精一の発明{特許明細書登録第146741号}[1])を採用。これにより、不安定になりがちで光軸がずれる危険のあるレンズ部での手動式の焦点調節をする必要がなくなり、光学系の精度を格段に向上させた。
[編集] レンズ
以前はセコール(Sekor)というブランド名が冠されていたが、これはマミヤのレンズ工場であった世田谷光機株式会社の社名に由来している。 近年は使用されていない。
初期のマミヤはレンズを製造していなかったため、マミヤシックスでは、オリンパスのズイコーや東京光学器械(現 トプコン)のシムラーなど、他社からレンズの供給を受けていた。
[編集] 三脚・一脚
カーボンゴルフシャフトの製造技術を応用し、カーボン製の三脚と一脚を製造している。
[編集] ストロボ
ドイツ・メッツ社のプロ用ストロボを輸入・販売している。
[編集] 背景合成装置
- マミヤプロフロンター - レンズ前面に取り付け、別に撮影した背景と被写体を合成する装置。営業写真館におけるポートレート撮影などに活躍した。
[編集] その他
マミヤ光機時代には、眼底カメラ、マークリーダーなども生産していたが、倒産時に撤退した。
[編集] スポーツ用品事業
- PROFOECE MIRACLE BEAM
- AXIV
- 遮断桿
[編集] 特機事業
- 小型券売機
- 薄膜測定器
- フラットパネル欠陥検査装置
- CCDラインセンサカメラ
[編集] 外部リンク
- マミヤ・オーピー株式会社
- 株式会社マミヤ
- マミヤ・オプティカル・セキュリティシステム株式会社
- コスモ・イーシー株式会社
- 株式会社フルタイムシステム
- 株式会社エムデーシー
- DALSA Corporation - Mamiya Sets Shipping Date for Digital SLR Featuring DALSA 22 Megapixel Chip
- 株式会社ニコン - ニコレックスF
- 株式会社リコー - リコーシングレックス(ニコレックスFとほぼ同一機種)
- ITmedia エンタープライズ - なんとかBAAN稼動に漕ぎ着けたマミヤ・オーピー
- Metz
- 株式会社オリムピック
- アメリカの別法人Mamiya America Corporation で,各種デジタルバック等を製造販売
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